音楽教育について話をする時、基礎を徹底して教えることに、抵抗を示す方がいらっしゃいます。


「好きなようにさせてあげればいいのに。」

とか、

「音楽家になるんじゃないんだから、そんなにきちんとやらなくても。」

とか。


そんな話を聞くと、大変失礼ながら、「この人は、学習というものが分かっていないな。」と思ってしまいます。


確かに、好きなように色々試して分かることはあります。


しかし、それは、技術や知識の学習に取り組んで、はじめてできることです。


しかも、好きなように色々試して自分の演奏表現を見つける、などというのは、かなり勉強した人が行う、高度な学習だったりします。


楽譜を読んで、やっとこさ音を拾える段階でやることではありません。


基本的なピアノの弾き方を習得できていない段階でやることではありません。


好きなように音楽を学べる方は、


音楽的な表現とは何かがわかります。


楽譜からカタコトの音符ではなく、音楽の文章を読んで、音楽的な文脈を判断することができます。


タッチをコントロールして理想の音色を追求することができます。


できないところを、できないと認めて、できない原因を分析して、地道な訓練を行うことができます。


つまり、音楽の学習において、自立・自律している必要があるのです。


自由とは、自立・自律の上に成り立ちます。


誰に頼らずとも、独自に思考し、

学習の方法を試行錯誤し、

その結果の成否を判断し、

自分の能力を高めることにつなげていけるから、自由なのです。


それが、学習の基礎です。


基礎とは、自分のやりたい事を見つけ、実現するための方法です。


つまり、基礎を身につけるからこそ、自分の個性を、自由に表現していくことができるのです。


例えるなら、鳥が、自由に大空を飛ぶための翼の使い方を得るようなものですかね。


どこを飛ぶかは、それぞれの鳥が自由に選べます。


しかし、空を飛ぶためには、翼の使い方が分かっていなくてはならないわけで、ヒナから一羽の自立した鳥として巣立っていくために、羽が生えてきたら、彼らはしきりに羽ばたいて、飛び立つ練習をするわけです。


生徒さんには、ぜひ、自由な学びを獲得して欲しいと思っています。


だからこそ、何歳であろうと、何を目指していようと、基礎を徹底して教えることにしています。


きちんと学ぶから、できることが増えていき、楽しいはずです。


そうして学んだ先に、多様で自由な学びが待っています。


ぜひ、基礎を学んで、自分が好きなように学べる、本当の自由を手に入れましょう!✨

ではまた☺️

🎼川端優也ピアノ塾