6月30日 如水こども園で広木克行先生による親講座が開催されました。
当日は、如水の保護者だけでなく他園の職員や保護者、そして同時開催されていたホームスタートジャパン九州エリア研修会
(中津市HPよりhttps://www.city-nakatsu.jp/kosodate/2018062900013)の皆さんにも参加いただき、合計で80名以上の方に参加していただきました。
また、今回は父親の参加が非常に多かったのも特筆すべき点です。
講演のあとに控えている座談会のため、声掛けはさせて頂きましたが、10名を超えるお父さんの参加がありました。
数年前は 「今日はお父さんがいますね」 と言われるほど参加が少なかった親講座ですので、社会の変化そして保護者の変化を感じます。
さて、広木先生の講演はいかがでしたでしょうか?
今回は事前に保護者さんにお願いして子育てに関するアンケートを集計させていただきました。
1つの事例として、
「3~4歳のこどもです。こどもが言い訳ばかりする。何とか分かり易く話そうとはするが、又言い訳をするの繰り返しです。」
と言うお母さんからの相談が挙げられました。
広木先生はこの問いに対して、一番最初に
「すてきですねー」
「こどもにとっては屁理屈も立派な理由です。言葉にすることが出来ているのはとても素晴らしい。素晴らしいお子さんじゃないですか。」
とおっしゃいました。
その瞬間、心がグッと震えました。とても心地よい震えでした。
この相談に、自分の経験を重ね合わせて聞いていたのですが、
自分すらも認めてもらえた気がして、素直に嬉しい気持ちになりました。
そして、「あ、この感触がこどもにも必要だ。」 と気が付いた瞬間だったと思います。
こういった経験が積み重なることで、
こどもに“基本的信頼感”が育つのだと感じました。
また、その心を育てるために「1日1回、1分くらいでも抱きしめてあげて欲しい」というお話もとても参考になりました。
“触れる”という行為で、こどもの心を安心させることが出来るのです。
私のこどもは小学校3年生です。
この子も如水に年長までお世話になったのですが、朝の体操は父の役割でした。
忙しい時など、十分に体操をすることは出来ませんでしたが、職員のみなさんのフォローで
何とか続けることが出来ました。ありがとうございます。
毎日、こどもの起きている時間に帰る事は出来ませんでしたので、
この体操のおかげで、今の親子関係が保てているのだと、今では考えています。
また、暴力や暴言がこどもの脳を傷つけるというお話も、とても興味深かったです。
乳幼児期に暴力や暴言を受けて育ったこどもは、脳の扁桃体という、“不快”などの情動をつかさどる部位に変質が現れるというお話しでした。
その様にして傷つけられてきた脳のまま育ったこどもは、自分の情動をコントロールできない≒キレやすい人間に育つのだという事です。
特にその影響は、こどもへの直接的なものでなく、夫婦喧嘩もこどもの前で行う事で同様の影響を及ぼすことが分かっているそうです。
こどもの前でケンカしちゃだめですね・・・(反省)
さて、講演会の後はお父さんに残ってもらい車座になっての座談会を行いました。
座談会で、あるお父さんからこういった質問が出ました。
「母親の叱っている内容が、自分としては叱るほどのことじゃないんだけどな。。と思う事がある。そんな時にどうすれば良いのか?」
これには、その場にいたすべてのお父さんが賛同のうなずきをしていました。
その質問に答える先生の言葉の中で印象的だったのが、
「父親と母親の意見が違うのは当たり前。
そして、子育てには、必ずしも正解が必要なわけではない。」
というものでした。
むしろ気を付けなくてはならないのは、こどもの前で夫婦間で否定をしあう様な姿を見せてはないというものでした。それは夫婦げんかに通ずるものがある行為だという事です。
時には、その場を“任せる”という気持ちが大事になるのですね。
非常に奥が深いです。
その他にも、習い事についてや、こどもの社会性を育てる“たてよこななめの関係”など、ここには書ききれない多くの知恵を授けて頂いたと思います。
先生は座談会が終わった後に、中津発の最終便で長崎に向かいました。
大変お忙しい中、如水まで来ていただき本当にありがとうございます。
そして、参加していただいた多くの皆さんにも貴重なお時間を調整していただいたことに深く感謝申し上げます。
ぜひ、来年も引き続き広木先生には如水に来ていただきたいと思っております。
今年参加された方は、お近くの方をお誘いあわせの上、来年もご参加ください。