東田 直樹さん


「僕はきれいな桜を長く

見続けることができません

それは桜の美しさが

わからないからではありません

桜を見ていると

何だか胸がいっぱいに

なってしまうのです

繰り返す波のように

心がざわざわと

かき乱されてしまいます

その理由は

感動しているせいなのか

居心地の悪さから

くるものなのか

自分でもよくわかりません

わかっているのは

僕が桜を

大好きだということです」





「絵の具で色を塗っている時

僕は色そのものになります

目で見ている

色になりきってしまうのです

筆で色を塗っているのに

画用紙の上を

自分が縦横無尽に

駆けめぐっている

感覚に浸ります

物はすべて美しさを持っています

僕たちはその美しさを

自分のことのように

喜ぶことができるのです」





「僕は命というものは

大切だからこそ

つなぐものではなく

完結するものだと

考えている

命がつなぐものであるなら

つなげなくなった人は

どうなるのだろう

バトンを握りしめて

泣いているのか

途方にくれているのか

それを思うだけで

僕は悲しい気持ちになる

人生を生き切る

残された人はその姿を見て

自分の人生を生き続ける」