「水葬でいいから」 | ヨシュアとカレブの散歩道

ヨシュアとカレブの散歩道

ボカロP ニト。です。 自由に絵や詩を描きます。

 

泣いたあなたの後ろ姿 屈みこむその悲しみに ひたすら浸かっていたい

涙の池にあなたと並び 二人一緒に飛び込めば 水しぶきが雨になった

 

その雨が降り注ぎ あの池に溜まっていく

 

また一人 私が死んで

花束を握るあなたの頬に 滲み出すものはない

 

今日もあの池に溺れて 苦しみながら笑っている あなたと二人で ずっと

 

同じ時が二度ともう来ないように 祈りをあげようか

 

・・・水葬でいいから・・・

 

池に浮いた花束を今日も眺め 嬉しそうに笑った

明日はどんな花をくれるかな

 

いつからか楽しくなって その池は大きくなって

私たちには どうする事も出来なくなった

 

 

少し曲がったあなたの背筋

下を向くその青い跡から 無駄花 が咲いた

 

涙の池はもはや湖で そこに鯨が住み着けば 潮吹きで花弁が舞った

その花弁が降り落ちて 水面を埋めつくしていく

 

また一人の私が死んで 鯨に跨るあなたの瞳は 滲んで溶け出した

 

今日もまた飛び込もうと いつもの岸に立っていたら

あなたが私の手を掴んだ

 

「もうやめて 死なないで どうかこの祈りに気づいて離さないで」

 

・・・水葬でいいから・・・

 

湖の鯨は花束を食べ私を見る

悲しそうに 泣く

 

花が浮くたび それは苦しんだ

 

あの日から虚しくなって その内よくわからなくなって

私は本当に消えてしまいそうになった

 

 

一人で湖に浮かんで そこの水を溜めるだけ

・・あら 悲しいわ

 

この湖の下の街には まだ人が生きている

・・・あら 忌々しいわ

 

私は鯨の上であなたの横で 同じ事が来ないように祈っている

 

・・・・・水葬で いいから・・・・

 

湖の底に沈む街にある綵花を 喜んで摘む子供達

そんな事がないように なくなるように

 

いつからか祈りを送って

そのたび花束を沈めて

 

私たちはその街を湖に映し出す

 

 

 

 

 

 

 

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