副題:呼び方とボランティア演奏が受けられない理由

 

これは私を基本にしたことなのですが、そんなに他の演奏家の方々とも変わりはありません。みんな似たり寄ったりです。でも演奏家を呼んで演奏をしてもらうって、すんごぉ~~~くお金が掛かることだと呼ぶ側の一般人の方は思っていると思うのです。そこで私が演奏依頼の仕方を教えてあげます!

 

今日のお話はすべて「この人いいなぁ、、来て欲しいなぁ、、」と身近な友人でも何でもない演奏家を一介の招聘側としてお仕事として呼ぶ場合の話です。演奏家のお友達や知り合いに頼む場合は今日のすべてのお話において想定していませんのでそれは考えないで下さい。

 

ダメな聞き方

「あのぉ、、、お幾らくらいで来て頂けるのでしょうか?」

 

どなたもまず、これを尋ねて来ます。これ、一番困るんです。まったく答えようがありません。「私は3万円で行きます」という回答がみなさんあると思っているんですよね。それは実はないのです。何故なら演奏家も他の職業と一緒なのです。大工さんに「あの、、、家を建てて頂いたらお幾らですか?」と絶対に聞かないですよね?だって大きさ、構造などによって材料費、労賃にも差が出て来るのは当然考えられますよね?演奏家も「まったく同じ」なのですよ。

 

正しい聞き方、例1=50点

「10人くらいの集まりで、アフタヌーンティーパーティー

なのですがお幾らで来て頂けますか?」

 

これがまだ50点なのは、演奏趣旨、予算の出どころが分からないからです。集まる10人が均等に割って出すのか、パーティーには主催者が居てその方がお一人で出すのかなどが分かりませんよね。また演奏会を開いて欲しいのか、BGM演奏なのか。それによって答えが違って来るのです。この聞き方では、どうして?どこに?どう演奏を入れるのかが分かりません。

 

じっくりと演奏会を中心にした聴くティーパーティーなのか、またはパーティーの単なるBGMで、演奏中はお客さんは歓談をしているのか。これもとても重要なことです。

 

ギャランティーはもちろん多いに越したことはありません。それは私達演奏家は儲けの為ではなく、普段より多く頂ける機会があれば、そのお金を次の「予算がないけど」重要だと感じ是非行ってあげたい依頼へ行けたり、自身の活動向上の為に注げます。どちらも演奏家にとってとても大事なことです。

 

つまり演奏家を呼ぶには、

「どうして、どこに演奏がどの様に何分くらい欲しいか?」

「集まる人数、その集まりの趣旨は?」

「誰が演奏料を払うのか?主催者なのか、みんなで均等割出資なのか」

などがキッチリと明確に分かっていれば、取りあえずズバリ「幾らです」と多くは言えます。この上に色々とオプションのお話が付くわけです。

 

ここで一番大事なのは皆さんは何だと思いますか?

実は「集まりの趣旨」なんです。

この内容によって「交通費だけでOKです」になったり「5万円です」になったり変わって来るのです。人数や誰が出演料を出すのかが重要だと思った方も多いと思います。

違うんですねぇ、、、これ、超分かり易く一例を。

 

交通費だけでもいい場合:

その集まりが「オリンピック開会式」だった場合。交通費も要りません。自腹で行きます。どうしてだか分かりますよね?もちろん音楽家として参加するのに非常に意義を感じるという意味も大変重要ですが、本当にここで1円も頂かなくても、、、、出演した後、向こう数年忙しいでしょうねぇ。。。笑。いやいや、本当にこういうことです。

もう少し規模を小さくさらに平たく言うと、「宣伝効果が非常に高く、CDの売り上げの倍増などが確実に見込める場合や、その場、現地においてそれらが実際にあるもの」です。そこに予算がなくても、そちらの売り上げからその日の日当もあてがう事が出来ますよね。
 

逆にきっちりお金を頂かないとダメば場合はこんな感じです。

1:分かり易い例ではまずは結婚式です。

ここでは多くはBGM的な演奏を務めます。また新郎新婦の思い出の曲を特別枠で演奏、なんてこともありますが、いずれにせよ結婚式をより素晴らしい思い出深いものにする為の演出です。ここはあくまでも黒子として徹する場面で、宣伝やCD促進販売なのに直接効果のある機会ではありません。なので、きっちり交通費もその日の日当も必要になって来ます。都内在住の演奏家が都内の式場で出向いて安い人で「ひとり頭」2万からと思って下さい。これは音楽事務所を経由せずに直接頼んだ場合です。実は2万でも赤字です。それらの話はまた別の時に。


 

2:会社、お店、集まり、催しの集客の為のイベントとして

これはもう、呼ぶ側の営利に使われるのですから、私達が無償で行くことは出来ません。そのイベント自体がお金を集めるものでなくても営利です。例えば会社の創立記念00周年パーティー。これは結婚式と同じですね。

または何か販売店での特別セールや展示会などへの客寄せの為など。あなたの会社や主催するイベント、催しの集客の為に演奏家を使うのでしたら、これもキッチリお支払をしないとなりません。基本的に交通費のみという形もありえません。

 

ただこれらには私においては例外があります。それはどの演奏家にもあります。例えば私の場合でしたら、ビリヤード普及もライフワークの1つなので、営利に関わる内容であっても自腹でも出向く場合があります。交通費くらいは出して頂けると行かれる可能性がほぼ100%まで高まります。要はその演奏家の「興味、関心」の度合いですね。でもこれらは一般依頼からはまずないことだと思って下さい。

 

だいたい分かって来たでしょうか。

「その集まりの趣旨、規模」などがを大事ですね。これをしっかり告げて下さい。

次に人数や時期で内容によっておのずと出演料が決まります。

 

大事なのは「出来るだけ安く呼ぼう」と考えない、しないことです。

まったく同じことをするのにも

「こういった趣旨のところで、これだけの人が来て、

これだけのことが最大で出来ます。これでお願い出来るかな?」

と考え努めて下さい。

それは私達も「一円でも高く取ろう」なんてまったく考えていないからです。

 

交通費だけまたはそれ以下の予算しか最初からなくても聞いても構いませんが、それは基本的には特殊な環境が揃わない限り無理だと考えて下さい。

またまったく見知らぬ演奏家に依頼をするのに、「何の特別な理由もなく」最初から無償での問い合わせや、それが何かボランティア、慈善活動としての演奏依頼でも、とても失礼なことなのです。きちんと理由がありますので、しっかり読んで下さい。

 

大工さんの話に戻って下さい。まったく知らない大工さんに建設の用事があって電話帳で電話をします。

「交通費も出ませんが、無償で犬小屋を是非作ってください。貰った人達は喜びます。出来栄えを見た方達が喜びあなたの仕事の宣伝にも’なるかも’しれないと思うので。」

なんて交渉を知らない人に誰もしませんよね。要は何かしら先方のイベントなり事業に無償で働いて欲しいということですよね。演奏家も同じなんです。

 

「00病院、00福祉事業、ですが、ボランティア演奏、交通費も出演料も全部自腹でこんなことをして頂けませんか?私達も一切お金を取っていないので予算もゼロです。」

 

と、見知らぬ方から「慈善活動に協力出来ないんですか?」と突然言われてもそれには無理があります。ボランティア演奏は私自ら相手の活動や状況を見て、尚且つ、先方に予算がない時に、自分が是非やりたい!演奏してあげたい!と思った時に成立をするものなんですね。また私達、いつもやりたいボランティア演奏で目一杯なんです。そこにもう深く関わっていて、これ以上のボランティア演奏活動は非常に難しいのです。これ、多くの演奏家の現実です。どうぞ覚えておいて下さい。

ボランティア演奏が出来ないんじゃないんです。

もうボランティア演奏活動は一杯なだけなんです。

これ以上はお請けする余裕もないし、枠が今のところないのです。

 

そして一度、冷静にこの様に考えてみて下さい。

病院や福祉事務所も職員がいてお給料をもらって働いています。

そこに入る演奏も同じ労働です。

何故、見知らぬその演奏家に依頼をしなくてはいけないのですか?

それは本当にその演奏家でなくてはいけないことですか?

プロの演奏家でなくてはダメなのですか?

アマチュアの上手な方やセミプロの方で希望する有志ではいけないのですか?

お住まいにお近くのそれらの方々はたくさんいます。

その方達に頼まれてはどうでしょうか?

演奏は「やりたい!」という気持ちが一番大事です。

やる気のある身近な方でプロアマを問わずに見つけられて下さい。

 

また身も知らぬ方からそれがどんな立派な団体であろうと、その活動主旨に賛同し協賛することはいきなりは無理です。本当にたくさんの詐欺まがいの人(団体)がいるのです。大変有名な団体の中にも居ることもあり、私も遭遇したことが数回どころか「ものすごくたくさん」あります。

そして何か慈善団体だからとて、演奏家=ボランティアで来てもらうのが当然、といった図式や思惑が少なからずともある場合が多く非常に残念に思います。内容を一度は聞きますが、ほとんどのお話において丁重にお断りをさせて頂いております。それは私でなくてはならない理由が存在しないからです。またそういったお話に限り、同時に先方の活動内容にも賛同しがたいものがほとんどなのです。


なんであれ、ボランティア演奏依頼については、

「どうしてもあなたじゃなくちゃ嫌だ!ダメなんだーーー!!何が何でも来て欲しいんだ!!!それにはこんな理由があるんだ!!でも予算がどうしてもないんだーーー!」

と理由があって、私が聞いて「なるほど!是非行きます!」と思えば行くわけです。私でなくても誰でもいいのであれば、私には声を掛けないで下さい。

私、ボランティア演奏で忙しくてお請け出来ません。

 

ではここで元に戻り100点の(に近い)聞き方です。いずれも「私」をどうしても呼びたい!ジョセフィーヌの演奏が好きだ、生で聴きたい!というお気持ちのある依頼主という前提です。

 

例1:

「何時からフランス料理教室を開催します。参加者は10名。調理後の試食会の時に、フランスの歌を中心に40分ほどのミニコンサートをして欲しい。お幾らくらいで来て頂けますか?」

 

例2:

「私の喫茶店であなたの演奏会を開いて欲しい。演奏料はお客様に飲食代とは別にチケットを◯◯円で販売するのでその売り上げ全額(または◯◯%)ではどうですか?」

 

例3:

「会社の創立記念◯◯周年パーティーを50人くらいの人を集めてします。2,3曲ほどゲストで出て欲しいのですがお幾らくらいですか?」

 

だいたいこんな感じです。すると、こう答えるのです。

 

「CDの販売はそこで出来ますか?販売促進協力を得られますか?駐車場はありますか?機材は必要ですか?そこにありますか?こちらで持って行きますか?etc,,,」


これらを聞いてもう少し細かいこともお話をすると、だいたいの出演料が算出されます。交通費は別です。千円程度の額なら込みでも大丈夫ですが、目安として3千円以上くらいから厳しくなって来ます。

でもそして、お客様の提示した条件、環境等によりそぐわう内容的、料金的な提案ももちろんします。

 

例えば例1のフランス料理講習会でしたら、10名の参加者の講習料金に演奏料の均等割負担がどこまで出来るのかに寄りますよね。あまり高額にすると、講習会自体に人が来なくなりますよね。こういった場合、今回1回きりではなく料理教室のある毎でのシリーズではどうか?などとお話をしてみます。お互いに効率が一番良く、負担も少ないベストを探し出すわけです。

 

例2でしたら、演奏会後のお客様との懇談会を催したどうか、または2部制で入り替えをするとか、最初からお店側でどのくらいの集客が見込まれているのかなどを話し合い、最終的な形、出演料がおのずと決まってきます。

 

例3は先にも述べたように最低でも2万~でしょうか。内容によりかなり変わって来ますが、パッと近場に行って1,2曲でパッと帰る程度でそれくらいです。

 

あとは営利も目的でなく、予算の算出がどうにも出来ないところで本当に条件が厳しいところもたくさんあるのです。CDは売ったらいけない、売れない(多いのです)予算以上はまったく出せない。これ学校教育関係に多いです。生徒保護者からお金は公立学校事業なので取れません。それでも、事前に学校の職員さんの希望者達がCDを少しでも出演料の足しにと買って頑張って下さって行くことが出来たケースもあります。差し引きほぼゼロでしたが、赤字にはなりませんでした。こちらだってそれはそれは嬉しいのです。そこには「あなたにどうしてもお願いしたい理由」がもちろん存在していました。


いかに安く、お金を掛けないで呼ぼうではなく、出来る範囲で頑張って「これだけ出来ます。これでどうにも限界なのですが、、」とお話を下さればこちらも前向きに考えられるし、頑張っちゃうのです。そこでお話の折り合いが付けば本当に世界中どこにでも行くんです。実際私は世界中を飛び回って行っています。
 

さてと、だいたい分かって来たでしょうか。「幾らでないと受けられない」というのは基本ないんです。交通費以上で要応相談ですね。本当に内容によります。

私においてはCD販売と投げ銭だけでOKという場合も半分以上を占めるので是非お気軽に相談をして欲しいのです。たいていこれで結構遠方でも交通費も出ますし十分です。

 

特に新しいCD発売キャンペーンなどの時の機会を利用して下さると一番で、お客様側に負担がほぼありません。パンフレットにも書いてあります♪ 今年は新CDを年末までにを目標にしています。準備が整ったら皆さんにお知らせしますね!

 

 

さて、ボランティア演奏が受けられないのも分かって頂けたと思います。どの演奏家も同じです。演奏家=ボランティアOKではないですから。すると全部ボランティア演奏になっちゃいます。食べて行かれません。優先すべくもの、自分がすべきやるべきものと自分が納得し思えるものしか行かれませんし、いつもどの演奏家も進んでやっています。

ボランティア演奏依頼を断られたと言って、演奏家をケチや慈悲がない、高慢だ、あまちゃんだ、分かっていないなどと思わないで下さい。ましてや人にそう言うのなんて思い切りバカヤローです。あなたの演奏依頼の仕方が間違っていたか、やりたいけど限界なだけです。やりたい場合、余裕が出来たら行きますから安心して下さい。またそう言います。絶対忘れません。だって私がやりたいのですから。

 

では次のブログにも「私」、演奏家の呼び方シリーズで、「こんな風にすると簡単に呼べる実例集」とか実際に合った招聘実例やまたNG事例などを書いてみますね。

「へぇ~なるほどぉ~」と聞いて分かることも一杯あると思います♪

知って損は何もないと思います♪ いやお得になるかもしれません♪


今日も最後までどうもありがとうございました!

ではまた! See You Soon !!

 

 

via Joséphine Nidy's Official Site
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