ちらつき始めた雪が街を一層華やかにさせる。
舞い降りてくる雪の一つ一つが光に照らされてキラキラしている。
こんな都会にも雪が降るのかと思うと、またなんで今日に限ってなのかと思う。
「お疲れっした。先上がらしてもらいます」
「おう。いちゃつきすぎんじゃねーぞ」
バイトの後輩には彼女がいて、今からデートの予定らしい。
悔しいなんて思わないが、こうして店に店長と男二人で片付けをしているのはやはり寂しい。
「まぁ飲もうぜ。シャンパン開けてやる。」
片付けも一段落してそう言う店長はもうテーブルに座ってグラスにシャンパンを注いでいる。
ふぅ、とため息か何なのかわからない音が漏れて俺もテーブルに座った。
「これ、超安物っすよね」
「まぁそう言わずに飲めっ」
「寂しいなー。あ、もうそんくらいで。いただきます」
口に入れたシャンパンが喉を通って味が伝わる。おいしさは全く伝わってこずに、疎外感だけが伝わってきた。
「今日バレンタインなのに、こんなふうに過ごしてると世間から仲間外れにされた気分です。」
「え、今日バレンタインなのか。はーどうりでお客さんみんな紙袋みたいなん持ってたのかー」
この人がなぜシャンパンを開けたのか全く理解できなくなって余計にまずくなった。慰めてくれているんだと思っていた自分の勘違いが情けなかった。
そのときカランという音をたてて店の扉が開いた。
「すみません。もう店終わりなんですよ」
そう言い終わってあまりにも美人な人だったので、しまったと思った。
「そうなんですか。じゃあまた来ます」
それだけ言うとカランという音と一緒にその女の子は行ってしまった。
時計を見ると11時45分。
店長を見るとあのまずいシャンパンをごくごく飲んで寝てしまっていた。
俺はテーブルに腰かけて女の子の顔を思い出した。
走ってきたのか、息が少し荒れていた。前髪もくしゃっとなっていた。
唇は赤く艶やかで、ほっぺたも寒さでピンク色っぽくなっていた。
スラリとしたスタイルでタイツだけの出した足が寒そうだった。手袋はしていなかった。コートの先から見える白くて細い指が綺麗だった。
その手には、華やかに包装されたプレゼント袋があった。
彼女は一人でお店に来ていた。
扉の向こうで降る雪と同じように光る涙が瞳を纏っていた。
グー、グッ。店長のいびきではっとなった俺は、カランという音を勢いよくたててキラキラの雪が降る街へ走り出していた。
おわり
舞い降りてくる雪の一つ一つが光に照らされてキラキラしている。
こんな都会にも雪が降るのかと思うと、またなんで今日に限ってなのかと思う。
「お疲れっした。先上がらしてもらいます」
「おう。いちゃつきすぎんじゃねーぞ」
バイトの後輩には彼女がいて、今からデートの予定らしい。
悔しいなんて思わないが、こうして店に店長と男二人で片付けをしているのはやはり寂しい。
「まぁ飲もうぜ。シャンパン開けてやる。」
片付けも一段落してそう言う店長はもうテーブルに座ってグラスにシャンパンを注いでいる。
ふぅ、とため息か何なのかわからない音が漏れて俺もテーブルに座った。
「これ、超安物っすよね」
「まぁそう言わずに飲めっ」
「寂しいなー。あ、もうそんくらいで。いただきます」
口に入れたシャンパンが喉を通って味が伝わる。おいしさは全く伝わってこずに、疎外感だけが伝わってきた。
「今日バレンタインなのに、こんなふうに過ごしてると世間から仲間外れにされた気分です。」
「え、今日バレンタインなのか。はーどうりでお客さんみんな紙袋みたいなん持ってたのかー」
この人がなぜシャンパンを開けたのか全く理解できなくなって余計にまずくなった。慰めてくれているんだと思っていた自分の勘違いが情けなかった。
そのときカランという音をたてて店の扉が開いた。
「すみません。もう店終わりなんですよ」
そう言い終わってあまりにも美人な人だったので、しまったと思った。
「そうなんですか。じゃあまた来ます」
それだけ言うとカランという音と一緒にその女の子は行ってしまった。
時計を見ると11時45分。
店長を見るとあのまずいシャンパンをごくごく飲んで寝てしまっていた。
俺はテーブルに腰かけて女の子の顔を思い出した。
走ってきたのか、息が少し荒れていた。前髪もくしゃっとなっていた。
唇は赤く艶やかで、ほっぺたも寒さでピンク色っぽくなっていた。
スラリとしたスタイルでタイツだけの出した足が寒そうだった。手袋はしていなかった。コートの先から見える白くて細い指が綺麗だった。
その手には、華やかに包装されたプレゼント袋があった。
彼女は一人でお店に来ていた。
扉の向こうで降る雪と同じように光る涙が瞳を纏っていた。
グー、グッ。店長のいびきではっとなった俺は、カランという音を勢いよくたててキラキラの雪が降る街へ走り出していた。
おわり