人類は今何を学ぶか?

秋来ぬと目にはさやかに見えねども、風の音にぞおどろかれぬる。 西行法師の有名な歌は八百年も経った今日に、これほどその示唆するものを我々人類に語りかけているものは無いのではないか。 今人類は恐怖にまみれたパンデミック発生に次いでアメリカに於ける再発する人種問題がブラジルに飛び火、パンデミックと同時多発の、人類にとっては二重の苦悩を提示する、その時に、アメリカの独立記念日に起きた銃による殺害事件の多発。 此処日本ではまた豪雨で九州本州の各地が洪水の恐怖にさらされている。 二重、三重、多重の苦難が同時多発的様相を呈している此処数日の、この地球上の出来事に人類社会は一体どう立ち向かうのだろうか。 これ等多重の混乱は昔から、この地球上で、同じ様なタイミングで常時発生していたのかも知れない。 情報化社会に於いて、余りにも多くの情報が克明に全世界に到達する今日だからこそ起こっている事で、別に珍しいことではないとうそぶく心理も否定はできない。 ただ、西行の歌が示唆するものとして、人類が「はっと気が付く瞬間」に対する覚悟と云うものをなにやら呼びかけている様に感じられてならない。

 

地球上のあらゆる生き物が夫々の都合を認識し、賢い生き方を夫々が究明しながらその存続の工夫と強調を図らねば立ち行かないこと、これは、すべてのものがその存続の体験からしか学び取れないものなのかも知れない。 2020.7.7