名著『人を動かす』には、驚くべき一節があります。

それは、**「凶悪な犯罪者でさえ、自分を善人だと信じ、彼らなりの正当な理由(五分の理)を持っている」**ということ。

私たちが日常で感じるイライラや、繰り返される誤解。 その根本的な原因も、実はここにあるのではないでしょうか。

「空白」を自分の都合で埋めていないか

相手の言葉が足りないとき。 説明が不十分なとき。

私たちは無意識に、その「空白」を自分勝手なロジックで埋めてしまいます。

「きっと私を軽んじているんだ」 「嫌がらせでやっているに違いない」

相手の背景にあるはずの「五分の理」を無視して、自分の物差しだけで突き進んでしまうのです。

「決めつけ」という名の加害者性

どんなに理不尽に見える相手にも、その人なりの立場や、譲れない「理」が必ずあります。

それを想像することを放棄し、自分の思い込みだけでジャッジを下す。

 

その瞬間、私たちは被害者の顔をしながら、実は**「決めつけ」という名の加害者**になっているのかもしれません。

世の中の事件や衝突は、すべてこの小さな「思い込み」から始まっている――。

そう思うと、相手の見えない背景に少しだけ、想像力を働かせてみたくなりませんか。