昨日忘れました!すみません!





「それでも僕は、月を綺麗だと思う。三十二話目。」
  空は毎日、日記をつけていた。晃や岡村、咲希との思い出を忘れないように記しておくためだった。その日記に最近、晃のことは一切書いてない。自分では気づいていたが、晃と過ごすことで好きになってしまい、あの夢のようになってしまうのが怖かった。約束の日まであと六日。そう、私はあと六日しかこの世にいられない。そして私はみんなの記憶からも消えてしまう。日記の十二月二十五日のまだ何も書かれていない空白のページを見ながら空は、晃の告白ってどんなどんなものなのだろうと考えていた。自称ロマンチストの晃なら「月が綺麗ですね。」みたいなことを言いそうだと思い、少し笑ってしまった。ふと時計を見ると時計は零時を指していた。私が消えるまであと五日。