前々から防大受験や航空学生受験についてレポートしてきましたが、ここでは私の進路について少しだけ触れておきたいと思います。

先日2月15日が防大入校志願期限でしたが、最終的に私は辞退届けを出しました。

理由は家族、親戚からの反対や様々な理由からです。自衛隊の存在を認めていない………というような人達ではないのですが、周囲には自衛隊関係者が乏しく正しい理解からはほど遠い環境でした。

そして私の友人たちもそうです。
殆どの友人たちが大学進学を決める中、防大に進むということは極めて異端……とまではいきませんが、《そういう思想》を持っている子としてのレッテルを貼られるのは目に見えていました。

それで崩れる脆い友人関係を築いてきたとは思いませんが、主にあまり親しくない同学年の人達からは何かしら裏で言われることでしょう。

(つまり、自衛隊は私が身を置いている環境では身近な存在ではなく、敢えてそこに行くとなれば何らかの要因、私の《特異》な考えによるものだと判断されてしまうのです)

そして問題は私です。
家族や親戚中からの反対を受けて防大に行く価値はあるのか。迷いました。
友人を失うことにもなりかねない。

防大を目指そうと頑張って、得た資格を手放すのは人生の大きな決断でした。
家族の反対を押しきってまで行こうとまでは思えませんでした。

偉そうにレポートしておきながら何を今更………って感じなので正直に私の進路をここに書いておきます。

率直に言えば、実質日本の軍隊なのに軍隊とは名乗れない自衛隊の置かれている複雑な状況を身に染みて感じました。志望するときに親に自衛隊がどんな組織であるかを一言で表せなかったからです。どんな組織か定義されていない曖昧な状況は不遇であると思います。海外では軍と言えば立派な国家組織で正々堂々と名乗れる身分ですが、自衛隊は違います。自衛隊が人材不足に喘ぐのはそこにも原因があると思いました。

受験の際に献身的に協力してくださった地連の方々には恩を仇で返すような形になってしまい、申し訳ないと思っています。この記録が何らかの役に立つことを願っています。

春から晴れて65期防衛大学校生となる皆さま方には心よりお祝い申し上げます。

大学受験も並行しており、幸いなことに入学資格を得ましたので、春から大学生になります。
無念……とは言わざるを得ませんが、自分が決めた進路だと今は納得しています。
私の弱気や気概の足りなさでこのような決断とはなりましたが、今後はまた自衛隊とは違った形で社会に貢献できるような人になれればいいな……と思っています。
春から防大生となる知人にも辛いことはあると思いますが、頑張ってもらいたいです。

お読み頂きありがとうございました。