「彼らが本気で編むときは、」
監督:荻上直子
出演:生田斗真、桐谷健太、柿原りんか、ミムラ、小池栄子、

家族、特に母子をテーマにした映画。
それぞれの役を果たした作品だと思う。

家の中で話が進むことが多かったが、住み方というか暮らし方がおもしろかった。
集合住宅のリノベーション、もともとはテレビと本しかなかった部屋にソファとテーブルが置かれて、間接照明で落ち着く部屋にしている。
家から出かけるときは自転車とバスが主な交通手段で、おそらく車は持っていない。家で食事をして、ビールを家で飲む。
職場の若い同僚の結婚式は神前式で厳かに執り行われる。

古いものを大切に活用して自分たちの生活を慎ましく豊かなものにしている姿勢は受け入れやすいものだった。

一方で、古いものでもいまの時代の人たちに受け入れられない、古い価値では認められないことは、映画のテーマを残して排除されている。

この映画には父がいない。何度か『乳』が話題に上がるのは皮肉なんだろうか。
あるいは、父親役は必要ないのかもしれない。母である前に女、という物言いに対して、親である前に人としてどうなのか、という返しがあった。

古い価値から離れて暮らすときには、古い仕組みの家族はいらないのかもしれない。