さらばジョニー阿部…エーデルピルスとブルゴーニュ
あのジョニー阿部とのセミナーでの大騒ぎから1ヶ月…
相変わらず俺はフリーターのままだ。
エリカさんから、「ジュンペイが興味あるならウチの会社で働かない?」
「ジョニー阿部も同意しているんだけど…」と誘われたのだが…
正直、飛びつきたかったけれど…断ってしまった(苦笑)
そして今夜もバイトに来ている。
11時過ぎ…ドアが開くと…
「こんばんわ︎」
エリカさんだ︎
あのセミナーの後ちょくちょく来て飲んでいってくれる。
会社の仲間やら、友人やらの飲み会の締めに一人で立ち寄ってくれるのだった。
「エーデルピルスをちょうだい︎」
彼女もジョニー阿部の影響なのかエーデルピルスが好きで…
「ジュンペイの入れてくれるエーデルピルスはホント美味しいんだよね︎」
「ありがとうございます」
「…先生、いやジョニー阿部さんは元気ですか?」
「一昨日久しぶりに日本に帰って来たんだけど、忙しそうで私も会えていないんだよね…」
「なんか、ロンドンの会社を通じて上海の凄い高層ビルを買い取るとか言っていたわ…」
「なんだか私なんかが手の届かない所へ行ってしまった感じで(苦笑)」
エリカさんは少しだけ寂しそうだ。
俺は少しだけ悔しくなっている自分に気づく。
エリカさんはジョニー阿部が好きなんですか?…とイケテナイ質問をしてしまいそうだった瞬間…
ドアが開く…
「よう︎」
ジョニー阿部が立っていた。
「元気そうだね(笑)」
元気ではないけれど、
「元気ですよ」…と答えた。
「エーデルピルスを…」と、オーダーされる前に注ぐ俺…
「分かってるね(笑)」
エリカさんも笑顔だ。
俺がエリカさんの誘いを断った話になるとジョニー阿部は
「ウチの会社を袖にするなんて良い度胸しているよな…ジュンペイはさ︎」…
「フリーターのくせに︎(爆笑)」……一言多いんだよ(苦笑)
「ジョニー阿部さん、エリカさん…俺、やりたいことが見つかりつつあるんですよ…」
「まだ…言えないけど(苦笑)」
「教えなさいよ︎意気地なし︎」
「根性なし︎」
二人から好き放題に言われている俺…すると、ジョニー阿部が…
「じゃぁ…ジュンペイ…いや田川純平の門出を祝って乾杯だな…」
「オススメの…ブルゴーニュは?」
俺は「ヴォーヌ・ロマネ レ・シャランタンが入ってますよ」と答えた。
「淡い色合いでピュアで繊細な果実味が口の中に優しく広がるワイン…だよな」
「それにしますか?」
「それにするよ」
生ハムとチーズを簡単に盛り合わせて一緒に出す。
「君も飲むかい?」
「いただきます」
乾杯︎
その高級ワインの味わいは1ヶ月前とは全く違っていることに気づいたのだった。
終わり
