★魔道士リザの冒険譚★
-星ドラStory日誌vol.011
第2話<星屑魔法団>第5幕
「翻意の陰に陰謀!?」
アタシは魔道士リザ。
そして新たな・・・冒険王姉弟の一人です。
祖父である初代冒険王ガイアスの
意志を継ぎ、日々、冒険の旅をしています。
さて本日の冒険日誌
塔に突入すると当然ながら魔物が居た。
そして新たな・・・冒険王姉弟の一人です。
祖父である初代冒険王ガイアスの
意志を継ぎ、日々、冒険の旅をしています。
さて本日の冒険日誌
塔に突入すると当然ながら魔物が居た。
ドラゴン系の魔物が多いわね。
ここは剣を握っているジョギーに
活躍してもらおう。
ジョギーの剣をメインにアタシも
呪文で援護。
レイファンに回復を施してもらう
必要もなく次々とドラゴン達を
倒し塔の最上階を目指す。
けど人の気配はまるでしない。
青雲の巨塔の時と同じだわ。
魔法団や、その上級執行官ドアヌとやらの
気配はなさそう。
クッ!
一足遅かったか!?
最上階には、ドラゴンらしからぬ
魔物が3体居た。
何がって風船のようにプクーっと
膨らんだ胴体をしてるの。
けど頭部や手足はまさしくドラゴン。
体表の鱗もそれを物語っている。
やはりここも剣を握っているジョギーを
メインに攻撃を仕掛ける。
3体いるのでなるべく全体攻撃で。
アタシも全体魔法を多めに。
レイファンもブーメランを装備してるので
全体攻撃スキルを扱える。
いかなドラゴンといえどアタシ達の
敵ではなかった。
ただ3体いるのでなかなかトドメを刺すのが
難しかったわね。
その風船のような巨体を活かして
何度ものしかかり攻撃をしてくるの。
けどそれもアタシ達に致命傷を与える
ことはできない。
最後は全体攻撃スキルを3人で
重ねてトドメを刺した。
「やっぱり・・・。
途中の階でもうすうす思ってたが
魔法団もドアヌって上級執行官も
ここにはいないな。」
雑魚モンスターはたくさんいたけど
やっぱり魔法団はいなかったみたい。
「も もしや・・・。
そこいるのは・・・ボロン?」
と、物陰のほうからボロンの名を呼ぶ
女性の声が聞こえた。
「ん?誰だ、オレの名を呼ぶのは・・・。」
「アタシよボロン・・・。」
「・・・何っ!
おまえは・・・コッツ!」
「義勇軍の制服を着てるってことは
仲間か・・・・ん?・・・・
モガーーーー!!!
大丈夫か!?傷だらけじゃないか!」
「こいつはコッツ。
義勇軍の三番隊の隊長だ。」
「三番隊といえば、星屑魔法団を
保護していた隊じゃないのか!?」
「そうだ。
・・・・おいコッツ、大丈夫か?
しっかりしろ!!」
「命に別状はない・・・・
それよりも大変な事が起きてしまった・・・。」
ようやく・・・探していた人たち、
"星屑サーカス団"を構成する
義勇軍三番隊に出会うことができた。
しかし、やっぱり!
一足遅かったわ、三番隊の隊長という
コッツ、彼女はひどい怪我をしていた。
宇宙王の書からオリオリが現れる。
「コッツ、久しぶりですね。
一体何があったのです?」
「ハっ!
これはオリオリ様!!!
・・・・・」
女性隊長はひどい怪我にもかかわらず
姿勢を正しオリオリに向かって
最敬礼をした。
そしてその姿勢のまま頭を垂れてしまった。
「申し訳ございませんっ!!
三番隊は・・・・不覚を取りました・・・!
私以外の隊員は・・・・全滅。」
「ぜ、全滅だとぉ!!??」
「詳しく報告を!
続けなさいコッツ。」
「ハっ!
我々三番隊と星屑魔法団は
星屑サーカス団と名乗り、
宇宙政府からの追跡をかわし
身を隠しておりました。
しかし、ある日、ヤツが現れたのです。」
「ヤツ!?」
「ヤツは宇宙政府に協力するよう
魔法団に説得を始めました。
魔法団は説得に応じ心変わりを
してしまったようです。
そして宇宙政府に協力する旨を
上級執行官ドアヌに伝えるため
我が三番隊の目を盗み姿を消して
しまいました。」
「・・・それで?
アナタのその傷や三番隊の
全滅への経緯は?」
「我が三番隊は諜報活動を
駆使し、ここジリョニスタの塔で
魔法団とドアヌが接触するという
情報を得ました。
そして面会を阻止するために
ここへ踏み込んだのですが
ドアヌ率いる宇宙政府の軍勢に
返り討ちに・・・・。
私以外の隊員は全員捕虜と
なってしまいました・・・・。
オリオリ様、誠に申し訳ございませんっっ!!!」
コッツは、報告の最後のほうは
もう声を震わせていた。
必死に涙をこらえているんだろう。
「コッツ・・・いいのです、
アナタが無事でよかった!」
「ウッウゥゥゥ、うわ~~~~!!!」
オリオリがコッツへ温情の言葉を
かけると同時にコッツの心が決壊した。
コッツはその場に崩れ落ち号泣した。
失態を犯したにもかかわらず
許しの言葉をかけられる・・・、
それがどんなにツライ事なのか、
組織に属したことのないアタシには
測りかねる出来事だった。
自分だけが逃げ延び孤独感と、
いつまた敵に襲われるかも
しれないという恐怖感と戦っていたんだろう。
そして現れた仲間に出会った安堵感、
全ての感情が爆発してしまったんだろう。
しかし、こうやって起きてしまった出来事を
上官に報告するというのも敗軍の将の立派な仕事。
うん、オリオリの言うとおり、彼女が無事で
報告をこなしたというだけでも
見事だったんじゃないかしら。
部下を預かる立場の人間にしてみれば、
隊員たちと運命を共にすることのほうが
気持ちとしても悔いは残らない、
心を鬼にして自分だけが逃げ延び、
あとから仲間が来ると信じ、
報告の義務を果たす。
そのほうがよっぽどツラかったでしょう。
しばらくして、ようやくコッツは
落ち着きを取り戻したのか、
いまだ涙を流しているみたいだけど
必死に言葉を発しようとしていた。
「うぅぅぅ、オリオリ様、ありがたきお言葉。
・・・しかし、務めを果たす事ができず、
謝罪の言葉も見つかりません・・・。
セアド様を含めた魔法団を保護するという
務めを・・・・うぅぅぅ。」
「良いのです・・・・それよりも!
宇宙政府に協力するよう魔法団を
籠絡したのは誰です?」
「ヤツは・・・名乗りませんでした。
ですが見た目は・・・そう・・・・
まさに・・・・白いスライムナイト。」
「白いスライムナイト・・・・?」
「・・・・それでドアヌと魔法団は
何処へ行ったんだ?」
「東に向かった。」
「どうして東に・・・
東に何があるというのでしょう?」
「オリオリ、思い出せよ。
東にはヨンツゥオ大宮殿があるぜ。
宮殿には魔法団の秘術が使える
施設がある。
新しい魔星王を誕生させる秘術、をな。」
「・・・ヨンツゥオ大宮殿に向かったとなれば、
魔法団・・・セアドは本当に
新たな魔星王を・・・。」
「最悪だな・・・・。」
白いスライムナイトか・・・・
一体どう言いくるめたのかしら、
魔法団の事を。
・・・まさか、ディミトリのように催眠術!?
だとしたらマズイわね、
もしあの催眠術と同じような能力を
そのスライムナイトが使えるとしたら!
本人にその意志がなくても術者の
思い通りに操っている人間を
動かす事ができるわっ!!
とにかく!
魔法団と上級執行官ドアヌとの
接触を阻止することはできなかった。
急いで大宮殿に向かわないとっ!!
生まれた時から将来を約束されたいた
オリオリとセアド。
その二人が、それぞれ統率する集団、
義勇軍と星屑魔法団。
おそらく固い絆で結ばれていた
2つのグループが、そう簡単に
袂を分かつとは思えない。
そこにはおそらく汚い宇宙政府の
陰謀が渦巻いているはず。
それを確かめるためにも、
魔星王誕生を阻止するためにも、
一刻も早く魔法団、いえ、セアド本人に
会わなくてはっ!!
宇宙政府の卑劣なやり方を
熟知しているアタシ達は
星屑魔法団の翻意にも
きっと裏があると確信した!
その白いスライムナイトとやらが
鍵を握っている、とも。
「コッツは大怪我だ、オレは
しばらくコイツの面倒を見なくちゃ
いけない。
相変わらず冒険王には頑張って
もらわなくちゃいけないが、
よろしく頼むっ!」
任せてボロン!
アタシ達がかならず魔星王誕生を
阻止してみせるっ!!
怪我をしたコッツの容態を
気遣いながらも、アタシ達は
ヨンツゥオ大宮殿を目指して
東に向かった。
Story日誌 第2話<星屑魔法団>了
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