★魔道士リザの冒険譚★
-星ドラStory日誌vol.002-
第1話<新たなる雲海の星>第1幕
「スラッピって関西弁だったのね」
アタシは魔道士リザ。
そして新たな・・・冒険王姉弟の一人です。
祖父である初代冒険王ガイアスの
意志を継ぎ、日々、冒険の旅をしています。
さて本日の冒険日誌
そして新たな・・・冒険王姉弟の一人です。
祖父である初代冒険王ガイアスの
意志を継ぎ、日々、冒険の旅をしています。
さて本日の冒険日誌
「・・・もう、目を開けても
大丈夫ですよ。」
誰か、女の人の声が聞こえる。
気を失っていたんだろうか、アタシは
閉じていたまぶたを開いた。
目の前には冒険王の書の中から
現れている・・・・女性!?
え!?冒険王の書からおじぃちゃんじゃない
人が現れてる!!??
「大丈夫ですか?リザさん達。
ワープの衝撃で気を失われてたみたいです。
けど、無事に惑星クラウドに到着しました。」
あ!!そうか、オリオリね!!!
冒険王の書じゃなくて宇宙王の書!
そうだった、あまりにも急な展開だったので
思考がまだ追いつかない
宇宙王の血を引くオリオリのレジスタンス軍
にアタシ達は参加して、そしてその拠点が
あるという惑星クラウドへ向かってたんだ。
で、え、何?ワープ!?
へぇぇ!宇宙王の書に触れただけで一瞬(!?)
でこんな遠くの星まで来れちゃうんだ!!
すっごい、なんかとっても不思議な
体験をしたのね、アタシ達。
レティスでさえも、すぐ近くの隣の星へ
しか飛べないのに・・・しかもかなりの
力を振り絞ってよ?
それなのに一瞬で隣の地球よりも遠い星
へ来れた
と、ワープしてきたという事実への興奮が
さめやらぬまま、辺りを見回してみると、
なんとも不思議な光景を目にした!
雲が!低い!?
低いどころか、地面より下に雲があるの。
何?ここは天上界だとでもいうの??
アタシ達、ワープしてきたんじゃなくて
死んじゃって天国に来ちゃったの?
「驚きましたか?
惑星クラウドでは雲が地面より
低い位置にあるのです。
海があって、その上に雲があり、
そして地面があります。
だからクラウドでは海が見えません。
そのため、大陸間の移動は船では
なく飛行船などで行うんです。」
え~~そうなんだ、へぇそういう
自然現象というか星の仕組みなのね。
アタシ天国に来ちゃったのかと
焦っちゃったわ、恥ずかしい
「では、さっそく我々の仲間にリザさん達
の事を紹介したいと思っています。
我々の仲間・・・義勇軍と名乗っています
が、義勇軍はこのバァジ島の各地に点在
する秘密基地で活動しています。
まずはその秘密基地に向かうのですが
その前に立ち寄らなければならない
場所があります。」
へ~義勇軍、なんか思ってたより規模が
大きそうだし、レジスタンス活動とやらも
本格的なのかしら。
で、基地の前に立ち寄る場所って?
「トラスレ神殿です。
その神殿には聖水があり、みなさんには
その聖水を飲んでいただかなくては
なりません。」
ん?聖水?
飲まなきゃいけないって、
身を清めるとか、義勇軍に入隊したら
必ずする誓いの聖水とかかしら。
「みなさんと私は異星人同士です。
ですが今こうやって会話ができています。
本来、異なる言語を話すはずの私たちが
言葉を交わせるのはどうしてだと
思いますか?」
あ!もしかして!!
「そうです。
その聖水を飲むとあらゆる言語を
聞いて話す事ができるようになるのです。
私たち義勇軍のメンバーは多数の惑星の
出身者で構成されています。
当然、話す言葉は違いますが、
聖水のおかげでそれぞれの星の言葉でも
問題なく会話できる、というワケなんです。」
へぇぇ!
確かにアタシとオリオリは出会ったときから
普通に会話できてたわ。
そっか、それは聖水のおかげだったのね!
「と、いうワケでまずはトラスレ神殿に
向かいましょう。」
異国人、異星人と会話ができるようになると
いう不思議な聖水を求めてアタシ達は聖水が
安置されているというトラスレ神殿へ
向かうことになりました。
いよいよ異星での冒険の開始ね
アタシ達はオリオリの導きのもと神殿への
道を歩き始めた。
しばらく歩いていると前方に邪気を感じた。
「む、魔物のけはい・・・?」
「え!?魔物!?」
魔物の気配を感じたアタシはさっそく
戦闘か、と思いながらもいつものように
杖を構え戦闘準備に入ろうとした。
しかし宇宙王の書の中の女性は何故か・・・
魔物が現れた事にひどく驚いている
ようだった。
アタシ達は苦も無く目の前に現れた
魔物達を一蹴し、神殿へ向かうために
また歩き始めた。
「まさか、この島で魔物が現れるなんて・・・!」
オリオリは難しい顔をしている。
それは今し方現れた魔物におびえる
というワケではなさそう。
仮にも宇宙政府を相手にしようっていう
グループのリーダーですものね。
それよりもこの場所に魔物が現れる
という事実に納得がいかない様子。
しばらくするとまた魔物が現れた。
「また・・・!」
オリオリの独り言をよそにアタシ達は
魔物達を振り払う。
ふたたび歩を進めると前方に
目指す神殿らしき建物が見えてきた。
「みなさん、お疲れ様です。
ここがトラスレ神殿です。」
「ここに、飲めばどんな星の言葉も
理解できて、話す事もできるようになる
聖水があるんだな?」
「ええ、しかし神殿の中には
おそらく魔物がいるはず・・・。
事実、ここへ来る道中でも魔物が
現れました。
今までは魔物が現れた事は
ありませんでした。
宇宙政府の影響が少ない場所だからこそ、
この島に秘密基地を構えたのです。
もしかすると秘密基地の事を
宇宙政府がかぎつけたのかも・・・。
リザさんたち、急ぎましょう!
聖水を手に入れ一刻も早く秘密基地に
向かいましょう!」
なるほど、さっきからオリオリが
険しい顔をしていたのはそういうワケね。
アタシ達がやってくるまでは
この島には魔物・・・宇宙政府の手は
伸びていなかった。
けれど魔物が現れたということは政府に
基地の事が知れた可能性は
否定できないわね、うん、確かに
のんびりしてる時間はなさそう。
よし、じゃあ、聖水を手に入れるために
急いで神殿の内部まで進まなくては!!
魔物がいるかもしれない?
望むところよ、ブルリア星の冒険王は
伊達じゃないってところを見せてやるわ
アタシ達は戦闘態勢のまま門をくぐり
建物の内部へ入っていった。
魔物は・・・やはり居た!!
けどアタシ達の敵ではない
神殿は3階層まであったけど
魔物は全て退治し、最深部まで
進んだ。
「素晴らしいですね!
みなさんは本当にお強いです!
やはり我が義勇軍にとって必要不可欠な
存在だと確信しました!」
へへへ~、どうやらオリオリの期待に
添えたみたいね。
「で、その聖水っていうのはドコだ?」
モガマルが辺りを見渡している。
「奥の祭壇から湧き水が流れている
でしょう?
それこそがトラスレ神殿の聖水です。
飲めばあらゆる星の言葉を聞き取ることが
でき、そして話す事ができるようになります。」

「よーし、この水だな!
リザ達、飲め!オイラも飲むぞ!」
モガ丸とスラッピが祭壇へ近づいていく。
アタシ達もそれに続く。
・・・なんて綺麗な水なの!
神々しく輝いているようにさえ見えるわ。
アタシは手で、その光るような水を掬い
口に含んだ。
弟妹達もモガ丸もスラッピも聖水を
口にする。
「これで大丈夫です、問題ありません。
私たちの仲間の言葉も全てブルリア星の
言葉に聞こえるはず。」
特に体に変化はないようだけど・・・。
けど清らかな水だというのは確かだわ。
と、聞いた事のない、誰だか主のわからない
声が聞こえた。

「すごいやん!
ものごっつすごいやん!」
「・・・・・モガ?」
「なんや?」
「ス・・・ス・・・・スラッピ・・・・・
スラッピがしゃべってる!」
「何言うとんねん。
今までもしゃべってたやん。
モガマルはん、おかしな事言うてはるー。」
えぇぇぇぇ!!!!
スラッピがしゃべってるーーーー!!!!!
「いやいやいや!
スラッピはピーピー言うだけで
おいらだけが言葉が通じてたんだ!
なのに・・・リザ達もスラッピの言葉、
理解できただろ?」
そうよ、そう!
スラッピが何を言ってるか、
モガマルだけがわかってて、
アタシ達にはスラッピのピーピーって
声しか聞こえなかった。
ってか、ええ!?
トラスレの聖水って異星の言語だけじゃ
なくって異種族の言語まで理解できるように
なるって事!?
すっごい効き目だわ!!!
「ええやん、こっからはこのスタイルで
行かしてもらうで。」
「ダメダメダメーーーー!!」
「なんでやねん!」
「なんででも!
なんかヘン!なんかヘン!!
スラッピ、頼むから今まで通り
ピーピー言ってくれ!」
「・・・・・アカンか。
そうか、モガマルはんの頼みなら・・・
わかったで~!」
・・・・・・・・
「ピッピッピー!」
「スラッピ!」
「ピー!」
「それでこそスラッピだ!」
「ピッピピー!」
「えーと、お二人とも、先へ進んでよろしい
ですか?」
・・・オリオリがツッコミ入れてる・・・
う~ん、アタシは別によかったけどな~
正直モガマルのかんっぜんな好みの問題で
あって。
スラッピが何しゃべってるのかわかるほうが
便利だと思うんだけど・・・
ってかスラッピってめっちゃ関西弁
だったのね!
しかもコテコテw
ま、でも確かにスラッピから関西弁が
飛び出したら調子狂うかもね
「ではみなさん、島の反対側にある
秘密基地へ向かいましょう。
ですがその前にもう一つ立ち寄って
欲しい場所があります。」
「どこに寄るんだ?」
「ドォクリ洞窟という場所です。
そこに私の幼なじみがいるはずです。
彼の名はボロン。
ボロンは義勇軍の中でもとびっきりの
強さの持ち主・・・・けどその強さと同じ
くらいナマケモノでもあるのです・・・。
私がブルリア星に向かっている間は・・・
活動をお休みして洞窟で眠って過ごす、
そう言っていたので。」
「モガー!それは確かにナマケモノだー!」
「ですから眠っているボロンをたたき起こさ
ねばなりません。っもう!ボロンったら!」
義勇軍の中でもとびっきり強いという
オリオリの幼なじみボロン。
次に向かうのは、そのボロンが眠りについて
いるというドォクリ洞窟ね。
わかった、行きましょう!
いなかったはずの魔物がいるという事実も
憂慮しなければ。
義勇軍を取り巻く状況は未だよく把握
できないけど時間があまりないって事
だけは確かね。
今は一刻も早くオリオリの仲間と
合流するのが先決みたいね。
ってワケで聖水の力を手に入れたアタシ達は
オリオリの幼なじみボロンが眠るという
ドォクリ洞窟へと向かった。
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はい、本日の冒険日誌でした

