「英語を話すのに文法なんて必要ない!」
と言っている方、いますよね。
確かに日常、日本語話すときに文法を
考えながら話すことはありませんし、
「英語を話すのに文法なんて必要ない!」
といいたくなる気持ちもわかります。
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カナダから帰国して一時期、
大手英会話学校で働いていました。
非常勤講師からはじめたのですが、
そこから九州最大の学校の教務主任まで
務めましたが、
文法を嫌う生徒さんが非常に多かったのを
覚えています。
「文法は必要ですか?」
と問われると僕は
「絶対に必要です!」
と応えます。
「文法を勉強する必要はありますか?」
と問われると
「必要ありません!!!」
と応えます。
この違い、わかりますか?
残念ながら今の日本の教育制度では
「文法を勉強する必要はある」
のですが、
僕個人的な考えとしては
「文法を勉強する必要はありません」
です。
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外国語を学ぶ上で文法は絶対に必要です。
「単語だけつなげていれば通じるよ!」
という人もいますし、そのとおりです。
単語を繋げていればなんとか通じます。
まあ、旅行者レベルであればそれで問題ない
ですが、
いざ留学先で、ビジネスでの英語で
「単語だけつなげて伝える」
はいいとは思えませんよね。
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文法は
「言葉の設計図」
です。
パーツがばらばらになっているプラモデルを
見てなんとなく
「これ、車なのかなぁ」
というのはわかりますがはっきりとは
わかりません。
設計図を元にパーツを組み上げて初めて
はっきりと形が見えてきます。
自分が伝えたいことをしっかり伝えるため
には
「文法は絶対に必要です!」
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「文法は絶対に必要です!」
これに対して、
「文法を勉強する必要はありますか?」
と問われると
「必要ありません!!!」
と応えます。
「文法は絶対に必要です!」
なのにどうして
「勉強する必要ありません!!!」
なのか???????
文法を全く勉強しなくていいという意味では
ないですが...........
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僕は日本の英語教育の大きな間違いの一つが
「英文法を英語科目に含めてしまったこと」
ここにあると思っています。
科目にした以上テストしなければなりません。
テストするとなると、
教師としては
「テストの問題」
を考えなければなりません。
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文法のテストの問題で
「次の文章の中から『前置詞』を○で
囲みなさい」
とか、
「次の文章は第1文型から第5文型のうちの
どれですか?」
などという問題があったのを覚えています。
が、実際の英語の文章を読むとき、
「あっ、これは前置詞だ!」
「これは第3文型だ!」
がわかったところで、
読んでいる文章の意味がわかるかどうか
というと、そうではないです。
英文法のテストの点を取れる勉強をしても
英語の理解力が劇的に進歩するようなことは
ありません。
残念ながら現行の教育制度では
英文法は
「勉強しなければなりません」
けどね😔
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ちなみに、
" 文法は「言葉の設計図」です。"
と書きましたが、
これを言い換えると
文法は
「言葉の構造学」
ですので、
僕は文法は
「理系科目」
だと思っています。
文章の理解力は文系寄りで、
文章の文法力は理系寄りです。
文系・理系の両方をバランスよく持っている
人が
「英語が得意」
なのかなと思います。
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「日本語を話すときに文法を考えながら
話すことはありません」
と冒頭で書きましたが、
それは
「日本語に慣れているから」
です。
日常生活、周りは
「日本語だらけ」
です。
話をする・話を聞くときは
「習うより慣れろ」
ですよ。
英語も
「英語だらけ」
の生活をしていると慣れてきます。
留学して英語で生活することの効果はここに
ありますね。
僕もカナダに渡る前は割りとしっかり英語を
勉強しましたが、
実際に英語力が身についたのは
「英語だらけの生活」
の中に入ってからでした。
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ちなみに、僕は子供の頃プラモデルを作る
のが好きでしたが、
車のプラモデルをいくつか作っていると、
説明書を見なくてもなんとなくパーツの
組み合わせ方、組み上げ方がわかるように
なります。
作り方に慣れると、パーツを見れば
「ここでこういうふうに使われるんだろう」
と想像できるようになります。
言葉もいっしょでなれてくると
「この単語はここで使うんだろう」
がわかるようになってきますよ!
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文法でもうひとつ、面白い話を。
僕はカナダでフレンチレストランでシェフも
やっていたのですが、
フランス語を覚える上で役に立ったのは
「英文法を覚えていたから」
です。
フランス語の有名なフレーズに
"Je t'amie.(ジュテーム)"
というのがあります。
聞いたことはあると思います。
英語でいうと
"I love you"
です。
"Je t'aime"
はフランス語の文法の特徴的な形ですが、
英語の
"I love you"
と同じ並びです。
元々は
"Je aime te"
ですが、フランス語の文法の決まりごとで
こういう文章のときは
「"te"を"aime"の前に出す」
というのがあります。
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「こういう文章のときって、
どういう文章よ??」
ですが😁、
英語で言う
「第3文型のとき」
です。
第3文型というと
「S・V・O」
の形ですね。
第3文型の形のときは
最後のOをVの前に出すという決まりごとです。
僕は
第1文型 S・V
第2文型 S・V・C
第3文型 S・V・O
第4文型 S・V・O・O
第5文型 S・V・O・C
という
「英語の構造の基本形」
を理解していたので、
フランス語の"je t'aime"と出会ったときも
「あぁ、英語の第3文型かぁ」
と割とすんなり理解できました。
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文法は外国語習得の上で大きな助けに
なりますよ!
「外国語を覚える上で文法を勉強していたら
文法のテストにも強くなった!」
と言えるといいですね!!!