~棗~
この時期も暖かくなったもんだ。
俺はつぶやく。
登校中、何気なく坂を歩く。
これはきつい。
まだ入学したばっかの高校の道がきつい!!
はぁ。。。はぁ。。。
と、息を切らしながら歩いて。
すると、何気なく。本当に何気なく。通りかかった家を見つめた。
?
あれはなんだ?
花がたくさん咲いている庭の奥の窓に、
誰かいる。
んーーー?
はっ
俺はその瞬間、胸が大きく脈打つのがわかった。
ドクン。ドクン。
窓で庭を見ていたのは、綺麗な黒髪の美少女
目は少し茶色かかっている綺麗な瞳。
黒髪だが、和と言うより洋のオーラが漂って来る美女だ。唇がほんのりピンク色。
俺は彼女に目が離せなかった、
笑顔で花を見つめている。
すると、口がゆっくりと動いた、
なにを言ったかは分からないが。
言い終わった彼女の笑顔は、どこか悲しそうだった。
話して見たい。
声が聞きたい。
色んなことが頭をよぎる。
だが、
あ、やばい。遅刻する。。、
入学早々遅刻は、だめだな。
渋々高校へ向かう