父親の元に行くと、
『何で呼んでいるのに
直ぐに来ないんだ』
と怒鳴られ
側に有った置物のライターで
頭を殴られた。
俺は
『ごめんなさい』
と謝ったが、
それと同時に生暖かい物が
頭に感じられた。
父親の顔を見ると、
驚いた表情をしていた。
そして俺はその生暖かい物の正体が
血である事を悟った。
その血は止まる事無く
見る見るうちにシャツを
真っ赤に染めた。
父親は慌てて俺を病院に連れて行った。
頭を包帯でぐるぐる巻きにされた俺に
父親はこう言った。
「この事は、お母さんに黙っていてくれ」
それを聞いた俺は交換条件を出した
「じゃあ、今度から優しくしてくれる」
父親は、
「解った優しくする」
そう約束してくれて、
安らかな日々が続いた