早稲田大学 プロデューサー特論 公開講義「前田敦子のできるまで」
講義のレポをしていただいている方のページリンク⇒http://hirataiga.hatenablog.jp/entry/2016/01/21/1817262016-01-21早稲田で前田敦子さんの話を聞いてきた。(ほぼ全文書き起こし)今日「前田敦子のできるまで」という公開講義に参加しました!写真撮影は禁止だったのですが、前田さんはキャミソールの上からシースルーの服を着ていました。登場した瞬間に「あつこー!!!」という図太い声が飛び交い、めちゃくちゃ盛り上がりました。前田さんのプロフィール:前田 敦子(まえだ あつこ、1991年7月10日 - )は、日本の女優、歌手。愛称はあっちゃん。千葉県市川市出身。太田プロダクション所属。女性アイドルグループAKB48の元メンバーである。https://ja.wikipedia.org/wiki/前田敦子イベント概要:エンタメビジネスの講義「プロデューサー特論」の公開授業でした。http://www.waseda.jp/gec/events/2016/8100/ヒラタイの感想:最高でした。僕はアイドルとかAKBとか全然知りませんが、前田さんはとても輝いていました。AKBが、前田さんが、多くの人から愛されている理由がわかった気がします。とても努力家で、素直だからだと思います。授業概要:動画で前田さんの活動を振り返りながら、映画監督の犬童一心さんがインタビューをしました。以下、質問は犬童さんです。授業内容(ほぼ全文書き起こし):前田さんこの世界11年目です。私が経験してきたことを、少しでもお話しできればと思います。質問普通の中学生が、なんで、そういうことをやり始めようと思うの?前田さん小さい頃から、ずっとやりたいと思っていました。フツフツと。両親に言うのが恥ずかしかったです。きっかけがあったら、何かのオーディションを受けたいと思っていました。12、13歳くらいでティーンズ雑誌(ヒラタイ注:13歳~19歳向けの雑誌)が周りで流行りました。その雑誌に出てる同世代の人を見て、気持ちが高まりました。お母さんも「やってみれば?」と言ってくれました。もし、元々AKB48があったら、オーディションを受ける自信はなかったです。「1から一緒に始めましょう!いっせーのーせでドン!」という状態でした。質問何が、小学生の頃のフツフツを生んだの? 「華やかな世界に行きたい」っていう憧れ?前田さん前に行きたい願望が強かったです。でも、学校では前に出てしゃべるタイプ、何かを主張するタイプではなかったです。オーディションに受かった後、恥ずかしくて、学校に行けなくなりました。その時は、すぐに芸能界で有名になれると思っていました。質問今となって、10年前を振り返ると、何でオーディションで合格したんだと思う?その時いたスタッフで今でもいる人が「前田敦子は全く喋らなかった。ずっと下を向いていた。終わった後に、少し笑顔になった。」と言っていました。何かを頑張って出そうとしていなかったことが、よかったのかもしれないです。持っているものが無かったので、アピールすることができませんでした。昔からすごく、負けず嫌いです。質問最初のAKB募集ポスターの時から秋元さんの写真があった。その時、秋元さんって大人だったじゃん? どんな風に見えたの?前田さん最初はどうやって打ち解けたのか、覚えていないです。なんでも質問できる、唯一無二の存在でした。質問なんで信じられるの?14歳だと「仕事だ」っていうのって把握しづらくない?前田さん最初は、どうしたらいいのか本当にわからなくて、よく泣いていました。大人じゃないから、訴え方が、「泣く」しかなかったです。「とにかく泣いて、困らせる」みたいな。その時、秋元さんが、ちゃんと向き合ってくれたのが、よかったです。話す時は、お父さんみたいな感じ。「自分の夢を叶える協力するよ」っていう存在です。一つのものを一緒に作りあげる。当時は20人くらいいたから、圧倒的結束力がありました。「どうしたら、AKBとして上手くいくか」ということを考えていました。それで、泣いたときに、秋元さんは「悩みがあるなら、何でも言いなさい。」っていう存在です。まだ、中三とかで、そのことで頭がいっぱいでした。本当に、芸能界に入ったら、すぐ売れると思っていました。最初に劇場を始めた時は、お客さんは数人しかいないし、それもスタッフの知り合い、サクラでした。秋葉原でチラシを配っていました。質問お客さんが来なくて、メゲてしまうことはなかった?一人だったら、ダメだったかもしれないです。そういう状況が続くと、夜中までみんなで話したり、ずっと泣いたり。何も知らない素人の集まりだから「どうしたら売れるんだろう?」って思ったり「もうやめたい。」と思ったり。秋元さんだけが「絶対売れるから、信じなさい」と言っていて、それが励みになりました。秋元さんは明るいです。怒った顔を見せたことは一度もないです。いつもフラット。「通常をずーと」って感じ。冷静に喋ってくれます。そんな普通に言ってくれてるってことは、本気なんだって感じました。励まそうとしてるんじゃなくて、本気。「大丈夫だから、頑張りなさい。」って。人を引っ張る大人の人って、こんな感じなんだなー と思いました。質問:初めて会った時、すごい変わってる筆舌しがたい子だなと感じた。初めて映画に出た時どんな感じ?前田さんもともとアイドルになりたいわけではなかったです。AKBも何をやれるのか知らずに、オーディションを受けてました。もしかしたら、シアターだから、お芝居とかかな? って。実際、女優の機会をもらえてデビューさせてもらえたのに、撮影がすごく嫌でした。監督が、すごく厳しかった。群を抜いて厳しかった。みんなの前で、私に対して「お前が一番ヘタクソなんだぞ!わかってるのか?」って。普段は優しかったが、オンオフの切り替えがすごかったです。だから、撮影が逃げ腰になりました。凄い暗い女の子の役だったから、それでよかったのかも知れません。そのイメージで「お芝居をするのが楽しい!」と思えなくなりました。一人前になるには、すごく時間がかかるな、と感じました。それが良かったのか、悪かったのかは、もう何十年かしたら、わかるかも知れません。質問それは大変だったね。それと前後して、AKBに人が集まり始める。全然人が来ていなかった劇場、どこでチェンジしたの? 何か感じることはなかった?前田さんAKBが「現状にこだわらないで、ドンドン進む」っていうのがあります。新しいメンバーがドンドン入ったり、センターが変わったり。私は新しい子たちが入るのが、すごく嫌でした。大島優子は「先輩には絶対負けません!抜かすので、お願いします!」という感じで入ってきました。それがすごい相乗効果になったのは事実です。チームごとにファンが応援してくれます。どっちのファンが強いか、みたいな。今は、アイドルがたくさんいるけど、当時は新しいやり方でした。新しいことに、ドンドン挑戦する機会がありました。第一回総選挙が、私にとって大きかったです。投票数は、今の10分の1でした。質問全然来てくれないとこから、シングルが1位になるまで、どんな感じ?4年かかったよね。14歳から18歳、青春時代を全部そこに使うって、どういう感じ?前田さん徐々に周りの人たちの環境が変わっていくのが、わかりました。例えば、音楽番組に出るとき、スタッフが全然いい顔をしてくれませんでした。それが、ある日、急に笑顔で対応してくれるようになりました。質問総選挙でセンターに選ばれるってどんな感じ?前田さん一人っていうよりは、自分を応援してくれる人が、たくさんいることが実感できます。個人ではなく、自分のチームが勝った感じです。質問「AKBは嫌いになっても、私のことは嫌いにならないでください」ああいうのって事前に考えているの?前田さんはい。1位の場合、2位の場合など、事前に色々考えています。だけど、前に立つと頭が真っ白になって、浮かんだ言葉が口から出てきます。あそこまで緊張する出来事は、他にないと思います。人生の中で一番でした。質問肉体的に大変な時、頑張らされちゃう時、何がよりどころ?前田さん「1時間半でフリを全部覚えてください」と言われることがありました。「どうしよう」って思う前に始めちゃいます。「やらない」ってことはないです。どんなに「無理でしょう」って思ったことでも、みんなで形にしようとしています。考える前にやります。「できない」は言っちゃいけないです。どうにかして、できます。仕事だから当たり前です。どんなに「無理でしょう」って思っても「仕事だな」って。「働いている社会人として、ちゃんとやらなきゃ」って。冷静に普通に「これは自分のお仕事だ、趣味じゃない」って。意外と人って「ギリギリにあれ?出来ちゃった」ってことないですか?焦ってできちゃう、過ぎたらできちゃうこと。質問そいういう時、どうなるの?前田さんそういう時は、焦ってすごいイライラします。一歩間違えれば、泣きながらやるくらいです。冷静に淡々とできたら、焦るまで行かないです。秋元さんは、本当に心強いです。卒業するまでに、自分がやり残してることが、たくさんあることに気づきました。ちゃんとシメシをつけないといけないと思いました。「卒業前、最後のテレビ生出演です」みたいなので、とても大変でした。「AKBって、こんなに大きい存在だったんだ」「私一人が辞めるだけで、こんなに注目してもらえるんだな」って。やめた今の方が、AKBの良さがわかります。この前MVにOGが参加させてもらったけど、OGの方が元気でした。現役は、毎日これやってたら、大変だろなって。秋元さんには、たくさん名言を言われてきたと思うけど、何も覚えていないです。授業だから、そういうこと、言わなくちゃね。フツフツするよりは、周りにやりたいことを言って、自分のお尻を叩く。質問すごい手強そうな演出家の人たちと仕事してるよね?前田さん何かを持っているわけではないから「行ったら何かに染めてもらえるかな」っていうズルい考え方を持っています。自分がやりたいことを仕事にできるって、本当に楽しいです。自分の中では、自分に一番厳しくいたいです。全然応えられたないな、悔しいなと感じても、人間関係を築き上げていけることは、すごく楽しいです。特に自分が好きな世界の人と。質問ずっと毎日、演技っていう仕事をしてるんでしょ?演技のどこが面白いって、3年間やってみてわかった?前田さん役の世界観によって、向き・不向きがあるなーって。犬堂監督にすごい長電話したことありますよね。全然関係ない作品で。どうやっていいのか、わからなくなります。「私って普段どうやって喋ってるっけ?」みたいな。撮影の裏側でも。昔はそれが、しょっちゅうでした。最初は悩むことの方が多かったです。質問役って台本の中にあるじゃん? それに染まるのか、役との接点を見つけて寄せていくのか、どっち?前田さん何をやるにしても、自分でしかないです。自分の無理ない範囲でやります。質問っていうことは、自分の方に引き寄せる? 頭真っ白にしてパッとやるっていうより?前田さん監督の世界観が強かったら丸投げします。真っ白でいきます。今までで、一番怖いなって思ったのは、〇〇監督です。求められてるのが明確だったのに、期待に応えられなくて、〇〇〇で撮影してたけど、毎日泣いていました。「これってわかるのに、そこに辿り着けないな~ 悔しいな~」って。質問役を選ぶポイントって何?前田さんないです。求めてもらえれば、お話をもらったら、何でもやります。20代はそんな感じでやっていきたいです。質問最後にすごくいいこと言わないと、帰れないよ?前田さんこの世界で、お仕事をする中で一番大事なのは、人とのコミュニケーションです。一番最初は挨拶。それができない人もいます。それを「教えてあげようかな」っていう位置にやっと来れました。知ったかぶりはしたくないから、皆さんに色々教えてもらっています。教えてもらうことが山ほどあります。わからないものは「わからない」って聞くべきです。甘えられる部分と、社会人の部分があります。先輩とのコミュニケーションを一番大事にしています。まだまだそういうことをさせてもらって、成長させてもらっています。「色んな人とコミュニケーションをとって、色んな角度からモノを見て、一緒に作り上げていく」っていう環境でお仕事ができたら、確実に自分のためになります。わからないことは「わからない」と聞いて、自分がいつか教える立場になれればいいかな。授業内容は以上です。*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆:ありがたや*:・( ̄∀ ̄)・:*:感謝感激です!!