伊勢神宮、日本の神社の総本山にして、日本人の総氏神である天照大御神が祀られる内宮(皇大神宮)の入り口・宇治橋鳥居に集結した我々伊勢神宮参拝ツアー客は、ガイドさんの先導に従って参道の右側を正宮に向かって歩き始めた。
(外宮は左側通行) 天気は良いが暑く、砂利道は砂埃が立っている。

 内宮第二鳥居
 
何より参拝客の多さに驚嘆。ガイドさんの掲げるオレンジ色の旗を見失わないように、参道を撮影しながら進む。
手水舎で手口を清め、第二鳥居をくぐり、神楽殿を過ぎる頃から急に人波が増え、参道を一杯に埋めている。怪しげな団体も何百人と列を成して進んできた。

 新正宮前の人波
 
二つ並んだ新旧正宮には、外宮と同様ご神体の通り道である屋根付き回廊が設置されている。手前側にある新正宮の前で人の動きが止まった。交通整理の係員が「この先正宮ご参拝まで90分待ちです!」と声を張り上げている。
それを聞いたガイドさんが、お詫び方々集合場所と時間を決め、解散を宣言した。正宮参拝に拘っていたら「おはらい町」散策はおろか集合時間にも間に合わなくなる。かみさんと私は此処で正宮に向かって手を合わせ、帰り道へと急いだ。
2時50分、宇治橋を渡りおはらい町へと向かった。
お伊勢参りのもうひとつの目的である伊勢うどんを味わうために。

 おはらい町の喧騒
 
内宮の参道である「おはらい町」は、切妻・入母屋のレトロなお店が立ち並ぶ観光スポットである。
しかしこの人波はどうだろう!原宿・竹下通りが伊勢に引っ越してきたような、前に進むのも儘ならない状況だ。
兎に角伊勢うどんを食べなくてはならぬ。おはらい町には数軒のお店があるので、片端から暖簾をくぐっていった。
「奥野屋」「二光堂」「わらじや」「岡田屋」、どこも満席で立ち待ち客が溢れている。
3時10分、5軒目の「中井家」でようやくお店に入ることができた。
テーブル席は満席で、奥の座敷へ案内されたが、ゆったり座ることが出来てラッキーだった。
メニューは伊勢うどんのみ。月見、きつね、天ぷらなどのバリエーションはあるが、私たちはシンプルな伊勢うどんを頼んだ。

  

ほうじ茶を飲みながら10分程待つと、出されたのが上の左側画像。太めのうどんに溜まり醤油がかかり、刻み葱は少なめの至ってシンプルな料理だ。
うどんと溜まり醤油を混ぜ、さあいただきますの状態が右側画像である。
うどんは柔らかく、当然コシは無い。溜まり醤油は濃く塩っ辛い。しかも食べ進むにつれてうどんが減り、醤油の割合が大きくなるので益々塩っ辛くなる。
しかし、美味い。アッという間に平らげ、お店を出た。

 伊勢うどんの中井屋
 
伊勢うどん525円也。コストパフォーマンスはイマイチだ。去年高松で食べた讃岐うどんは300円でお腹一杯になった。まあ、値段だけで単純比較はできないが。

 高橋酒店で冷甘酒を飲むかみさん

お伊勢参りの目的を達成し、我々はゆったりおはらい町を散策した。
それにしても凄い人出だ。「赤福本店」では長い行列が出来ていた。赤福など名古屋駅でも買えるのに、本店の包み紙は支店と違うのだろうか?

お土産のお菓子などを買い、ガイドさんの待つ集合地点へ戻った。
4時15分、バスは伊勢神宮を後にして名古屋へ向かった。
6時30分、名古屋駅に到着し、「お伊勢参りツアー」は解散したが、指定の新幹線まであと1時間半もある。「50+」ツアーは電車を選べないのが難点だ。
駅中で夕食をとることにしてレストランや食堂を見て回ったが、どこもお客が溢れている。仕方なく比較的空いていた「コメダ」に入った。

 名古屋名物小倉トースト(手前)
 
 私は小倉トーストとウインナコーヒー。かみさんはミックスサンドとホットコーヒーを注文。
八丁味噌、あんかけスパゲティ、手羽先など、名古屋人の味覚・嗜好というのは極めて特殊なものと私は思っているが、小倉トーストは意外とイケる。

8時丁度、こだまに乗り、静岡に向かった我々は、ぐったりとシートにもたれかかった。人混みに当てられて、すっかりネルギーを奪われた感じだ。
静岡駅ではバスを待つ気力もなく、タクシーで帰宅した。