3月17日の日曜日。かみさんと東京へ行った。
8時20分、しずてつ新宿ライナーに乗り新宿を目指す。
東名東京料金所を過ぎたあたりから渋滞が始まった。
予定を変更し用賀で下車。田園都市線で渋谷へ。
更に東武東上線直通で足立区の竹ノ塚へ向かった。
かみさんのご両親のお墓参りである。
駅からタクシーでお寺へ。お彼岸が近いせいか幾組かのお参り客が。
駅ビルのお店で昼食。上野へ向かった。

東京都美術館で開催されている「エル・グレコ展」を見に。
会期も残り少なく、隣りの西洋美術館で「ラファエロ展」開催のせいもあって観客は少なく、じっくり鑑賞することができた。

   
 (左)「受胎告知」 (右)「マグダラのマリア」

エル・グレコの作品がこれだけまとまって日本で見られるのは稀有なことだ。
彼はルネサンス末期のマニエリスムの画家という位置づけで、作品の殆んどが宗教画(祭壇画)である。作風はご覧のように特徴があり、そのダイナミックな構図は後のバロック絵画に通じるものがある。
目玉は冒頭の「無原罪の御宿り」。彼の晩年にして最高傑作であろう。
聖母マリアの表情が実に魅力的。

上野から山手線に乗り、かみさんは有楽町で下車(ここからは別行動)、私は渋谷へ。BUNKAMURAへ向かった。
私は渋谷は嫌いだ。出来れば歩きたくない。煩くて、猥雑で人が多すぎる。

   
(左)「聖母子と聖エリザベス、幼い洗礼者ヨハネ」 (右 )「マグダラのマリア」

ルーベンス展」である。
今まで様々な絵画展でルーベンスを観てきたが、単独の展覧会は初めてだ。
ペーテル・パウル・ルーベンス。フランドル地方(今のベルギー)を中心に活躍したバロックの巨匠である。工房を構えて大勢の弟子を使い、大量の注文を捌いていた。
私は若いころは彼の作品が好きでなかった。彼の描く女性は肉体が誇張されダイナミックで、美しいと思えなかった。それが実物を見て、評価が180度変わった。弟子を使うとは言え、肝心なところは本人が筆を加える。虹色に輝く女性の肌が人間業とは思えなかった。

「マグダラのマリア」は多くの画家が描いているが、エル・グレコとルーベンス、両個性派の作風の違いを見比べるのも面白い。
因みに私が一番好きな作品はジョルジュ・ラ・トゥール。

 ラ・トゥール「悔い改めるマグダラのマリア」
 
 ルーベンス展はこの「マグダラのマリア」や「毛皮をまとった夫人像」など傑作もあったが、点数の割には自分がイメージしていた「三美神」「レウキッポスの娘たち」のような“いかにもルーベンス”的な作品にはお目にかかれなかった。

次に私が向かったのは三軒茶屋。   ー続くー