
15日、映画監督・大島渚が亡くなった。享年80歳。
「御法度」以来14年の闘病生活を経ての他界だった。
私の映画歴は大島作品で始まったと言っても過言ではない。
高校を卒業して上京。最初に見た映画は岡本喜八の「肉弾」だったが、次に見た「白昼の通り魔」から大島作品ウォッチングが始まった。
「日本の夜と霧」・・・よく解らなかった。
「新宿泥棒日記」・・・主演は何んと横尾忠則。
「少年」・・・渡辺文雄、小山明子と少年の当り屋一家の話。
「儀式」・・・個人が家に組み込まれ支配される様を冠婚葬祭の儀式になぞらえて描いた大島の傑作。
「夏の妹」・・・本土復帰直後の沖縄が舞台。アイドル栗田ひろみが主人公。佳作。
「愛のコリーダ」・・・日本で撮影し、フランスで現像されたR18作品。ボカシの入った国内版では大島の芸術性は伝わらない。彼の最高傑作。
「愛の亡霊」・・・愛のコリーダの二番煎じか?凡作。
「戦場のメリークリスマス」・・・デビッドボウイ、ビートたけし、坂本龍一出演!
「御法度」・・・1996年、脳出血から3年ぶりの復帰昨。並びに遺作。
「ツィゴイネルワイゼン」の鈴木清順を知るまで、大島渚は映画の神様だった。
面白い、楽しいだけが映画ではないことを教えてくれた。
特に「愛のコリーダ」は日本いや世界映画史に残る名作である。
小山明子、佐藤慶、渡辺文雄、戸浦六宏、小松方正ほかの大島ファミリーも相当数他界された。時代は変わったのだろう。
心からご冥福を祈る。