微笑み返す「共感ロボット」でアインシュタインが復活<ITmediaNews>


アインシュタインロボットは人々の動きを目で追い、場面に応じて微笑んだり顔をしかめたりする。(ロイター)
2009年02月06日 14時31分 更新
<写真>

 アルベルト・アインシュタインは辺りを見回し、目が合うと微笑んだ。

 もちろん、この有名な科学者は50年以上前に死去しているが、いわゆる共感ロボットとしてこのほど復活した。感情表現を使って人間と交流できる機能を実装し、オートメーションの境界を広げている。

 ロボットはアインシュタインの上半身を模して、鋭いまなざしの動く目とふさふさの白髪、特徴的な口ひげを再現。起業家、科学者、デザイナーの創造 力育成を目的としたTechnology, Entertainment and Design(TED)カンファレンスで披露され、聴衆1500人の目を引いた。


 アインシュタインロボットは人々の動きを目で追い、場面に応じて微笑んだり顔をしかめたりする。その顔は間近で見ても驚くほどリアルだ。ロボット科学者のデビッド・ハンソン氏は「これは機械の共感だ。感情を理解して真似できるロボットなのだ」と聴衆に語り掛けた。

 アインシュタインが人格を持つようになったのは、2週間前、ハンソン氏の発明とカリフォルニア大学神経計算研究所(サンディエゴ)のソフトを組み合わせたことによる。

 アインシュタインを生み出したチームは、いつかコンピュータが話を聞いたり応答したりして、かつてないレベルで人とかかわることができるようになると信じている。

 これと同じコンピュータ技術の一部は、映画「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」でも使われた。デジタル視覚効果プロデューサーのエド・ウルブリッヒ氏はTEDの聴衆を前に、主演のブラッド・ピットの表情をどうやって、コ ンピュータで作成した老人版のブラッド・ピットに移したかを説明した。この作業には155人がかかわったという。

 アインシュタインのロボットは、4代目となる今回の最新モデルが2カ月前に制作された。ハンソン氏がこれまでに制作したロボットは、世界各国の博物館、研究所、大学に置かれている。

 ハンソン氏はダラスで活動するアーティスト兼ロボット科学者。顔面の約48の筋肉すべてをアインシュタインに似せてデザインした。そこに使われている32個のモーターは、時に筋肉以上によく動く。まるで生きているかのように見える両眼にはカメラ2台が隠してある。

 ハンソン氏とともにTEDに出席したカリフォルニア大学サンディエゴ校の学生ニコラス・ブツコ氏によると、目標は「基本的な知覚力を持ったコンピュータを作ること」だといい、これは「脳が考えることさえなしに軽々とやっていること」だと説明した。

 ロボットはソフトウェアで、まばたきから眉をひそめる動作、鼻のしわまで13の値を検出する。さらに多くを検出できるようにする作業が進行中だ。

 「相手の笑顔にどの程度心がこもっているか、確実に言い当てられるコンピュータを作ることが1つの目標だ」と同氏は話している。

<ITmediaNews記事本文より>

ロボットに人生相談できる時代が もうそこまで来ているのかもしれない。。
ターミネーターのようなロボットはあとどれぐらいで世に現れるのだろうか?