「壁を登るヤモリ」ヒントに最強の接着剤を開発<ITmediaNews>
強度がヤモリの足の10倍という新開発の接着剤を使えば、スパイダーマンのような壁登りも可能になる。(ロイター)
ヤモリの足をまねて作り出した新種の乾燥接着剤は、重力をものともしないヤモリの10倍、ヤモリにヒントを得て開発されたほかの接着剤の3倍の接着強度を持つ。米国の研究者が9日に発表した。
科学誌Scienceでこの接着剤を発表したデイトン大学のライミン・ダイ氏は「これまでで最も強度が高い乾燥接着剤だ」と述べている。
この接着剤は2.5センチ平方で、体重100キロの人が垂直表面を登るのを支えられるが、はがしたり再びはったりするのも簡単で、例えばスパイダーマンのスーツのような素材に最適だ。
アトランタにあるジョージア工科大学のゾン・リン・ワン氏は「あれ(スパイダーマンが壁を登れる能力)は現実ではないが、われわれがやっていることは現実だ」と話す。
壁登りを手伝う以外にも、電子部品に使えばはんだ付けが不要になると、ワン氏とダイ氏は電話取材で説明した。
しかも乾燥しているため、普通の接着剤なら接着力を失ってしまう宇宙空間のような極度の低温でも利用できる。
ヤモリにヒントを得たほかの接着剤と同様、この新しい接着剤はカーボンナノチューブのカーペット、つまりカーボン分子の細い繊維を使っている。しかしこの繊維の端には縮れたカーボンの房が付いていて、これが接着剤の粘着面を拡大する。
この構造は、別々の方向に伸びる極細の毛が生えた本物のヤモリの足の構造と同じだ。
「われわれの接着剤の強度はヤモリの足の10倍、従来のヤモリの足をまねた接着剤の3倍だ」と話すダイ氏は、デイトン近郊にある米空軍研究所とアクロン大学の研究チームとも共同で、この接着剤の開発に当たった。
ダイ氏によると、この接着剤はファン・デル・ワールス力と呼ばれる原子スケールの吸引力の効果を最大限に高めた設計になっている。チューブの縮れ 部分が物体の表面に押し付けられるとチューブが表面にぴったりとくっつき、強力な接着剤になる。しかし角度を付けて持ち上げると、粘着がはがれる。
足が泥の中にはまったような状態だとワン氏は説明する。足を真っすぐ持ち上げようとしてもくっついたまま離れないが、徐々に足を引きはがすとくっつかなくなる。
<ITmediaNews本文より>
スパイダースーツが現実化したとすると 体力も強化する必要があるやも。。w
(疲れたら そのままぶら下がって眠れば良いのかな?w)
ただし寝返りは禁物だろうけど。。。