カブトとクワガタしか眼中に無いお子様の
「近所でカブトとコクワとノコギリとれた」
というのではなく、今回は何県のどの地方へ行き
何と何が採集された。周りの自然環境はこうなっている。
という考察も踏まえた大人の採集記をお待ちしております。


<奈良和歌山方面で巨大アカアシ採れまくり>・7月20日過ぎ~

今回はいつもの奈良和歌山方面の自宅から約100km離れた山中を目指す。
7月22日夕方4時出発。途中、金剛葛城山系でアオカナブン大量。
ミヤマクワガタは平均サイズはかつての65mmから6cmに落ちていた。
その代わりスジクワが増えており、いずれも10匹前後。確認のみで捕獲はせず。
10年前ならミヤマは1時間で15匹は確実だった。数も減っている。
これも温暖化の影響か、今まで見られなかった

クロコノマチョウとオオムラサキを発見。
スジクワ♂33mmとオオムラサキ♂♀を捕獲。真っ赤なアオカナブンも捕まえた。
スジクワ♂33mmなどかつては見向きもしなかったサイズだが・・。
初めてここで見られたオオムラサキ♀を捕獲した時はかなりの罪悪感を感じた。
しかし無傷な上に指でつまめたので持ち帰る事にした。初の持ち帰りである。
オオスズメバチの特大に静かに定規を当てると4cm丁度だった。

4.5cmは無かった。
夜になるとアオカナブンが大量の蛾に代わった。キシタバ・コガタキシタバ

・フクラスズメ等。
コマイマイやコロギスも樹液を舐めに来ていた。静かに見守っていたら

軽トラに乗った【乱獲ジジイ】が来て【ほとんどかっさらっていった】
乱獲の先の結末が見えないのか。人間とは実に浅はかで浅ましく愚かな生き物だ。

弁当を食べ夜9時に出発。月夜の中の移動となった。
月光に照らし出された森の樹木のシルエットが美しかった。
途中、灯火でブドウトラカミキリ(14mm)ミミズク♀17mmを採集。
夜中に宿泊地に到着、灯火でオオミズアオのみ採集。

他ミヤマ♂6cm・コクワ♀
梅雨明け遅れでヘビトンボはまだ早いか。
翌朝4時、明るさとヒグラシの大合唱で目を覚ます。いつもながら
何と爽やかで涼しげで風情があって美しい事か!感動で涙が出そうである。
山間部での朝夕のヒグラシ・ツクツクの大合唱は素晴らしい!壮観である。
途中、車にはねられたノウサギを道の横によけてポイントへと向かう。
朝8~9時にはポイントで採集。最初は5cm以下のアカアシしか採れない。
今年もこの程度かと思った矢先♂52mmが落ちて来たがボロだったので逃がした。
今までは53mmまでが普通でそれ以上は採れなかった。
オオオバボタル?の5匹の塊を見た。1匹の♀に4匹の♂が群がっていた。
ポイントを移動するにつれて急にアカアシが採れだした。
最高1本の木で約15匹落ちて来た。

渓流の音で落下音が聞こえづらいが良く探す事である。
5cmオーバーのアカアシが次々と落ちて来るのである。

巨大アカアシ採れまくりである。
このポイントで65~70匹も採れた。まさに【アカアシパラダイス】である。
以前はアカアシを主体に少量のノコギリが混じっていた。

今回はミヤマ1♀を除き全てアカアシだった。
予想を超える巨大アカアシが次々と落ちて来るのである。
他の産地ではこうは行かない。大きくてもせいぜい5cmがいい所だ。
他の産地ではサイズも数も確実に下がっているのに珍しい。
温暖化の影響で採集地の標高がベストポイントになったのであろうか。
平均サイズが4cm~5cmで、数もサイズも確実に上がっていた。
特筆すべきは48mm~5cmの間で10匹も採れた事だ。
以前は53mmの壁を超えられなかったが、今回は5cmオーバーが

何と10匹も採れたのである。
素晴らしい!!数・サイズ共に過去最高の成績である。
上から【57・56・54・53】(次のポイント)

・52×2匹・50×5匹(次のポイント含む)
23mmという超小型も採れた。こんなに捕れていいのかというくらい採れた。
アカアシは例年なら50匹位だが、今回は合わせて約80匹も採れてしまった。
アカアシは♂のみを合計10匹も持ち帰った。♀も32mm級のが結構いた。
ちょっと心配なのは以前に地元のヒラタのポイントで例年なら5匹位なのに
ある年は6月の1ヶ月で15匹も採れて、以後発生が止まった、という事である。
持ち帰ったアカアシのサイズは【57・56・54・53・52・50】
48(美形)43(美形)38(赤)23の10匹である。
10年以上に及ぶアカアシ集めも、これで満足のいく結果が得られ

一段落着きそうだ。
ちなみに【アカアシの最高記録】は同地域での【57.5mm】で
その年は~53mmまで、から急に55・56mmも採れたが少しボロだった。
これからは生息地の環境維持に努め、静かに見守って行きたい。
標高1300mの山頂でもミヤマが見られるようになったが、

これも温暖化の影響であろう。
しかし標高1300mもあるのにフジ型である。60~65mmで5匹。
どうやら近畿ではエゾ型は無理っぽい。最近は特にフジ型が多い。
恐らくは標高1600~1900mの大峰山頂でも標準がいい所だろう。
次のポイントへ向かう途中、山頂付近の尾根道の白い花でハナカミキリを観察。
ヨツスジハナやホソハナカミキリ(種は不明)を中心に

少数のマルガタハナも混ざっていた。
オオトラフコガネの♂♀(12~14mm)を採集したが小さく見えたのは

アカアシが大きすぎたせいか。
採集地の渓流で飛べなくなっていた体長35mmのオナガバチのような蜂を
可哀想ながら採集してしまった。脚は長く触角と脚は綺麗な黄色で翅が薄茶色
胴体は飴色と黒である。尾は長くない。上品で繊細で美しいが種類は不明。
次のポイントへ着くと柳以外の木が結構伸びていた。蔓も1年の間に延びていた。
梅雨明けが遅れたせいか両ポイントで下草があまり伸びておらず採集しやすかった。
柳の樹が多すぎて蹴って周るのがしんどい、面倒くさい。

【100本】はあるだろうか。
それだけ恵まれた採集ポイントなのだが、

しかし両ポイントで柳の樹の老朽化が目立つ。
両ポイントとも標高が約700Mあり、日中でも気温が27~28℃で

涼しく爽やかだ。
ただし、常に纏わり着いて来る鬱陶しいブユとウシアブが居なければ、の話だが。
これは山に居る限りどこへ行っても一緒なのだが・・。
例年なら大量のミヤマを中心に少量のノコギリと

僅かなアカアシが混ざるポイントだが
近年はミヤマが減少傾向にある。これも温暖化の影響であろう。
その分、山頂付近にミヤマが移っているものと思われる。
今年は、ノコギリ:20~30匹・ミヤマ:40~50匹・アカアシ:10~15匹である。
最大サイズは、ノコギリ:65mm・ミヤマ:68mm・アカアシ:53mmである。
今回悪い事といえばコナラの木を不用意に蹴って、根元の巣から飛び出して来た
キイロスズメバチに太股を刺された事くらいか。5~10匹飛び回っていた。
林の中では視界も悪く動きづらいのでさすがに逃げた。すぐに毒を絞り出したので
そうひどくは腫れなかった。マムシでなくて良かった。ここはマムシ多いので。
今回はノコギリ、ミヤマは今一だったがアカアシは素晴らしい成果だった。
短期の採集旅行だが大変意義深いものとなった。クワガタに関して言えば
1ヶ月の信州・甲州旅行よりもはるかに素晴らしい結果となった。

たった1日でこの成果!
素晴らしい!韮崎周辺がいかに擦れているかがうかがえる。
家で養殖したノコギリとアカアシを少しづつ逃がして来た。
柳の根元でホタルカミキリも見られた。ミヤマの最小サイズ:40mm。
アカアシ:80匹採集、最大57mm、10匹持ち帰り。
ノコギリ:約25匹採集、最大65mm、5匹持ち帰り。
ミヤマ:約45匹採集、最大68mm、3匹持ち帰り。

8月上旬:今回は高野山に寄ってみた。

標高900mで昼夜とも大阪より約10℃低い。
灯火採集でアブラゼミ、ヒグラシ、スズメガ、クロカミキリ、

オオスジコガネが大量。
ヒメホシカメムシも多かった。ミヤマクワガタ♂♀(62,37)不採集
ウスバカミキリ♂49、ルリボシカミキリ♀25、クロカミキリ♂25を採集。
高野山周辺は見渡す限り針葉樹林なのに、

まさかルリボシに出会えるとは思っていなかった。
クワガタもミヤマ以外は見た事がない。カミキリはクロ、ノコギリ、スギが多い。
最高:約25℃、最低:約20℃。夜は悪質な暴走族が多い。

創価学会の嫌がらせか?
翌朝、採集地へと向かう。朝8時頃採集開始。

混合ポイントでは今回はミヤマが多い。
ノコギリは皆無。アカアシ少数。コクワとスジクワが僅かに混ざる。
結果:ミヤマ:75~80匹・最大70mm×2匹・最小:38mm
ノコギリ:5匹・最大57mm・コクワ:3匹・スジクワ:3匹(~32)

・アカアシ:約5匹
採集:ミヤマ♂5匹・ノコギリ不採集・スジクワ1♂・ツノアオカメムシ♀1
人に知られたポイントはDQNな荒らされ方してる。根元掘ったら埋めて行け。
近年減少縮小傾向にあったミヤマが盛り返してきたが、

ノコギリは発生終わったか採集されたか。
2時頃、次のポイントへ向かう。アカアシは半減して、ここでは約40匹。
しかしまだ♂53~54mmが採れた。アカアシ♂3~5匹を採集。
ミヤマカラス吸水集団最大8匹だが美しい♂は居なかった。
夜、龍神の灯火採集でミヤマ♂♀(63,38)ノコギリカミキリ(少)
ヒゲナガカミキリ♀(4cm)は居たが♂が欲しい。

檜枝岐・韮崎・龍神で♂を見たことあるが採集には至っていない。

因みに檜枝岐では大量の♀が見られた。
今回も数十匹のオオゾウムシを見て来たが30ミリはデカイので持ち帰り。
翌朝、予備の採集ポイントへ向かう。ここは例年数は少ないが平均5cmと大きい。
アカアシ約5匹、♂48、49、53を採集(体型が良い)
ミヤマカラス美♂採集・オニヤンマ、パトロール。
日中、標高1000mの峠で熱中症に。日差しが強く予想以上に暑い。
昼夜の気温差激しすぎ。日向では推定28~30℃

(タンクトップ1枚でも汗が止まらない)
紀伊山地の標高1000mの峠で色々なセミの声が聞かれた。
ヒグラシが最も多く、次いでミンミン・ニイニイ・アブラ・エゾゼミ・ツクツク
そして標高700mの各地では紀伊山地奥地にも拘らず
クマゼミの声が聞こえる事に危機感を覚える。

このまま温暖化が進むとどうなるのか。
灯火に来た虫を採らずに措いても、結局は他人に捕られたり、車に轢かれたり、
朝にカラスに食べられたりする事が多い。どうすればいいのか。
オオナガコメツキとフタモンウバタマコメツキが見られた。
もう1ヶ所の予備のポイントに寄るが、ここも数は少ないが平均5cmと大きい。
アカアシ約5匹でボロ♂53mmが最大。久しぶりにカメノコテントウ採集。
予備のポイントとも標高約700mだが、いずれも最大個体53mm以上と優秀だ。
今回見られたトンボ:オニヤンマ・ミヤマカワトンボ・カワトンボ
アキアカネ・マユタテアカネ・オオシオカラ(沢沿いの道で10月に大量)
アカアシ:50匹採集(最大54mm)7匹持ち帰り
ミヤマ:80匹採集(最大70mm)5匹持ち帰り
ノコギリ:5~7匹(最大57mm)不採集
ミヤマは平均6cm前半で6cm前半の個体が圧倒的に多い。