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このシステムでGMがやるべきことは、普通のTRPGと少し違います。
物語は、スタート設定さえ投げれば勝手に進行していきます。
しかし、やることはあります。
その「やること」さえ解っていれば、あなたの村は素晴らしいものになるでしょう!
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■ヘルPへ
あなたが考えるべきことは視聴率のアップ、ただそれだけです。
つまり、楽しい番組を作ること!
【PCひとりひとりが魅力を出し切れるよう物語を盛り上げる】ことが唯一の仕事です。
あなたは人間など取るに足りないような絶対的な力を持った悪魔です。
だからこそ、PCを、丁寧にもてなしてください。
相手は、あなたが気まぐれを起こせば、すぐ死んでしまうような生き物なのですから。
■シナリオ作成
・テーマを決める
・大筋のストーリーを決める
・秘密を決める
……と、やることは普通のTRPGと変わりませんが、以下が少し違います。
◎秘密で「対立構造」を固める
PCたちは最終日で戦います。
どんな勢力になるかを最初に考えてください。
PC2人+NPC1人
VS
PC2人+NPC1人
……というのが一番綺麗で単純な構図です。
例えば、こんなものです。
「PC①はNPC①を助けたい
PC②はPC①に恩がある
VS
PC③はNPC②を助けたい
PC④はPC③に傾倒している
NPC①とNPC②は対立している」
こんなに単純な構造では、秘密が予想されそうで嫌?
そんなこと考えなくていいんです!
ヘルPの仕事は、PCたちを出し抜くことではありません。
単純な秘密でも、PCたちは、設定を盛ったりして充分楽しんでくれますし
もし自分の予想していた他PCの秘密が当たっていたら、喜んでくれます。
それもヘルPへのご褒美です。
きれいな対立構造ができたら、シナリオは勝手に盛り上がって収束します。
ダイスの女神に思いを馳せつつ、あまり自分でシナリオを支配しきろうと思わず、PCたちに任せましょう。
PCを驚かせたいのならば、構造がしっかりした後にしましょう。
■進行
◎NPCの立ち位置
PCがやりたいこと>>>>[越えられない壁]>>>>NPCがやりたいこと
……というのが基本です。
【NPCはPCを立てるためにいます】
相手がどんなRPをしたいのかを読んで、そこを引っ張り上げましょう。
くれぐれも、PCより前に出ないように、PCの邪魔をしないように気をつけましょう。
思うがままにRPするのはPLの特権です。NPCにはありません。
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ストレスを感じることもあるでしょう。
キャラ設定を変えなければいけないこともあるかもしれません。
しかしその先にあるのは、PCをおおいに楽しませたという栄光です!
NPCは黒子です。「愛されるNPC」を目指してください!
◎ヘルPの采配
進行中は、以下のことを意識しましょう。
・置き去りになっているPCがいないか→いればシーンを作りに行く
・ルールで戸惑っているPCがいないか→いれば赤で声をかける
・秘密を抜いてほしいPCがいたらNPCの方からシーンを作る
・矢印が集まっていて忙しそうなPCに絡むことは避ける
・良いRPは褒める
・問題があれば、灰や赤でSGMやPCと相談する。できる限り公平に対処する
リアル問題もあるので、1人で全部やるのは物理的に無理です。
SGMと相談し、PC①③はGM預かり、PC②④はSGM預かり……等、分担しましょう。
SGMがいない場合は、適当に手を抜きましょう。
気にしてさえいればだいたい大丈夫です。
◎マスターシーンの挿入
物語のシーンは様々なところで発生するので、舞台はいつもふわふわします。
そこで、視覚情報イメージを全員で共有するため
そして「物語はイマココ」という楔を打ってお話を引き締めるために
要所要所でマスターシーンを挿入すると楽しいです。
情景が目に浮かぶような、また、
できればPCがRPに役立てられるフックがあれば良いですが
そこまで考えなくても、長すぎず、読みやすければOKです。
■クライマックス
クライマックスのルールは能動有利の消耗戦です。非常に単純かつ無慈悲です。
ダイス目によっては一瞬で決着がついてしまうこともありえます。
なので、クライマックスは、以下の精神で見守りましょう。
「ダイス目だから仕方ない」
■応用編
必要がありそうなら、PCにあえて勝ってみましょう。
「一度負けてからの勝利」を演じてもらうためです。
次にPCが本気で勝ちにかかってきたら、気持ちよく負ける、までがワンセットです。
エンディングでは自由に振舞ってもいいと思います。
あなたと数日を共にしたNPCには、愛着が湧いていることでしょう。
NPCという鎖から解き放って、好きに喋らせてあげてください。
■最後に
読んで頂いてありがとうございました。
様々書きましたが
全部やる必要は全然ありません。
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完璧なマスタリングというものはありません。
失敗やシナリオ崩壊も、起こる時は起こります。
そうでなくても、自分の采配について、進行中何度も不安になると思われます。
しかし、物語を提供してくれるヘルPに、PLたちは好意的です。
困った時は、遠慮なく相談して、協力して物語を進めていきましょう。
あなたが村で過ごす一週間が、素晴らしい体験でありますように!