りんごじいさんの言(こと) -5ページ目


母の手に
その小さな手に
様々な思いが過り


母の手に
その力強い手に
自らを省み


母の手は今日も
働き続けている
休むということなど
知らないかのように


画言





遠くへ
できる限り遠くへ
行くはずが


気づけばいつしか
巡り巡って
戻ってしまったみたい


あの日  えいっと
一歩踏み出して
離れてみたことで


ふたりはきっと
今までと同じ安心の中に
今までと違う何かを
感じていけるんだろうね





小説『メリーゴーランド』*157*


「おねーちゃーん」


  鈴のような可愛らしい声がした方を見ると、カゴの中に並んで寝ている小さな二人の男の子がアンナに向かって手を振っている。


「おねえちゃん、一緒にもっと遊ぼうよ」
 一人が言うと、もう一人が
「そうだよ。ぼくたち、おねえちゃんのことが大好きなんだから」
  と言ってニコリと微笑む。


「うん、もっと遊ぼ」
  嬉しさに胸はドキドキしながらそう言おうとした時、アンナは不意に体を強く動かされた。


「アンナ!アンナ、起きて。…起きろ‼」
「ん?」
  アンナは突然の激しい揺れに戸惑いながら、その答えを探すように自分の回りを見回してみた。


∞つづく∞