今日は、委託品の修理ネタです。

ICOM IC-736
HF/50MHz ALLMODE機です。世代的には、TS-690と同じくらいですね。
24MHz帯と28MHz帯が受信不能という状態です。

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この機種は、液晶の不良が多いですが、これは対策済み品でポジタイプに変更されています。
メーターランプが切れていますね。

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早速、蓋を開けます。
上カバーを開けて、シールド板を外すと、電源部とフィルターユニットが登場です。
まずは、定番の電源部のケミコン液漏れ確認からです。
正確には、外してみないとわかりませんが、目視では液漏れは見られませんでした。
電源が入らない故障の大半は、この大きなケミコン不良です。

写真を撮るのを忘れましたが、PAユニットにも液漏れするケミコンがありますが
こちらも目視では異常なしです。

どちらの予防策としては、ケミコンを交換した方がいいですね。

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さて、特定バンドの送受信不能ですが、VCOが不良です。
アンロックでも表示が正常なので、わかりにくいですね。
KENWOOD機は、表示が-になり、モールスでアンロックを教えてくれますが・・・
パラフィンで固められているんですね。
手前側から低いバンドで一番上が50MHz帯。今回は、上から2番目が故障部です。

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とりあえずパラフィンを爪楊枝で掘っていきます。
するとチップダイオードがパラフィンと一緒に取れました。
はんだ不良ですね。

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取れてしまったチップダイオードです。
老眼には、厳しいですね。この大きさは・・・
ルーペで見ないとわからないぞ!

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ルーペ片手に、はんだ付けです。
20Wのこてですが、周辺のパラフィンは溶け出し、作業がやりにくいです。
少し余分にパラフィンを取り除き、無事はんだ付け完了です。
VCOロック電圧を確認し、OK。
24MHz・28MHzともに送受信復活です。
メーターランプは。LEDに交換しました。

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棚に載せて、確認中。
JIDXコンテスト中ということもあり、ハイバンドも賑やかです。
各バンドの受信は、問題なし。FT-2000Dと比較しても同程度の感度です。
音質は、昔のICOM機の音ですね。
送信は、ファイナルが28V動作だけあり、150Wは余裕のドライブです。
(送信は、ダミーにて確認です)
内部調整時、ちょこっと送信パワー調整してみましたが、200W以上出ますね。
電源が持たないので、さすがにそれは無理がありますが、SSB運用の150Wは
いけそうです。(保証しませんが)

という訳で、無事修理、調整完了です。
エージングをして、委託者に返却します。