今日は、委託品の修理ネタです。
ICOM IC-736
HF/50MHz ALLMODE機です。世代的には、TS-690と同じくらいですね。
24MHz帯と28MHz帯が受信不能という状態です。
![イメージ 1](https://stat.ameba.jp/user_images/20190606/21/jl1for/92/29/j/o0960054014444729325.jpg?caw=800)
この機種は、液晶の不良が多いですが、これは対策済み品でポジタイプに変更されています。
メーターランプが切れていますね。
![イメージ 2](https://stat.ameba.jp/user_images/20190606/21/jl1for/fd/4b/j/o0960054014444729348.jpg?caw=800)
早速、蓋を開けます。
上カバーを開けて、シールド板を外すと、電源部とフィルターユニットが登場です。
まずは、定番の電源部のケミコン液漏れ確認からです。
正確には、外してみないとわかりませんが、目視では液漏れは見られませんでした。
電源が入らない故障の大半は、この大きなケミコン不良です。
写真を撮るのを忘れましたが、PAユニットにも液漏れするケミコンがありますが
こちらも目視では異常なしです。
どちらの予防策としては、ケミコンを交換した方がいいですね。
![イメージ 3](https://stat.ameba.jp/user_images/20190606/21/jl1for/37/27/j/o0960054014444729366.jpg?caw=800)
さて、特定バンドの送受信不能ですが、VCOが不良です。
アンロックでも表示が正常なので、わかりにくいですね。
KENWOOD機は、表示が-になり、モールスでアンロックを教えてくれますが・・・
パラフィンで固められているんですね。
手前側から低いバンドで一番上が50MHz帯。今回は、上から2番目が故障部です。
![イメージ 4](https://stat.ameba.jp/user_images/20190606/21/jl1for/72/9e/j/o0960054014444729378.jpg?caw=800)
とりあえずパラフィンを爪楊枝で掘っていきます。
するとチップダイオードがパラフィンと一緒に取れました。
はんだ不良ですね。
![イメージ 5](https://stat.ameba.jp/user_images/20190606/21/jl1for/b7/9f/j/o0389023914444729401.jpg?caw=800)
取れてしまったチップダイオードです。
老眼には、厳しいですね。この大きさは・・・
ルーペで見ないとわからないぞ!
![イメージ 6](https://stat.ameba.jp/user_images/20190606/21/jl1for/8c/c2/j/o0960054014444729436.jpg?caw=800)
ルーペ片手に、はんだ付けです。
20Wのこてですが、周辺のパラフィンは溶け出し、作業がやりにくいです。
少し余分にパラフィンを取り除き、無事はんだ付け完了です。
VCOロック電圧を確認し、OK。
24MHz・28MHzともに送受信復活です。
メーターランプは。LEDに交換しました。
![イメージ 7](https://stat.ameba.jp/user_images/20190606/21/jl1for/59/fc/j/o0960054014444729460.jpg?caw=800)
棚に載せて、確認中。
JIDXコンテスト中ということもあり、ハイバンドも賑やかです。
各バンドの受信は、問題なし。FT-2000Dと比較しても同程度の感度です。
音質は、昔のICOM機の音ですね。
送信は、ファイナルが28V動作だけあり、150Wは余裕のドライブです。
(送信は、ダミーにて確認です)
内部調整時、ちょこっと送信パワー調整してみましたが、200W以上出ますね。
電源が持たないので、さすがにそれは無理がありますが、SSB運用の150Wは
いけそうです。(保証しませんが)
という訳で、無事修理、調整完了です。
エージングをして、委託者に返却します。