歌手ナタリー・コールが年末に亡くなったことを音楽仲間から聞きました。
そして今日、アトリエにあるナタリー関連のLPレコードに針を落とし、ナタリーの父ナット・キング・コールと、昨年夏に亡くなったわたしの父を想いながら、寒中お見舞いを書きました。
「UNFORGETTABLE...
WITH LOVE」
レコード中袋の写真:中央に幼いナタリー、その後ろに、父ナット・コール。
横にルイ・アームストロング。 後方に大歌手エラ・フィッツジェラルド!
Elektra 独プレス7559-61049-1
先ず、91年発表のアルバム「アンフォゲッタブル」。
父ナット・コールの名曲をカバーし、全米で約700万枚を売り上げたというレコードです。
表題曲は、1965年に亡くなったナット・コールの歌声の音源テープと、娘ナタリーの歌を多重録音し、その共演・デュエットでグラミー賞最優秀レコード賞、年間アルバム賞など6部門を受賞しました。
表題曲は、1965年に亡くなったナット・コールの歌声の音源テープと、娘ナタリーの歌を多重録音し、その共演・デュエットでグラミー賞最優秀レコード賞、年間アルバム賞など6部門を受賞しました。
子供が成人したら、親とは一線を引いて別個の個人として扱うのが一般人の暗黙の了解ですが、芸能人などはそういきません。誰の子どもだとか、七光だとか言われ続けて、本人にしか分からない苦悩があるでしょう。
親が偉大であればある程、また子どもが自立していればなおさらのことです。
(ここで“ナット・キング・コールの娘”と紹介するわたしも変ですが。)
R&B、ソウル、ポップス、ジャズなど垣根を超えて活躍した彼女の後半生は、そういったプレッシャーからか、波乱に満ちていました。
左:「ナット・キング・コール/
アフター・ミッドナイト」
(’56 Capitol 東芝EMI SGD-88)
イッツ・オンリー・ア・ペイパー・ムーン、
キャラヴァン、ルート66・・・一家に1枚!
右:「ナット・キング・コール/
ラブ・イズ・ザ・シング」
(’57 Capitol 米盤 W - 824)
スターダストが聴けます
左:「ナット・キング・コール/
ボーカル・クラシックス」
(’43 ~’47 Capitol 米盤 T-591)
彼のボーカルと ピアニストとしての演奏が楽しいアルバム。
太平洋戦争中のアメリカ側の文化度の高さと優秀録音技術には、かないません。
美空ひばりさんはコールのファンでしたね。
多重録音で浮かぶアルバムは、 ビーチ・ボーイズ『ペット・サウンズ』(’66)、ビートルズ『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』(’67)。
そして、松本隆・細野晴臣・大瀧詠一・鈴木茂 たちの「はっぴいえんど」などが60年代後半あたりで完成されました。
多重録音、今では多忙なミュージシャンのスケジュール調整や、拘束時間のギャラの問題、録音会場の確保の問題などで、当たり前の録音スタイルになっています。
音楽に限らず、最新のコンピュータ技術で、多重映像も可能になりました。
往年の映画スターや亡き俳優たちとの共演作品も可能です。
例えば 寅さん(渥美 清)と、釣りバカ ハマちゃん(西田敏行)の共演作や、十一代目 市川團十郎と孫の市川海老蔵の共演歌舞伎も観劇可能です。
例えば 寅さん(渥美 清)と、釣りバカ ハマちゃん(西田敏行)の共演作や、十一代目 市川團十郎と孫の市川海老蔵の共演歌舞伎も観劇可能です。
「競演」で「感激」できるに越したことは ありませんが。
これから、新派などの演劇や漫才コント、そしてカラオケなど各方面にも普及することでしょう。
最後に、最新の多重録音、多重映像の作品として、シンセサイザー音楽の先駆者、冨田勲さんの新作を紹介します。
ボーカロイド※の「初音ミク」と共演で、宮沢賢治「銀河鉄道の夜」をテーマにした「イーハトーヴ交響曲」です。 ユーチューブの映像をお薦めいたします。
※VOCALOID: ヤマハの技術を結集した歌声合成技術と応用ソフトウェアのこと。
音符と歌詞を入力し、歌声に変換する。架空の歌声、架空の歌手を誕生させることができる。
音符と歌詞を入力し、歌声に変換する。架空の歌声、架空の歌手を誕生させることができる。
TOMITA SYMPHONY IHATOV
(CDジャケットの写真は 岩手山)
日本コロムビア COGQ・62
宮沢賢治 /
冨田勲×初音ミク
「イ―ハトーヴ交響曲」
“Youtube”