<福島第1原発>欧州委員「やはり人災」と厳しい安全性検査
毎日新聞 [06/20 02:35]
欧州連合(EU)で原発を担当するエッティンガー欧州委員(閣僚)が毎日新聞と会見し、
福島原発事故は「自然だけでなく人によっても起こされた人災」と強調した。
同委員は「事故の教訓を得ないのは誤り」とし、
EUでは厳しい安全性検査を新設の原発にも適用する考えを示した。
欧州連合(EU)で原発を担当するエッティンガー欧州委員(閣僚)が毎日新聞と会見し、
福島原発事故は「自然だけでなく人によっても起こされた人災」と強調した。
同委員は「事故の教訓を得ないのは誤り」とし、
EUでは厳しい安全性検査を新設の原発にも適用する考えを示した。
母乳の放射能調査と母子支援について
3月11日に発生した福島原発震災は、生態系への未曾有の放射能放出を続けています。事故発生後2ヶ月の間に、福島県を始め東北関東の広い範囲が放射能に汚染され、住民が継続的な被ばくを強いられて生活しています。
また、広く放射能汚染が拡散された状況の中で、特に内部被曝のリスクは十分考慮されておらず、食品や水等の暫定規制値も非常に高く、住民が内部被曝のリスクから身を守る事ができない状況を作り出しています。
チェルノブイリ原発事故の後5年が経過しても、ロシアのブリリャンスク州汚染地域の母乳206サンプル中20%程度にセシウム137の許容値(37ベクレル/リットル)を超える汚染がありました。21年後2007年のベラルーシのブレストストリンスク地区の母乳調査でも、許容値を2~3倍超えるものが見つかっています。チェルノブイリ事故による四半世紀にわたる汚染の悲劇を繰り返してはなりません。
このような中、私たちは、母乳の放射能汚染の実態を調べるために、有志で『母乳調査・母子支援ネットワーク』を立ち上げ、福島県・茨城県・千葉県のお母さんから母乳を提供していただき、検査を開始しました。その結果、9検体中4検体に、放射性ヨウ素が検出され、私たちの懸念が裏付けられる結果となりました。
4月21日、厚労省記者会見で、調査結果を発表するとともに、福島県・茨城県・千葉県のお母さんたちにさらなる母乳検査へのご協力を呼びかけました。
各地から多数のお問い合わせがあり、上記3県に加え、栃木県・東京都の方からも母乳の提供をいただきました。
5月18日、第2報として49検体(最初の9検体を含む)の検査結果とともに、
関係各機関と市民のみなさまへの呼びかけを、発表いたしました。
6月2日、新たな検査結果を加えて、データを更新しました。
6月11日、続いての検査結果を加えて、延べ100件のデータを公開しました。
(本記事の最下行、別表参照)
私たちは、母乳の放射能汚染状況の調査が、以下の点で大変重要であると考えます。
1、母乳から乳児への内部被ばくのリスクを知る指標となります
・・・細胞分裂の活発な乳幼児の放射線感受性は成人にくらべて3~10倍と言われていること、内部被ばくに関して閾値は存在しないということが認められていること、から、乳児の内部被ばくの状況を把握することは大変重要な意味があり、母乳中の放射性物質のデータはそれを知る重要な手がかりとなります。
2、母体の内部被ばく状況を知る重要なデータとなります
・・・放射能汚染地域の住民の内部被ばく状況を把握するための、尿・血液・ホールボディカウンターによる測定等々のデータとともに、母乳検査データは、重要な内部被ばくの指標となります。
3、内部被ばくの経路について推定することで、内部被ばくを避けることにつながります
・・・居住地や行動パターン、食生活などの情報から内部被ばくの経路について推定することは、きめ細かな空間線量・土壌汚染・飲料水・食品の放射能汚染調査とともに、内部被ばく防護策を講じるための重要な手がかりとなります。
4、将来、子どもや成人に起こり得る健康障害の原因解明と治療のための、重要なデータとなります
・・・将来何らかの健康障害が起こってきた場合の、原因解明と治療に有用なデータとなります。また必要な救済策を求める場合に有用なデータでもあります。
*母乳は母親から赤ちゃんへ免疫を伝える大切なものです。そのために一人一人の母乳が安心して飲ませられるのか?放射能の汚染がないか?確認したいと思うのです。
母乳調査・母子支援ネットワークは、
関係各機関および市民のみなさまへ、以下のとおり呼びかけます。
◆放射能汚染が広がっている地方自治体(都道府県および市町村)は、
早急に母乳の全数調査および追跡調査を実施してください。
母体の内部被ばくの経路に関する調査・分析をあわせて行い、調査結果の速やかな公表をお願いいたします。
調査結果に基づき、内部被ばくの予防と、放射性物質排出の促進を目的として、住民に対する適切な情報提供・指導を実施してくださいますようお願いいたします。
◆厚生労働省・農林水産省等の関係機関は、
内部被ばくのリスクを適切に考慮し、現在の野菜・肉・魚・乳などの食品および水等についてきめ細かな放射能汚染調査を実施し、データを速やかに公開してください。
調査結果に基づき、暫定基準値、年間の被ばく許容限度等を早急に見直すことを、要請します。
農林水産省は、魚への放射性物質の生物濃縮を認め、海洋汚染の実態を調査してください。
◆国および地方自治体は、
母乳汚染の高い母子に対し、内部被ばく低減のためのあらゆる対策(安全圏への避難も含む)を早急に実施してください。
□福島県、茨城県、千葉県、東京都など、放射能汚染のある地域で母乳育児中のお母さん方、
母乳調査にご協力ください。 お住まいの自治体に対し、母乳調査実施を求めてください。
◆全国の皆さま、
当該地域の母乳調査が実施されるよう、また困難な状況の中で子育てするお母さんたちをサポートしていだきますよう、
ぜひご支援をお願いいたします。 母乳検査費用(現在1検体15,000円)に対してもご協力をお願いいたします。
<寄付金の振込先>
ゆうちょ銀行 普通預金 店番218 記号12170 番号7008999(他銀行からの場合)
ゆうちょ銀行 普通預金 店番218 記号12170 番号70089991(ゆうちょ銀行からの場合)
口座名: 母乳調査・母子支援ネットワーク
◆母子保健福祉医療にかかわる専門家、心理職者、法律家および
内部被ばくのリスクを憂慮するすべてのみなさまへ、
母乳調査・母子支援ネットワークへのご参加を呼びかけます。内部被ばく、乳児の内部被ばくによる健康被害のリスクは、科学的に未解明なことが多く、この問題に対して答えをもつ専門家はおりません。しかし、未曾有の放射能流出が現実に進行し、放射能汚染が続く地域で内外被曝のリスクを負いながらの生活を余儀なくされている人々のために、専門の枠を越え、専門家と素人という壁をも越えて、科学が答えを出さない問題にどう対処していくかについて、模索し支えあうネットワークが必要です。ぜひ、私たちと共に、ネットワークを育ててくださいますよう、よろしくお願いいたします。
母乳調査・母子支援ネットワーク (bonyuu_tyousaあっとyahoo.co.jp)
0609 調査結果(採取日順 100 検体)
http://bonyuutyousa.net/?p=185
また、広く放射能汚染が拡散された状況の中で、特に内部被曝のリスクは十分考慮されておらず、食品や水等の暫定規制値も非常に高く、住民が内部被曝のリスクから身を守る事ができない状況を作り出しています。
チェルノブイリ原発事故の後5年が経過しても、ロシアのブリリャンスク州汚染地域の母乳206サンプル中20%程度にセシウム137の許容値(37ベクレル/リットル)を超える汚染がありました。21年後2007年のベラルーシのブレストストリンスク地区の母乳調査でも、許容値を2~3倍超えるものが見つかっています。チェルノブイリ事故による四半世紀にわたる汚染の悲劇を繰り返してはなりません。
このような中、私たちは、母乳の放射能汚染の実態を調べるために、有志で『母乳調査・母子支援ネットワーク』を立ち上げ、福島県・茨城県・千葉県のお母さんから母乳を提供していただき、検査を開始しました。その結果、9検体中4検体に、放射性ヨウ素が検出され、私たちの懸念が裏付けられる結果となりました。
4月21日、厚労省記者会見で、調査結果を発表するとともに、福島県・茨城県・千葉県のお母さんたちにさらなる母乳検査へのご協力を呼びかけました。
各地から多数のお問い合わせがあり、上記3県に加え、栃木県・東京都の方からも母乳の提供をいただきました。
5月18日、第2報として49検体(最初の9検体を含む)の検査結果とともに、
関係各機関と市民のみなさまへの呼びかけを、発表いたしました。
6月2日、新たな検査結果を加えて、データを更新しました。
6月11日、続いての検査結果を加えて、延べ100件のデータを公開しました。
(本記事の最下行、別表参照)
私たちは、母乳の放射能汚染状況の調査が、以下の点で大変重要であると考えます。
1、母乳から乳児への内部被ばくのリスクを知る指標となります
・・・細胞分裂の活発な乳幼児の放射線感受性は成人にくらべて3~10倍と言われていること、内部被ばくに関して閾値は存在しないということが認められていること、から、乳児の内部被ばくの状況を把握することは大変重要な意味があり、母乳中の放射性物質のデータはそれを知る重要な手がかりとなります。
2、母体の内部被ばく状況を知る重要なデータとなります
・・・放射能汚染地域の住民の内部被ばく状況を把握するための、尿・血液・ホールボディカウンターによる測定等々のデータとともに、母乳検査データは、重要な内部被ばくの指標となります。
3、内部被ばくの経路について推定することで、内部被ばくを避けることにつながります
・・・居住地や行動パターン、食生活などの情報から内部被ばくの経路について推定することは、きめ細かな空間線量・土壌汚染・飲料水・食品の放射能汚染調査とともに、内部被ばく防護策を講じるための重要な手がかりとなります。
4、将来、子どもや成人に起こり得る健康障害の原因解明と治療のための、重要なデータとなります
・・・将来何らかの健康障害が起こってきた場合の、原因解明と治療に有用なデータとなります。また必要な救済策を求める場合に有用なデータでもあります。
*母乳は母親から赤ちゃんへ免疫を伝える大切なものです。そのために一人一人の母乳が安心して飲ませられるのか?放射能の汚染がないか?確認したいと思うのです。
母乳調査・母子支援ネットワークは、
関係各機関および市民のみなさまへ、以下のとおり呼びかけます。
◆放射能汚染が広がっている地方自治体(都道府県および市町村)は、
早急に母乳の全数調査および追跡調査を実施してください。
母体の内部被ばくの経路に関する調査・分析をあわせて行い、調査結果の速やかな公表をお願いいたします。
調査結果に基づき、内部被ばくの予防と、放射性物質排出の促進を目的として、住民に対する適切な情報提供・指導を実施してくださいますようお願いいたします。
◆厚生労働省・農林水産省等の関係機関は、
内部被ばくのリスクを適切に考慮し、現在の野菜・肉・魚・乳などの食品および水等についてきめ細かな放射能汚染調査を実施し、データを速やかに公開してください。
調査結果に基づき、暫定基準値、年間の被ばく許容限度等を早急に見直すことを、要請します。
農林水産省は、魚への放射性物質の生物濃縮を認め、海洋汚染の実態を調査してください。
◆国および地方自治体は、
母乳汚染の高い母子に対し、内部被ばく低減のためのあらゆる対策(安全圏への避難も含む)を早急に実施してください。
□福島県、茨城県、千葉県、東京都など、放射能汚染のある地域で母乳育児中のお母さん方、
母乳調査にご協力ください。 お住まいの自治体に対し、母乳調査実施を求めてください。
◆全国の皆さま、
当該地域の母乳調査が実施されるよう、また困難な状況の中で子育てするお母さんたちをサポートしていだきますよう、
ぜひご支援をお願いいたします。 母乳検査費用(現在1検体15,000円)に対してもご協力をお願いいたします。
<寄付金の振込先>
ゆうちょ銀行 普通預金 店番218 記号12170 番号7008999(他銀行からの場合)
ゆうちょ銀行 普通預金 店番218 記号12170 番号70089991(ゆうちょ銀行からの場合)
口座名: 母乳調査・母子支援ネットワーク
◆母子保健福祉医療にかかわる専門家、心理職者、法律家および
内部被ばくのリスクを憂慮するすべてのみなさまへ、
母乳調査・母子支援ネットワークへのご参加を呼びかけます。内部被ばく、乳児の内部被ばくによる健康被害のリスクは、科学的に未解明なことが多く、この問題に対して答えをもつ専門家はおりません。しかし、未曾有の放射能流出が現実に進行し、放射能汚染が続く地域で内外被曝のリスクを負いながらの生活を余儀なくされている人々のために、専門の枠を越え、専門家と素人という壁をも越えて、科学が答えを出さない問題にどう対処していくかについて、模索し支えあうネットワークが必要です。ぜひ、私たちと共に、ネットワークを育ててくださいますよう、よろしくお願いいたします。
母乳調査・母子支援ネットワーク (bonyuu_tyousaあっとyahoo.co.jp)
0609 調査結果(採取日順 100 検体)
http://bonyuutyousa.net/?p=185
「原発の周囲に住めば」と批判=経産相の運転再開要請で-大阪知事
大阪府の橋下徹知事は18日、海江田万里経済産業相が全国の原発で安全確認ができたとして、地元自治体に運転再開を認めるよう要請する方針を表明したことについて、「時期的に尚早極まりない」との見解を示した。その上で、「それだけ安全だと言うなら、大臣をはじめ経済産業省の皆さんが原発の周囲に住めばいい。無責任だ」と批判した。インドネシア出張からの帰国後、関西国際空港内で記者団の質問に答えた。
ホントだよ。
安全安全言ってる人はみんな原発近くに住めばいい。
それと!あそこで政権争いでもなんでもやってればいい。
自分の家族はさっさと避難させてるくせに。
ホントだよ。
安全安全言ってる人はみんな原発近くに住めばいい。
それと!あそこで政権争いでもなんでもやってればいい。
自分の家族はさっさと避難させてるくせに。
お母さんに「風評被害」と非難する人は人間か? 武田邦彦氏
(この記事は子供を守ろうとしているお母さん方が、「風評」といわれて切ない気持ちになっているので、それを応援するためのものです)
少しでも子供を被曝させたくないと懸命になって食材を求めているお母さんに「風評被害を言うな!」と責める鬼のような学校の先生、市役所の公務員、そしてジャーナリストがいます.
その理由は二つあるようです.
1) 暫定基準値以下だから「被曝する」というのは言いがかりだ、
2) 政府が1年100ミリまで大丈夫と言っている。
二つともウソなのです。
学校の先生も市役所の公務員も、かつては真面目な人たちでしたが、一体、どうしてしまったのでしょうか?
・・・解説1・・・
日本の水道局がかつて基準としていたように、
「日本人は水道だけを飲んで生きているのではない.従って、水道の基準は、1年1ミリシーベルトの一般的な基準をさらに10分の1にして、0.1ミリシーベルトの被曝にならないようにする」
と言うのが正しいのです.
これは一般的な毒物、添加物、農薬などでも同じ考えで、一つ一つのものを「ギリギリの基準」にしておくと、買う方は2つ以上のものをスーパー等で買えなくなるからです.
「足し算の原理」です。
ところが、足し算ができるはずの文科省大臣がウソをつき、「1年20ミリまで大丈夫.これを1時間あたりに換算すると3.8マイクロシーベルト」と言ったのです.
この計算は、
1. 子供が学校に行っているときだけ外にでて、
2. 通学時間もゼロ、家に帰ったら外に出ない、
3. 飲まず、食わず、呼吸せず(舞い上がったホコリも吸わない、まったく放射性物質を含まないものしか食べない)、
という前提があるのです。
そんな小学生がいるはずもないのに、平気で言うのですから、どうして選挙で当選したのかまったく理解に苦しみます.
「足し算の原理」があるかぎり、そして多くの食材の暫定規制値が
「縦割り行政の中で、自分の役所が取り扱う食材だけを考える」
ということで決まっている限り、お母さんは
「汚染されたものは、たとえ暫定基準値以下でも買うことができない」
と思うのが、「立派な日本のお母さん」だからです。
その人達を「風評被害をいう」と非難する人は勝手に言ってください。あなた方は「鬼」です。
・・・解説2・・・
原子力安全保安院は「法律に基づいて」、「一般人が」、「福島原発内で」、「1年1ミリシーベルト以上被曝させた」ということで、東電を「処分」しました。
首相は文科省大臣を同じ理由で処分するべきです.ダブルスタンダードがあり、民間(東電)は処分するが官(文科省)は許すというのはあり得ません。
そして法律を知っている市役所の公務員なども処分しなければなりません。
さらには、下に示した文科省指導課長の通達.
これは本来は「子供の健康をまもるべき文科省」の指導課長が出した文章です。出した課長も鬼なら、この指導に従う校長先生も校長先生ですが、やはり「鬼」です。
東電の原発の中で働いた一般の大人が1年1ミリシーベルトを越えたと言って政府は東電を処分しているのに、同時こんな通達を出して子供を被曝させています(下はその内容)。
1年100ミリ(通達では100,000マイクロシーベルトとあるがこれは100ミリシーベルトのこと)まで健康に影響がないと言っているのですから、驚くべき内容です.
この通達内容が法律に反しているのは保安院の処分からでもわかりますが、放射線障害の法律には「被曝の原則」として第1条に次のように書いてあります。
ここで示しているように、日本国民はできるだけ被曝量を低くするように求めています.
現実にも放射線作業者(成人男子、被曝量測定、健康管理あり)の場合は1年に20ミリまで認められますが、現実の被曝量は日本ではわずか0.7ミリにしか過ぎません。
また、同じ文科省の所管する放射線の法律(文科省のパンフレット)、
ここにも、下の図のように「1年1ミリシーベルトが被曝限度」であるということがハッキリと明記されています.
あまりにも当然ですが、日本国内の法律が違う基準で出来ていることはないのです。
最近では見慣れた図ですが、一番下にある「1年10マイクロシーベルト」というのが「クリアランス・レベル」です。
クリアランス・レベルというのは、「普通の人が、普通に扱っても罰せられない限度」です。たとえば、校庭、校舎、生徒の机、野菜、農具など全てのものが入ります.
そして、国民を被曝から守るのにとても大切なことなので、1年10マイクロシーベルトより多い物品を「普通に」扱った人は、懲役1年以下の刑事罰が科せられます.
つまり、文科省大臣も、指導課長も「犯罪人」であることが判ります。そして「犯罪」であることを知ってそれに従った校長先生もまた実質的には犯罪人です。
・・・・・・・・・
官僚は言い訳をしますから、その対策も示しておきます.
1) 1年1ミリシーベルトという規制は「放射性物質を扱う会社など」に求めているもので、学校や野菜などは対象にされていませんが、「危険性」という意味では同じですから、「1年100ミリまで安全と言われています」のではなく、「1年1ミリまで安全と言われています」が正しい。法律の対象が誰であれ、人間と放射線の関係は変わらないから。
2) クリアランス・レベルは輸入品や原子炉からの廃棄物などが対象ですが、これも「日本国民を被曝から守る」という限度が1年10マイクロシーベルトだからこそ、法律があり刑事罰があるのです。これも法律の対象はともかく、社会にどのぐらいの危険性があるかということは変わらないから。
私たちの子供の健康を犯罪人に任せることはできません。
また、識者の方は是非、声を上げて子供を守ろうとするお母さんを応援してください。
(平成23年6月8日 午前10時 執筆)
武田邦彦
心が折れそうになる時もあるけど、がんばろう。
少しでも子供を被曝させたくないと懸命になって食材を求めているお母さんに「風評被害を言うな!」と責める鬼のような学校の先生、市役所の公務員、そしてジャーナリストがいます.
その理由は二つあるようです.
1) 暫定基準値以下だから「被曝する」というのは言いがかりだ、
2) 政府が1年100ミリまで大丈夫と言っている。
二つともウソなのです。
学校の先生も市役所の公務員も、かつては真面目な人たちでしたが、一体、どうしてしまったのでしょうか?
・・・解説1・・・
日本の水道局がかつて基準としていたように、
「日本人は水道だけを飲んで生きているのではない.従って、水道の基準は、1年1ミリシーベルトの一般的な基準をさらに10分の1にして、0.1ミリシーベルトの被曝にならないようにする」
と言うのが正しいのです.
これは一般的な毒物、添加物、農薬などでも同じ考えで、一つ一つのものを「ギリギリの基準」にしておくと、買う方は2つ以上のものをスーパー等で買えなくなるからです.
「足し算の原理」です。
ところが、足し算ができるはずの文科省大臣がウソをつき、「1年20ミリまで大丈夫.これを1時間あたりに換算すると3.8マイクロシーベルト」と言ったのです.
この計算は、
1. 子供が学校に行っているときだけ外にでて、
2. 通学時間もゼロ、家に帰ったら外に出ない、
3. 飲まず、食わず、呼吸せず(舞い上がったホコリも吸わない、まったく放射性物質を含まないものしか食べない)、
という前提があるのです。
そんな小学生がいるはずもないのに、平気で言うのですから、どうして選挙で当選したのかまったく理解に苦しみます.
「足し算の原理」があるかぎり、そして多くの食材の暫定規制値が
「縦割り行政の中で、自分の役所が取り扱う食材だけを考える」
ということで決まっている限り、お母さんは
「汚染されたものは、たとえ暫定基準値以下でも買うことができない」
と思うのが、「立派な日本のお母さん」だからです。
その人達を「風評被害をいう」と非難する人は勝手に言ってください。あなた方は「鬼」です。
・・・解説2・・・
原子力安全保安院は「法律に基づいて」、「一般人が」、「福島原発内で」、「1年1ミリシーベルト以上被曝させた」ということで、東電を「処分」しました。
首相は文科省大臣を同じ理由で処分するべきです.ダブルスタンダードがあり、民間(東電)は処分するが官(文科省)は許すというのはあり得ません。
そして法律を知っている市役所の公務員なども処分しなければなりません。
さらには、下に示した文科省指導課長の通達.
これは本来は「子供の健康をまもるべき文科省」の指導課長が出した文章です。出した課長も鬼なら、この指導に従う校長先生も校長先生ですが、やはり「鬼」です。
東電の原発の中で働いた一般の大人が1年1ミリシーベルトを越えたと言って政府は東電を処分しているのに、同時こんな通達を出して子供を被曝させています(下はその内容)。
1年100ミリ(通達では100,000マイクロシーベルトとあるがこれは100ミリシーベルトのこと)まで健康に影響がないと言っているのですから、驚くべき内容です.
この通達内容が法律に反しているのは保安院の処分からでもわかりますが、放射線障害の法律には「被曝の原則」として第1条に次のように書いてあります。
ここで示しているように、日本国民はできるだけ被曝量を低くするように求めています.
現実にも放射線作業者(成人男子、被曝量測定、健康管理あり)の場合は1年に20ミリまで認められますが、現実の被曝量は日本ではわずか0.7ミリにしか過ぎません。
また、同じ文科省の所管する放射線の法律(文科省のパンフレット)、
ここにも、下の図のように「1年1ミリシーベルトが被曝限度」であるということがハッキリと明記されています.
あまりにも当然ですが、日本国内の法律が違う基準で出来ていることはないのです。
最近では見慣れた図ですが、一番下にある「1年10マイクロシーベルト」というのが「クリアランス・レベル」です。
クリアランス・レベルというのは、「普通の人が、普通に扱っても罰せられない限度」です。たとえば、校庭、校舎、生徒の机、野菜、農具など全てのものが入ります.
そして、国民を被曝から守るのにとても大切なことなので、1年10マイクロシーベルトより多い物品を「普通に」扱った人は、懲役1年以下の刑事罰が科せられます.
つまり、文科省大臣も、指導課長も「犯罪人」であることが判ります。そして「犯罪」であることを知ってそれに従った校長先生もまた実質的には犯罪人です。
・・・・・・・・・
官僚は言い訳をしますから、その対策も示しておきます.
1) 1年1ミリシーベルトという規制は「放射性物質を扱う会社など」に求めているもので、学校や野菜などは対象にされていませんが、「危険性」という意味では同じですから、「1年100ミリまで安全と言われています」のではなく、「1年1ミリまで安全と言われています」が正しい。法律の対象が誰であれ、人間と放射線の関係は変わらないから。
2) クリアランス・レベルは輸入品や原子炉からの廃棄物などが対象ですが、これも「日本国民を被曝から守る」という限度が1年10マイクロシーベルトだからこそ、法律があり刑事罰があるのです。これも法律の対象はともかく、社会にどのぐらいの危険性があるかということは変わらないから。
私たちの子供の健康を犯罪人に任せることはできません。
また、識者の方は是非、声を上げて子供を守ろうとするお母さんを応援してください。
(平成23年6月8日 午前10時 執筆)
武田邦彦
心が折れそうになる時もあるけど、がんばろう。