グレンダの説明・紹介

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こういう常識を疑わない限り、世論という概念は、すでに許された[#「許された」に傍点]概念として、抑々その概念が問題として上程される資格の検査を抜きにして、考察の対象となることが出来るだろう。と云うのは、この概念は、それが実際に持っている歴史的宿命[#「歴史的宿命」に傍点]からは独立に、一般的に形式的に、分析され得るものだと考えられるのである。『世論の批判』(〔F. To:nnies, Kritik d. o:ffentlichen Meinung〕, 1922)と云っても、実は世論の歴史的本質が批判されるのではなくて、世論の形式的な諸規定が、云わば語原学的にさえ、分析されるに過ぎないだろう。
 無論こうした形式的な一般的な特色づけはどのような場合にも必要であって、之がなければ吾々は何を語ることも出来ないが、併しそれよりも前に、どういう歴史的な条件から、どういう形態で、この概念が吾々の問題になることが出来たかという、この概念の歴史的本質の分析の方が、より根本的でなければならない。――常識は玉石混淆の知識であるが、常識をそのまま信用することは決して優れた常識ではない。常識的に信用を博しているこの世論という概念を、吾々は信用してかかって仕事を始めてはならない。

 世論は単に歴史的に発生して来た概念であるばかりではなく、その歴史的発生が、今日に至るまで、物を云っている、効果を有っている、概念なのである。だからそれを歴史的な宿命[#「宿命」に傍点]を有った概念だと云ったのである。その意味に於て、世論は決して一般的[#「一般的」に傍点]な概念ではなくて歴史的[#「歴史的」に傍点]な概念だと云わねばならぬ。