「国家代表」の愛国心と社会問題 | 「日韓次世代映画祭」「下川正晴研究室」「大分まちなかTV」ブログ

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下川正晴(大分県立芸術文化短大教授、shimokawa502@gmail.com 携帯電話090-9796-1720、元毎日新聞論説委員、ソウル支局長)。日韓次世代映画祭は2008年開始。「大分まちなかTV」は、学生と商店街のコラボ放送局です。

第2回日韓次世代交流映画祭 アンソンギ パクチュンフン  イボムス 小栗康平 イミョンセ キムヨンファ  キムジョンウォン 宮田節子日本のインターネット新聞「JANJAN」に、映画「国家代表」に関する記事が掲載されました。以下のような、記述が見られます。写真は岩渕弘美撮影。

<スポ根よりは、各メンバーの人間ドラマに重点が置かれてストーリーが進んでいく。チーム内、あるいは外界との葛藤が描かれるのと平行して、海外への養子や外国人の不法労働など韓国で深刻化している社会問題が織り込まれる>

<ホンテが母親を見つけ出すシーンは心に響く。「国に捨てられた」と公言し母国を憎んでいたホンテが、韓国籍を取得し、国家代表として太極旗(韓国の国旗)を背負う覚悟を持つのは、自分のルーツが韓国の地にあることを自覚したからにほかならない>

<韓国では、愛国心を強調しすぎだという批判もあった。ホンテが国民の証である住民登録証をメンバーに見せて喜び合うシーンや、ワールドカップ大会のロッカールームに太極旗を掲げ国歌を歌うシーンがそれだ。ステレオタイプの愛国主義を振りかざす映画は、韓国でも敬遠され始めているのが現状なのだ。だが、図らずも国を代表することになったメンバーたちの決意を表現するには、必要なシーンだったといえるかもしれない>

<キム・ヨンファ監督は、「オー! ブラザーズ」(03)、「カンナさん大成功です!」(06)でも笑いと感動を提供してきた。3作目のこの作品では、スポーツという素材を得てさらにパワーアップしたようだ。各メンバーのエピソードが盛りだくさんで、137分という長さを感じさせない。短いカットを重ねていく編集手法も、スピード感を出すのには効果的だ>