映画「国家代表」を紹介します | 「日韓次世代映画祭」「下川正晴研究室」「大分まちなかTV」ブログ

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下川正晴(大分県立芸術文化短大教授、shimokawa502@gmail.com 携帯電話090-9796-1720、元毎日新聞論説委員、ソウル支局長)。日韓次世代映画祭は2008年開始。「大分まちなかTV」は、学生と商店街のコラボ放送局です。

第2回日韓次世代交流映画祭 アンソンギ パクチュンフン  イボムス 小栗康平 イミョンセ キムヨンファ  キムジョンウォン 宮田節子12月13日午後に上映する大ヒット映画「国家代表」(キム・ヨンファ監督)のあらずじや、制作ノート、見所などを公開当時のパンフレットなどから紹介します。すご~~く、長いです。

あらすじ
「このクズたちで何をするつもりです?」。不純な目的で韓国代表になった奴ら。1996年、全羅北道の茂朱では冬季オリンピック誘致のために、正式種目の1つであるスキージャンプの国家代表チームが必要となった。子供スキー教室の元講師パン・ジョンサム(ソン・ドンイル)が国家代表チームのコーチに任命され、彼の甘い言葉に誘われた精鋭(?)メンバーが集まる。

第2回日韓次世代交流映画祭 アンソンギ パクチュンフン  イボムス 小栗康平 イミョンセ キムヨンファ  キムジョンウォン 宮田節子元ジュニア・アルペンスキーのアメリカ代表だったが、自分を養子に出した実の母親を探して韓国にきたパブ(ハ・ジョンウ)。女がいないと1日だって生きていけないクラブ・ウェイターのフンチョル(キム・ドンウク)。昼夜問わず炭を焼き、父親の言うことだけを聞いてきた焼肉店の息子ジェボク(チェ・ジェハン)。祖母と弟の面倒で手一杯の無口な少年チルグ(キム・ジソク)。そんな兄貴を溺愛する少し変わった弟のボング(イ・ジェウン)。

バンコーチは母親と一緒に暮らす家が必要なパブにはアパートを、家族のために離れることができないフンチョルとチルグ-ボング兄弟、そしてジェボクには兵役免除を約束する。ただし、すべては金メダルと引換えだ!

「くそったれ!何が科学的訓練だよ!」。ジャンプスーツが無ければジャージを着る! ヘルメットが無ければ安全帽をかぶる! ジャンプ台が無ければ作る! スキージャンプが何なのかも分からないまま、スキーを少しかじったことがあるだけで集められ、韓国で最初のスキージャンプ国家代表チームが結成される。

第2回日韓次世代交流映画祭 アンソンギ パクチュンフン  イボムス 小栗康平 イミョンセ キムヨンファ  キムジョンウォン 宮田節子だが、スキージャンプの初歩すらも知らないコーチと、経験ゼロの国家代表選手たちの道のりは厳しい。立派な練習場もなく、ジャンプ台も工事現場を転々としなければならない。正式な保護装具やジャンプスーツもないため、オートバイのヘルメット、工事現場の安全帽などで訓練に挑まなければならなかった。

そんな状況にもかかわらず、ジェボクの家が営む焼肉店の前で行なう地上訓練をはじめ、木のてっぺんにロープでつるされる空中曲芸や、時速90kmの車の天井にスキージャンプの姿勢のまま固定され走るという危険な疾走。閉園した遊園地のウォーターシュートをジャンプ台に改造し、命を懸けて飛び降りるなど科学的(?)な訓練で力をつけていく選手たち! こんな普通では考えられないトレーニングの中でも、少しずつ選手らしくなっていき、スキー板に身を任せ飛んでいく瞬間が幸せだと感じ始める。

第2回日韓次世代交流映画祭 アンソンギ パクチュンフン  イボムス 小栗康平 イミョンセ キムヨンファ  キムジョンウォン 宮田節子「さあ、もうワールドカップまで1週間だ。そこで6位以内に入ればオリンピックに行ける!」「8チーム中6位以内なんて俺たちなら大丈夫だ」。ついに世界舞台の初進出! ワールドカップの次は本当のオリンピックだ!  紆余曲折の末、ついにワールドカップに参加したスキージャンプの韓国代表チーム。外国選手たちの嘲笑にも屈せず、彼らは最善を尽くすが、予想外の事件により良い結果を出すことができなかった。

だが奇跡的に長野オリンピックの参加資格を得ることができた韓国代表チームは、それなりに故郷へ錦を飾ることができ、オリンピック進出の夢は膨らんでいく。だが韓国は冬季オリンピックの開催地選定で結局、脱落してしまい、スキージャンプの韓国代表チームは解散の危機に迫られる。

兵役免除のために、母親を探し出すために、そんな個人的な大義名分を超えて、スキージャンプに対する愛情と情熱、そしてチャレンジ精神だけで競技に出場できることを期待するが…。果たして彼らは思い切り空高く飛ぶことができるのだろうか?

制作ノート
第2回日韓次世代交流映画祭 アンソンギ パクチュンフン  イボムス 小栗康平 イミョンセ キムヨンファ  キムジョンウォン 宮田節子<国家代表俳優プロジェクト>
私たちが韓国代表だ! 映画<国家代表>には2009年を飾った国家代表級の俳優たちが大勢参加し、活躍している。 <チェイサー><素敵な一日>などで最高の演技を見せたハ・ジョンウが、アメリカのジュニアアルペンスキー選手出身で韓国から養子に出された“チャ・ホンテ”役を演じ、真剣な姿の中にもウィットにとんだ演技を見せる。

MBC<コーヒープリンス1号店>でナルシストの“ハリム”役で愛されたキム・ドンウクは、華麗な女性遍歴を持ったクラブのウェイターだったが、コーチの娘に一目ぼれしチームに合流する“フンチョル”を演じ、荒っぽいがキュートな演技を見せてくれる。

第2回日韓次世代交流映画祭 アンソンギ パクチュンフン  イボムス 小栗康平 イミョンセ キムヨンファ  キムジョンウォン 宮田節子また、40%を超える視聴率で人気絶頂のドラマ<憎くても可愛くても>で、どうしようもない息子“カン・ベクホ”役を演じたキム・ジソクが、祖母と弟を養い真っ直ぐに生きていく“チルグ”役で、180度変わった姿を見せてくれる。“チルグ”の弟“ボング”役は、映画<グエムル~漢江の怪物~>、<愛してる マルスンさん>で子供らしくない驚きの演技力で注目を集めたイ・ジェウンが、純粋で少し変わったキャラクターをリアルに演じた。

最近放送されたドラマ<食客><カインとアベル>で個性溢れる演技を見せたチェ・ジェファンが、大人になっても常に父親の影がつきまとうファザー・コンプレックスの“ジェボク”を熱演した。

第2回日韓次世代交流映画祭 アンソンギ パクチュンフン  イボムス 小栗康平 イミョンセ キムヨンファ  キムジョンウォン 宮田節子これら5人の選手を甘い言葉で説得し、スキージャンプの韓国代表チームを集める“パンコーチ”を、中堅俳優のソン・ドンイルが演じた。彼は韓国代表チームを率いるコーチに変身し、個性的でコミカルな演技だけでなく、真面目なシーンも感受豊かな演技で映画に深みを出している。

撮影前の3カ月間、汗を流した訓練と7カ月に及んだドラマチックな撮影を共にした彼らは、強いチームワークで2009年の夏、ついに代表作となるであろう映画を作り上げた。

<国家代表 スキージャンプ・プロジェクト>第2回日韓次世代交流映画祭 アンソンギ パクチュンフン  イボムス 小栗康平 イミョンセ キムヨンファ  キムジョンウォン 宮田節子
空高く飛ぶ夢! 世界初のスキージャンプ映画がスクリーンを羽ばたく! スキージャンプをテーマにした映画が世界で初めて作られた。

スキーでどれだけ遠くに綺麗な姿勢で飛べるかを競う。北ヨーロッパの遊びから始まったスキージャンプは、空を飛びたいと願う人間の欲望を満たす魅力的なスポーツだ。スキーでジャンプ台を滑走し、90~120メートルを飛ばなければいけないスポーツのため、実際の選手たちは空中に浮いている時間の刺激があるからこそ、過酷な訓練と劣悪な環境を乗り越え、10年以上、スキージャンプを続けてこれたという。

飛行機やハンググライダーのような補助機具や装備もなく、体一つで風を受けて空を飛ぶ唯一のスポーツであるスキージャンプの醍醐味を、スクリーンを通して実感することができるだろう。キム・ヨンファ監督をはじめ<国家代表>の制作陣たちは、体一つで風を受け空を飛ぶ姿を最大限にリアルで優麗に描き、スキージャンプの魅力を広め、大衆的なスポーツになることを願っている。

第2回日韓次世代交流映画祭 アンソンギ パクチュンフン  イボムス 小栗康平 イミョンセ キムヨンファ  キムジョンウォン 宮田節子<国家代表 監督プロジェクト>
キム・ヨンファ監督は<カンナさん大成功です!><オー!ブラザーズ>に続くヒューマン映画3部作を完成させた。全国314万人を動員した映画<オー!ブラザーズ>では兄弟愛と家族愛を、全国662万人を動員した映画<カンナさん大成功です!>では外見コンプレックスと幸せの価値を温かく描いた。

第2回日韓次世代交流映画祭 アンソンギ パクチュンフン  イボムス 小栗康平 イミョンセ キムヨンファ  キムジョンウォン 宮田節子前作を通して故人的で素朴な救いを扱ってきたキムヨンファ監督が、自身のヒューマン映画3部作のクライマックスとして完結作品として<国家代表>を選んだ。

<国家代表>は前作たちと共通した苦痛と傷を持った人間たちのドラマだ。各自のコンプレックスを乗り越えて夢に挑戦する姿に、すべての人たちの共感を得られるだろう。

<国家代表 感動の実話プロジェクト>
第2回日韓次世代交流映画祭 アンソンギ パクチュンフン  イボムス 小栗康平 イミョンセ キムヨンファ  キムジョンウォン 宮田節子韓国初のスキージャンプ選手達の感動ドラマが始まる!。韓国で登録されている選手は7名、そのうち韓国の国家代表は4名。劣悪な現実の中で、誰もが不可能と思っていた挑戦に成功したスキージャンプの韓国代表選手たちの実話をもとに、映画<国家代表>は作られた。実際の選手たちはジャンプ台のスプリンクラーが故障したら、ゴムホースを使って水をまきながら練習しただけでなく、アルバイトをしながら生活費とトレーニング代をまかない、大会に出場する時も、高いジャンプスーツを買うお金がなく、破れた箇所を縫っては参加していたという。

第2回日韓次世代交流映画祭 アンソンギ パクチュンフン  イボムス 小栗康平 イミョンセ キムヨンファ  キムジョンウォン 宮田節子現在は韓国代表4名のうち2名は実業団チームに所属しており、あとの選手たちは今も少ない支援の中で苦しい訓練とアルバイトを続けている。それにもかかわらず彼らは、2003年にタルビシオで行われた冬季ユニバーシアード大会で個人戦、団体戦共に金メダル、2003年青森冬季アジア競技大会団体戦の金メダル、2007年トリノで開催されたユニバーシアード個人戦、団体戦で共に銀メダルに続き、今年の2月、2009年ハルピン冬季ユニバーシアードでは個人戦、団体戦共に金メダルを獲得し、韓国のスキージャンプのレベルの高さを世界にアピールしている。

映画<国家代表>は、空を飛ぶ瞬間の優麗なビジュアルを映しだすために、撮影の前からシュミレーション3Dコンテを作り、細かくカットを調節し、韓国では初めてとなるレッドワンカメラとカムキャットを導入し、撮影した。

フィルムに一番近い鮮明な画質と、その機動力を誇るレッドワンカメラで、スピード感溢れる競技のシーンを効率的に撮影した。スピードと正確さが求められるスポーツ中継で主に使われているカムキャットは、選手たちが飛び立つ瞬間を完璧に撮影することができた。

第2回日韓次世代交流映画祭 アンソンギ パクチュンフン  イボムス 小栗康平 イミョンセ キムヨンファ  キムジョンウォン 宮田節子特にカムキャットは、数百メートルにもなるワイヤーにカメラを取り付け、空中で自由自在に操縦し、スキージャンプをする選手たちと共に時速100kmのスピードで動きながら撮影した。これで彼らが空に浮いている瞬間の刺激的な映像を最大限に近いところから映し出すことができた。

韓国内では一度も使われたことがないため、世界選手権大会の担当撮影チームであるオーストリアの専門スタッフたちが韓国に訪れて撮影を担当しmスキージャンプならではの躍動的で生きた映像をそのまま映し出すことに成功した。

それだけでなく、ひどい体力低下をもたらすため、選手1人あたり1日に5、6回しか飛ぶことができないという特性を考慮した。選手達がジャンプする瞬間を逃すことなく、さまざま角度から映像をおさめるために、10台のカメラで同時に撮影し、躍動的なスケールが広がる大会シーンを撮影することができた。

第2回日韓次世代交流映画祭 アンソンギ パクチュンフン  イボムス 小栗康平 イミョンセ キムヨンファ  キムジョンウォン 宮田節子<国家代表>の主演俳優たちは、実際のスキージャンプ国家代表選手たちと共に3カ月の集中訓練を行った。
映画<国家代表>の俳優たちは、撮影の3カ月前から、本当のスキージャンプ韓国代表選手たちと共に合宿し、訓練をした。走りこみ、ハードル飛び、階段の上り下りなど基礎体力訓練から、真夏の室内スキー場では一般的なスキーで体を慣らし、実際にスキージャンプで使う装備へと変えていったスキーの集中訓練まで、実際の代表選手たちが訓練する方法に従い、マンツーマンのトレーニングを受けた。

映画のモチーフとなった実際の選手たちとの難易度の高い訓練は、外見上、実際の選手たちの体格に近づけるよう鍛錬し、内面的には俳優たちが選手たちの夢とチャレンジ精神を理解していく過程にもなり、とても意味深いものとなったという。

第2回日韓次世代交流映画祭 アンソンギ パクチュンフン  イボムス 小栗康平 イミョンセ キムヨンファ  キムジョンウォン 宮田節子キム・ヨンファ監督を初め<国家代表>の制作陣は、優麗でありながらも感動的なスキージャンプの競技シーンを完璧に再現するため、3回にわたって海外撮影を行なった。スキージャンプが大衆的な人気スポーツとなっているドイツのオーベルストドルフスキージャンプのワールドカップで、スケールの大きい映像とサウンドをおさめた。

3回にわたった海外撮影を通しておさめられたヨーロッパの観客たちの熱い熱気と歓声、そしてスキージャンプ大会ならではの美しい雪景色などが、韓国内で撮影された競技シーンとつなげられ、スケールの大きいハイライトシーンを誕生させた。

第2回日韓次世代交流映画祭 アンソンギ パクチュンフン  イボムス 小栗康平 イミョンセ キムヨンファ  キムジョンウォン 宮田節子スキージャンプの韓国代表選手をはじめ、ドイツ、オーストリア、日本選手たちも出演!

スキージャンプの場合、アマチュアができるスポーツではないため、完璧なオリンピックのシーンを再現するためには、レベルの高い選手たちの出演が必要だった。そこでスキージャンプ韓国代表選手たちが全員出演しているだけでなく、スキージャンプ王国のドイツ、オーストリア、日本などの海外選手たちも招待し、<国家代表>の競技シーンを完成させた。

第2回日韓次世代交流映画祭 アンソンギ パクチュンフン  イボムス 小栗康平 イミョンセ キムヨンファ  キムジョンウォン 宮田節子出演した選手たちはスタッフたちの期待に応え、実際のオリンピックを思わせるほどのレベルの高いスキージャンプを見せてくれた。体力が許す限り何度もジャンプし、映画の撮影を助けてくれた。彼らは「私の国とオーストラリアでは、スキージャンプが人気のスポーツだが、韓国ではそうではないと聞いた。この映画によって、韓国でもスキージャンプにより大きな関心を持っていただけたら嬉しい」と語った。