おそろしきジパノフォビア。
$かつて日本は美しかった

 台湾出身の評論家、金 美齢(きん びれい)さんは著書「戦後日本人の忘れもの」の中で『自分の国を悪く言うのは、世界中で日本人だけ』と述べています。

「日本人が日本の悪口を言う場合、それは、日本をよくしたいがために言っているとは思えないことが多い。彼らは自分の国のことを悪く言う事がすなわち、自分を貶めているのだということに気がつかない。
 そのあげく、自分だけは別だと思っているのだ。以前もテレビで、戦争のとき、日本兵が如何に残虐だったかと言う事を延々と述べているジャーナリストがいた。彼の父親が軍人だったことを知っている人が、『あなたのお父さんだって軍人だったんでしょ』と突っ込んだ。すると、彼は、『うちの父親はそんなことをしませんでした』と答えたのである。私は思わず吹き出してしまった。日本人の悪口を言っていながら、自分と自分の家族は別だと主張していたからである。
 それはたとえば、渋滞に遭ったときに、『なんでこんなに車が多いんだ。だいたい日本は、狭い国に車がありすぎだよ』などと言って、自分もその渋滞の原因を作っていることに気がつかないのと同じなのである」。


 日本人が日本のことを悪くいうのは「ジパノフォビア」といいます。これは教育学博士の若狭和朋さんの造語で「イスパノフォビア」を日本版にしたものです。「イスパノ」はスペイン、「フォビア」は嫌悪という意味です。スペインはかつてスペイン大帝国を築きましたが、これを倒そうとしたイギリスやオランダはスペインにプロパガンダ戦(宣伝戦)を仕掛けました。スペインが植民地で残虐なことをしたというパンフレットを作って世界中に撒き散らしました。

「・・・彼ら(スペイン人)は村々に押し入り・・・老いも若きも身重の女もことごとく捕らえ・・・引き裂きズタズタにした」
「彼等は誰が一太刀で身体を真っ二つに斬れるとか、誰が一撃のもとで首を切り落とせるかとか賭けをした」
「ようやく足が地に着く程度の絞首台を作り、13人ずつ吊るし・・・生きたまま火をつけた・・・」


 このプロパガンダによってスペイン人は自国の歴史に自信が持てなくなり、自己嫌悪に陥り、自虐に親しみ、寂しく自国を嘲笑する国民になり没落していったのです。国民国家の発展・衰滅の土台は国民精神の盛衰が基礎なのです。

 日本人が日本を悪く言うようになったのは戦後のGHQの政策によるものです。戦後、「真相はかうだ」というラジオ番組を通じて「日本国民は軍に騙されていた」「日本軍は大陸で残虐なことをした」と刷り込み、新聞紙上でも日本軍の”蛮行”という捏造記事が連載されました。仕上げはあのインチキな東京裁判です。こうしてスペインと同じように日本の国民精神を衰退させようとしたのです。日本が主権回復後も、革命思想を持った人たちが教育界やマスコミに入り込み、日本を破壊して共産主義革命を起こすために続けて洗脳していったのです。そして近年は中共などの日本崩壊を目論む国がそれを利用して日本をプロパガンダ攻撃しているわけです。

 私が子供の頃、小学生の頃が特にですが、学校でとにかく戦中戦前の軍の悪口ばっかり聞かされたものです。マスコミでも戦中戦前の誇らしい日本の歴史というのは言わないでしょう。15年戦争などと平気で大嘘を言い暗黒の時代だったかのように伝えます。ですから、私の世代では「戦前真っ暗」という歴史観を持っている人が多いはずです。歴史だけでなく何かと外国はこんなにすごいのに日本はダメ、ダメだ、と、こんな調子でしょう。普通の国は誇らしい自国の歴史、自国の良いところを学校で教え、マスコミも流すものです。

 上智大学名誉教授の渡部昇一さんの娘さんはジュネーブの日本人学校で教えているのですが、ある日子供達の作文を読んでいたら「日本がアメリカから原子爆弾を落とされたのは自業自得だと思います」と書いてあったそうです。日本人教師からそう教え込まれているからわざわざスイスに行ってまでそんなことを書いているわけです。世代を超えて延々と続く恐ろしいジパノフォビアです。



参考文献
 ワック「戦後日本人の忘れもの」金美齢(著)
 朱鳥社「続・日本人が知ってはならない歴史」若狭和朋(著)
 小学館文庫「真相箱の呪縛を解く」櫻井よしこ(著)
 徳間書店「日本を賤しめる日本嫌いの日本人」渡部昇一(著)

添付画像
 16世紀のスペインのガレオン船(PD)

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