その4からのつづきです。
58キロエイドを出て64キロ地点
で一度スタート地点の
「エレファントテラス」へ
戻ります。
そこはゴール地点でもあり
64キロの部のランナー達が
ハイテンションでゴールして
行きます。
会場は凄いゴール気分満載で
盛り上がってます。
僕らも一度ここでゴールゲート
をくぐります。
水を受け取ると他の白人女性の
ランナーから
「コングラッチュレーション!」
と声を掛けられましたが笑って
ゼッケンを指指すとワオッ!と
また首を振られました(笑)
ドロップバックがあるのでここで
一旦補給をします。
水でも作れるのでこれにしました
めちゃくちゃ美味しかった。
さぁーゴールしてくるランナー
を横目で見ながらまた残り64キロ
へ出発です。
が出発する僕らに何故128キロ
に挑戦したのかとインタビュー
皆の拍手に送られて出発です。
去年も128キロの完走者は
50%を切り
今回の大会も128の完走者は
61人中30人でした。
その大きな理由はここ64キロ
地点で一度ゴールに戻る事
だと思います(笑)
ここで皆、もうここでやめるか
また今から残り64を行くのか
と葛藤するんだと思います(笑)
あとはやっぱり暑さでしょねー
ゴールを目指して残りの64キロ
へ出発しました
だけど急に寂しくなります
ほとんどのランナーがさっきの
ゴール地点でフィニッシュなん
です。
先にも言いましたが128 キロの
完走者は30人
おそらくこの辺からの64キロ
には30人しか居ないので
さっきまでの前半のお祭りムード
は一気になくなってほとんど
ランナーには会わなくなります。
そんな中、出発してすぐ1人の
ランナーと出会います。
彼に国籍を聞くと中国と言い
ました
彼は僕にやたら寝たか?と
聞きます
「いや、寝てないよ」
と、答えると強いなー
寝ないともう無理だよねー
みたいな話しをしてきます
その後、彼が道を間違え
それに気づいた僕らが後ろから
声を掛け彼をルートに戻しましたが
彼はそこであの64キロゴール地点
へ戻る事にしリタイアした様です。
ただこの辺りもオシッコしたい
感覚がずーっとあって辛かった。
と看板があった(笑)
車が通る峠道の長く続く坂を
登ると後半最初のエイドです
そろそろ夜間走へなります。
再びヘッドライトを装着
相変わらず続く尿意...
80キロを過ぎた辺り
オシッコをすると血尿になって
ました
少し不安になる
また15分もするとオシッコが
したい
確かめる様にしてみると
また血尿がちょろっと出ます
それをずーっと繰り返し
怖くなってきました
なんとなく雰囲気も落ちたまま
87 キロエイドに到着
2人の会話も減ります。
血尿状態で無理をすると
腎不全になるかも
もしここにドクターが居たら
ドクターストップになるだろう
等の状態を確認しながら
不安を抱えとりあえず出発
前半で予定よりかなり時間の
貯金はあったのでゆっくりでも
進もうと
90キロの辺り
真っ暗な中、水田地帯を進んで
いると畝に1人頭をうなだれて
座り込んでいる白人ランナー
がいた
「Are you ok?」と声をかけると
いや、俺はここでリタイアする
と言う
次のエイドで俺がリタイアする
と伝えてくれと
水田地帯を抜けると道案内の
現地のポリスマンが居たので
1人水田に動けない選手が
居るから助けてやってくれ
と告げた。
夜間は所々要所にポリスマン
が配置されて居たので助かる。
それからもずーっと血尿が
続いている
もうホントに血を出している
様な感じになっていた。
. . .ゴールはしたいけど
無理していいのか?
腎臓にこれから何か抱えない
だろうか?
なんであの時やめる勇気が
なかったのか?と後から後悔
しないか?
等を心の中でずーっと葛藤
していた。
4月にも大きな大会が有り
それに出れなくなったり
しないか?と不安に心が支配
される
93キロ辺り
遂に敏ちゃんへ向かって
つぶやいた
「やめるか...」
返事は無かった
顔は見なかったが泣き声は
聞こえた
今回は何があっても
自分から「やめる」と言う
言葉は言わないと決めてた
とか敏ちゃんの持っていた
熱い決意を少ない言葉の中
で感じた
とりあえず96キロのエイドまで
行こか..
今回は2人で一緒にゴールと
決めていたし
一生思い出に残る大きな挑戦
だなーと来ていたし。
96キロエイド到着
椅子は他のランナー達が
座ってて場所がなかったので
赤ちゃけた砂の地べたへ
へたり込む
もう気持ちは
2人でゴールしようと
なっていた
後の事は後の事
今回のゴールは2人でしたい
2人の雰囲気は落ちていたが
「言うてもゴールするしか
ないよな」と声をかけた
ならさっさと行こか
前から休んでる人達より僕ら
は先にエイドを出た
あと32キロ
98キロ地点でまた村に入った
村の入口にはポリスマン達が
居てそこに何かお祭りの様に
ワクワクして遊んでいる
男の子3人が居た
僕達が村に入るとその男の子達
が付いて来る
持っていたライトで足元を
照らしてくれたり
犬を追っ払ってくれたり
ずーっと村を案内してくれた
そうそう、ここで犬の話しを
しておこう
この128キロの最大の敵は犬
である
ほとんどの家が犬を飼っている
しかも繋がれていない
飼い犬でも狂犬病の注射は
していないので気を付けるように
とは聞かされていた。
とても番犬としては優秀な彼らは
僕達が走っていると家から
飛び出して吠えてくる
それもホントに近くで
飼い主が起きていた時間は良いが
問題は飼い主も寝てしまった
夜中の時間。
これはとても怖い思いをした。
ヒヤヒヤもんだ
村から次々に犬が出てきて
囲まれながら吠えまくられる。
背後から調子に乗って噛み
つこうとする奴らもいる。
この犬ストレスは半端なかった。
この問題はなんとかして欲しい。
話しをもどそう、
子供達の案内付きで村の出口
まで来た
そこにもポリスマン達が居て
少し休んで行けと言われ椅子
に案内された。
そこは99キロ地点
そこのポリスマン達は全く
英語が通じず会話は
ジェスチャーゲームの様に
なっていた(笑)
そんな中、そこを1人のランナー
が走って来た
...ん?
あっ、さっきの水田で
リタイアすると言った
白人ランナーだった。
大丈夫なのか?と声をかけると
休んでたらまた動けそうに
なったのでゴールを目指すと
言う
僕達もポリスマンと子供達と
別れてゴールへ向けて出発!
村を出て坂道を登る林道が
続く
まだ犬が居ない分こちらの方
が良いくらいだ(笑)
さっきの白人ランナーに
追いつく
彼の名はセバスチャン
カナダから来たランナーだ。
ありがたいがもうほとんど
エイドのスタッフと絡む余裕
はなかった(笑)
でも座っているとマッサージ
等をしてくれてありがたかった
さぁ残り22 キロ
ハーフマラソン程度だ!
行こう!
エイドの椅子から立ち上がると
セバスチャンも立ち上がり
ゴールまであなたに着いて行く
と言う
そこからは3人旅になった。
先が見えないくらい延々と
続く真っ直ぐな道
歩いててもセバスチャンは
遅れて行く
立ち止まって5分休もうかと
声をかけた
3人で赤茶けた砂に座り込む
セバスチャンはリュックを
下ろし靴も脱ぎ地べたに
大の字になって寝転がった。
休むと言えば思いきり休むん
だな(笑)
僕らも地べたに寝てみた
真っ暗で静かで
世界には疲れきっている
3人しか居なかった
星を眺めていると
...あーこんな事が
したかったのかもなー
ここで星を見る為に今回
ここに来てたのかもなぁと
思った。
もうゴールさえ出来れば
いいや!
のんびり行こう!
血尿も、もう20回くらいは
出しただろうか
夜中の森
木々を掻き分けて目印を
探しながら進んで行く
森の中に遺跡が現れた
そこにライトも点けず暗闇
を進むランナーが居た
声をかけると彼は
ヘッドライトのバッテリー
が切れ
携帯のバッテリーが切れ
GPSウオッチのバッテリーも
切れていると言う
おまけに暗闇の中で足も少し
怪我をしていた
それでも彼は進んでいた
全てがノーバッテリー
でも心のバッテリーはまだ
強かった(笑)
彼はアジア系のフランス人
キムさん
彼を置いて行けるはずも無く
4人でゴールへと進む事になった
4人になると犬も吠えはするが
あまり近づかなくはなった
118キロ
最後のエイドを出る
あと10キロ
制限時間には余裕で間に合う
あと10キロ頑張ろう
120キロを越えた頃4人とも
もうGPSウオッチのバッテリー
が切れた
ここからは距離がわからなく
なった
だが残りは8キロを切っている
距離は時間と感覚でなんとか
計算してた
4人で大地にへたり込んで
休んだり楽しかった
2度目の夜明け
ゴール地点に近づくと車や人も
増えて来た。
大きな遺跡が見えた
これの反対側がゴールだ
自分の感覚では後残り1キロと
計算していた
道を間違えたのか?と不安に
なった
遺跡の方には入らずに外周道路
をグルっと回る
ん?この道で合ってる?
ぜんぜん遺跡へ入って行かない
グーグルマップで検索してみると
このままグルっと回ると
まだ後3キロもある
間違えたのか?と少し
引き返したがやはりこの道らしい
しばらく半信半疑のまま進むと
ゴールへと向かう
ゴールがある
自然と走り出す
ゲートをくぐるとスタッフが
バギーに乗って並走して案内
してくれた
ゴール用に用意した日本国旗を
敏ちゃんが取り出す
セバスチャンとキムくんに
国旗を見せ先にゴールゲートへ
向かう
「ありがとうございました」
と言った
それを聞いて感極まり涙が出た
最高のゴールの瞬間だった
あーやめなくて良かった
一歩づつでも進めば必ず
ゴールがあるという事が
あらためてわかった
4人で最後まで頑張れた
熱く暑く貴重な体験をした
これは宝物のゴールだ
僕らはいつか帰るだろう
あの熱く灼けた赤茶けた大地
ウルトラトレイルアンコール128へ
犬がこわい(笑)














