いつからとかは覚えていないけれど、

どうやら、どちらかと言うと、

かなしい曲が好きだ。


歌詞が、ではなくて、

メロディが、だと思う。


かなり幼い子供の頃、

多分初めて曲の雰囲気が、

かなしいと認識したのは、

昔テレビでやってた、「新世界紀行」って番組のテーマ曲。

インスト曲だったけど、

なんだかすごくかなしい、切ないメロだった。

なんだけど、

途中で突然、明るい音に変わる。

そこがむしろ1番かなしいと感じて、

すごく好きだった。

「自由の大地」というタイトルの曲。


勝手にこの曲から、

頭の中に映像が浮かんでいたんだけど、

作者のイメージとは違うんだろうと思う。

雨の中、つらくて暗い斜面を這う様に進んでいく前半。

突然ひらけた視界に明るい日の光。

そんなイメージ。

この、日の光のところが、さっきの明るくなる音の部分。

「自由の大地」なんだから山じゃないんだろうが、

きっと明るい場所に到達したんだと感じた。

転調とかメジャーマイナーとかわからなかったけれど、

ガラッと雰囲気が変わるところはドラマチックだった。


ただ、

僕の中ではなぜか、

この旅人は歩いて歩いて、

到達した明るい場所は、

「死んだ」だと思っていた。

解き放たれたんだな、この人は、と、

勝手に思っていたんだね。

やばい子供だと我ながら思う。


それはまあ、置いといて、


明るい曲が嫌いなわけではないけれど、

僕は一面だけのものより、

裏側にあるものや、物語があるものが好きだ。


ゲームも好きでやるんだけど、

モンスターハンターシリーズの「クシャルダオラ 」の曲は、

重い音とパーカス、ブラスで始まって、

盛り上がったところから突然ストリングスが鳴る。

この部分がものすごく好き。

人間が手を出してはいけない絶望みたいに感じる。

澄んだ綺麗な音ほど、残酷だと感じる。



自分で作る曲や、

歌詞も、

そんなだから、

単純な明るい曲とかはない気がする。

楽しいや、幸せの中にも、

苦味や影があると思うし。

逆に苦しみや悲しみの中にも、

きっと考えれば見つかる糸口や光があると考えている。


そんな物語が好きだ。