ユノ&ジェジュン 妄想ブログ~I need to be in Love

ユノ&ジェジュン 妄想ブログ~I need to be in Love

~愛がなければ生きていけない~
幸せのかたちはいろいろあるけれど…
そこには、必ず “ 愛 ” がある
人間(ひと)には必要不可欠なもの?
“ 愛 ” があればどんな困難も乗り越えられる?
そんな姿をユンジェで妄想しています♥

はじめまして、ATAです

~ここは、勝手気ままの妄想話ばかりです~
主にユンジェ、5人のお話を書いています
妄想が好きな方はどうぞ!妄想が不快な方は、どうかスルーでお願い致します
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中傷、批判、宣伝のコメントは承認できかねますのでご容赦ください

-お詫び-
最近、自分のことで手一杯で、皆様のブログにお邪魔したり
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数時間後、ジェジュンが乗るタクシーの車窓に

見覚えのある光景が広がった

 

「え?ここって…」

 

慌てて車窓を開けた

青空とまばゆい太陽の光に目を眇めた

通り過ぎて行く、懐かしい景色を眺めながら

何処へ向かっているのか、なんとなく想像がついた

もしも…もしも本当にそうなら…と思うだけで

心臓が早鐘をうちだした

 

「あー、変ってない」

 

思わずジェジュンは漏らした

車窓から見える景色を見逃さないように

ジェジュンは目を凝らして見ていた

やがて、ジェジュンが予想した通り

2年前、ユノと数日間過ごした思い出の場所へ

タクシーはゆっくりと止まった

 

「待ってた」

 

「え?」

 

車のドアが開いたとたんに声がした

その声に心臓が大きく鼓動を打った

ジェジュンが固まったように動けないでいると

「さぁ」とユノの綺麗な手が目の前に差し出された

 

戸惑っていると「ボアから電話を貰って待ってたんだ」 

小さく笑いながらユノはその手を引いてしまった

ジェジュンは、慌てて降りようとして気が付いた

 

「あ、あの料金は?」

 

「さっきの女性に頂いていますよ」

 

運転手がにこやかに言う

ジェジュンが降り立つとタクシーはすぐ発進して行てしまった

その車の後部を見送っていると

ユノがこちらを見ながら「ついて来て」と言って

階段を上がって行く

高い背に、すらりと伸びた長い足

数日見ていなかっただけなのに、その広い背中に

懐かしさに胸が熱くなり、涙がこみ上げてくる

ジェジュンは、慌てて両手で涙を拭う

(ちゃんとユノさんに言うまでは、しっかりしなきゃ

 今は泣いてる場合じゃない)

意を決して、ユノの後を追った

ひと呼吸ついて懐かしい部屋に入ると、堰を切ったように

 

「……ジェシカじゃない

 ずっとユノさんを騙してた ごめんなさい」

 

ジェジュンが告白した

ユノは一瞬驚いた様子だったが

直ぐに穏やかな笑みを浮かべて訊いた

 

「ああ…じゃ、今、目の前にいるのは誰?」

 

ユノの視線が真っすぐジェジュンに向けられた

後ずさり困った顔で視線を逸らしていく

 

「えっ、あっ、ぼ、僕は…キム・ジェジュン」

 

ぎゅっと目を瞑り、ジェジュンは声を震わせて言った

こんなに近くにいるのに

さっきからずっとユノを見ないでいる

 

「うん、それで」

 

訊き返されて思わずユノを見た

 

「言えなかった自分が、何者か

 あんな姿、汚くて、醜くくって、自分でも嫌だった

 ユノさんに、ユノさんには見られたくなくて

 怖かったんだ、ユノさんが怖かった」

 

だから言えなかったとジェジュンが声を震わせて言った

 

「え!怖い?俺?この俺がか?!」

 

ユノは狼狽しながら訊ねた

信じられなくて身を乗り出すと震わせているのは

声だけではなかった

細くしなやかな身体も柔らかな唇や綺麗な睫毛も

何もかも怯えるように震えている

 

「だって、約束を破った

 騙して酷いことしたのは…僕だから」

 

ジェジュンは嫌われて当然だとうなだれた

それから黙ったまま

ただジェジュンは立ち尽くし、震えている

 

  …約束を破ったことを、自覚しているということか?

 

ユノはそんなジェジュンを見つめながら考えた

 

 

「あ、あの、ごめんなさい」

 

暫く、ユノが沈黙したせいで、いたたまれなくなったのだろう

ジェジュンは頭を下げると逃げるように部屋を出て行こうとした

その腕をユノが「待って!」と掴んだ

 

「俺は…あの日俺は、舞い上がってたのかもしれない…

 一緒にアメリカへ行けるものと信じ込んでいたんだ

 電話で行かないと言われたはじめて

 ジェジュンのことは、何にも知らないと気付いた

 何も聞かなかった自分のバカさ加減にも腹が立った」

 

「でも、それは、ユノさんが悪いわけじゃなくて

 あの時は時間がなかったから…」

 

ユノが自分を卑下しているみたいで

ジェジュンは申し訳なくなり思わず口走る

 

「ああ、それでも、聞いていれば…俺が

 いや、もっと違ったかも知れないだろう?」

 

ユノの真摯な目に、心底思っているのだと気づかされた

胸が震えて涙が込み上げてくる

 

「ユノさん…」

 

「俺も…捜してた

 俺の前から消えた2年前からずっと…」

 

「あぁっ…嘘」

 

そんなの嘘だ!、ユノさんが僕を捜してたなんてと

ジェジュンは絶叫した

 

「嘘?前もそんな風に言われたな」

 

穏やかな声だった

 

「……なんで?」

 

「なんでって?心配だったから…」

 

その返答にジェジュンは目を瞠った

全部嘘だったと告白して、怒らせたはずなのに

思いもよらぬ言葉に びっくりしていると

「信じられない?って顔してるね」とユノが言った

まるで小さな子供が、恥ずかしがりながら本心を

打ち明ける時のように、ちょっとだけはにかんだように笑う

 

「ジェジュンに何があったのか?

 また死にたくなったんじゃないか?

 何度も否定した、だけど頭から離れなかった

 心配で、心配で、だから

 ジェジュン、生きてくれるだけでいい、生きろ!

 って毎日祈っていた 」

 

ジェジュンの眼がしらに込み上げた涙が頬を伝う

 

「ジェジュンは、俺のこと思い出さなかったか?」

 

「思い出した、ユノさんに嫌われるようにしたから

 だから余計に思い出した

 でも、僕に預けてくれた、大事なお父さんの形見の腕時計を

 ユノさんにどうしても返したかったんだ」

 

苦しそうな声音、懺悔しているような声

しゃくり上げながらユノに告げた

 

「俺にとってジェジュンは方位磁石だ

 何処に帰っていいか分からなくて

 どんなに捜しても見つからなくて

 やっぱり一度手を放したモノは

 見つからないんじゃないかって…」

 

「ユノ…さん…」

 

だらだらと涙がこぼれて止まらない

 

「ジェジュンの気持ちは分かってるつもりだ

 …まだ、俺に言うことはない?」

 

ジッと目を見つめられたが、直ぐにユノは微笑んだ

 

「なら俺から、これだけは言っておく

 ジェジュンがかかえてる事情も何もかも

 俺にはわからないけど…俺はジェジュンを守りたい

 俺が一緒に背負うから、一緒に引き受けるから

 俺に全部分けてくれないか?」

 

ユノの言葉は、ジェジュンの胸の中に沁み込んで

もっと涙がこぼれて鼻水まで垂れてきた

それを何度も何度も腕で拭って言った

 

「本当は、いっぱい、いっぱい、後悔したよ

 でもユノさんが僕を強くしてくれたんだ」

 

言葉の終わりが涙に揺れる

 

「ジェジュン」

 

ユノの大きな胸に強く抱きしめられた

 

「だからこの2年間、後悔したことを後悔してない」

 

顔を上げて涙でぐしゃぐしゃになりながら言った

ユノは嗚咽を零して耳元で、涙でしゃがれた声で言った

 

「ジェジュン約束を守れなくて、ごめん

 ジェジュンが一番辛かった時、一緒にいてあげられなかった

 それが一番の後悔だ」

 

ジェジュンはユノに抱きつき

ユノは抱きしめる腕に力を込めた