人は生きる。
しかし、そもそも「生きる」とは、どういう事を意味するのか。
人は「自分」のことを指して、「私」と言う。
その「私」が「身体」なのであれば、
身体の機能を維持することが、「生きる」という概念と密接に関わっている。
だが、「私」=「身体」という思考は、絶対的なものであるのか。
「私」という意識は、脳によって生まれるという説がある。
けれど、脳によって生まれるということは、
「意識がない」という状態から、「意識がある」という状態が生まれることであり、
「ない(無)」から「ある(有)」が生じることを意味する。
しかし、「無」から「有」が生じることは不可能ではないか。
あるものが「ない」状態から、あるものが「ある」状態に移行することは、
出来ないのではないだろうか。
そう考えると、「私」=「身体以外のもの」という可能性が浮上してくる。
「私」という存在を、何に同一化するか。
「身体」・「身体以外のもの」、そのどちらを選ぶか。
その選択により、生き方さえも変わってしまう。
そんな気がします。