政府やメディアはコオロギ食を推し進めようとしていて、それに対して強い反発が起きている。その中でも目にするのは、「毎日大量に廃棄される弁当や牛乳、おからがあるのにどうして虫を食べなきゃいけないのか」といった意見だ。これは、例えば政府が増税を検討しているとニュースで報じられると「増税の前に支出を減らせ」などと言う事と似ている。増税に対していくら反対しても所詮は政府が決める事なので庶民はほとんど手が出せない。しかし『食』に関しては国民は意思表示ができる。まずはなぜ食物の大量廃棄が起こるのか考えなければならない。コンビニの弁当のように既に完成された状態で店頭に並べられているものは、店舗が必要な数を正確に発注する事は不可能だ。不安定な人数の客のニーズに応えるには多めに発注せざるを得ない。そして消費期限切れになればもう売る事はできなくなる。消費期限は結構早めに設定されていることが多い。この消費期限をもう少し延ばすか、期限切れ商品を客が了承した上で値引き販売できれば多少は廃棄されるのが減るかもしれない。

牛乳やおからが廃棄されるのは原因を考えないといけない。その答えは、単純に言うと消費されないからだ。乳牛は毎日搾乳しなければならないからどんどん生産されるが消費されないと分かっているから出荷されずに廃棄されたいる。チーズやバター、ヨーグルトなどの加工乳も然り。供給過多の状態になっている。加えて手頃な価格で輸入品が手に入るからそれらに市場を侵略されている。まずは牛乳を飲んで国産の乳製品を積極的に購入すれば少しは酪農家の助けになるだろう。

おからについては、そもそも店頭に無い。見落としてるかもしれないが、スーパーでは見かけない。町の豆腐屋さんに行けば売ってもらえるだろうけど、スーパーなどの販売形態が中心となった現代では入手は極めて困難だ。それに、おからを使ったクッキーなどがあるが、果たしてそれを積極的に食してきただろうか。労を惜しまなければ手に入る物を見向きもしないで廃棄されるのを指摘するのは愚かしいことだ。そういう人達は牛乳を飲んで、チーズやおからを食べて、そういった行動を示すべきだろう。


タンパク源としてコオロギを推すのには大いに疑問がある。そこに何らかの利権構造が存在するのは容易に想像ができる。昨今のNPO法人や共同募金やSDGsの話題のように、優秀な人達が調べれば明らかになるだろう。それよりも疑問なのは、何故タンパク源を虫に求めたのか、という事だ。商業捕鯨が再開されてから数年が経つのに鯨肉の話がほとんど聞かれない。大見得を切ってIWCを脱退して、日本の方針として商業捕鯨を再開したのだから鯨肉を積極的に推すべきではないのか。今や多くの日本人は食べた事がないであろう鯨肉だが、昔は普通に食卓に出されていて、安全性の問題が多く指摘されるコオロギなんかより遥かに国民に受け入れられやすい。IWCを脱退した理由はそこじゃないかもしれないが、せっかくの商業捕鯨を活用しない手は無いだろう。


鯨肉が手に入らなくてもコオロギは食べたくない。パンにコオロギ粉が混ざっていなくても、コオロギ粉を混ぜるような会社のパンは食べない。