親が足を引っ張るとき | 塾講師の端くれのつぶやき

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塾講師の端くれが、思うことを気ままに綴ります。

テストに向けてやる気を出し、毎日、自主的に登校するようになった、中2生。


思っている事を、率直に話すタイプではないのだが、珍しく、親に、「そんなに塾に行かなくてよくない?」と言われるのがウザいとう相談。


そういう割には、成績にうるさいのだけれども…。


親からすると、「家で頑張ればいいじゃん」ということなのだろうが…。家庭学習のハードルは、思っているほど、低くはない。まぁ、それが完璧にできるのなら、そもそも、塾は要らないしね…。


さて、これをケーススタディとすると、2つの学びがある。


①ダブルバインドに陥る

②コンフォートゾーンが崩れる


一方では成績にうるさく言われ(本人曰く、暴言を吐かれた)、一方では、そんなに塾に行かないでと言われると、ダブルバインドが掛かり、最終的には身動きが取れなくなる。


「そんなに塾に行かなくてよい」という家庭的な事情があるのかもしれないが(ちなみに、自習でお金は掛からない)、美味しいところ取りはできない。


成績が上がり、それが安定するということは、自分を変えるということだということは、どこかで述べた。


しかし、それには、あまり語られない副作用があることも知っておくべき。


その子が変わるということは、今まで、その子がその子であることで、ある意味安定していた状態が、壊れるということ。


その「環境の変化」に対し、周囲の人の本能が違和感を感じ始め、結果として、周囲の人(特に家族)が足を引っ張るということがある。これは、意図的なものというより、潜在意識の反応。


本人が新しい自分の状態を受け入れることができていれば問題は無いが、そうでなければ、最終的に、学力向上は誤差の範囲内に留まる。はっきり言えば、変わっていないのと同じ状態。


これらをどう考えるかは人それぞれだが、少なくとも、私は、生徒の成長に寄り添っている存在ありたい…。