事前予告した通り、お別れの会に行ってまいった。場所は蒲田の工学院大学構内にある片柳アリーナ、収容人数は調べたところ4000人ということであるが、吹き抜け2階部分は全く人を入れておらず、1階ホール部分の全席指定で拙者の拙い観測だが概ね2000人は下らない人たちが臨席していた。

感想の結論から申し上げると、いやぁ、実に最高だった! 今まで両親や親戚、知人等の葬式で一度も泣いたことなどなかった拙者だが、自然に込み上げてくる涙をこらえることができなかった。周囲の臨席者もことごとくハンカチで涙をぬぐっていた。拙者、ハンカチを持参していなかったので、マスクがびしょびしょになってしまった。

痛感したことは、やはり演出の凄さが人の感情に超刺激を与えると言うことだ。2時間弱で大きく3部構成になっていて最初はホール全体を消灯して、特設ステージに彼女の生い立ちから歌手になるまでの一連の画像を映写し、彼女の肉声での語り掛けが続くのだが、まず驚いたのは「昨年1230日で自分の歌手人生に終止符を打ちました。」という台詞が彼女の肉声で流れたことだ。まさかこのために死者が墓から出てきて喋るなんてことはあり得ないから、おそらくAIか何かによる合成の技術なんだろうと思う。すごい時代になったものだと思った。

次にホール全体が明るくなり、BGMと共に臨席者全員に1本ずつ花が渡され、行列を組んでステージに行き、献花して大きな遺影の前で祈りを捧げる。祈りを捧げる時に拙者、不謹慎な願い事をしてしまったのはちとまずかったと反省している。

最後には彼女が自分の人生を変えたと自ら語りかけた大ヒット曲「なみだ恋」が大音響で流れ、更にレコード大賞受賞曲、浜圭介殿作曲の「雨の慕情」が流れ、場内感極まりなく圧巻だった!

入場は前にも述べたが、抽選で無料だが、希望者にはグッズの販売もあり、収益の一部は被災地に寄付されるそうだ。ただ、さすがに大歌手八代亜紀グッズだけに価格は5000円~20000円くらいの商品で、拙者のような貧しい輩には手が出せなかった。

帰途の車中でも、しばらくは余韻が残っていた。どうか安らかにお眠り下さいませ、八代亜紀様!