法務局に備えられている土地の所在地番を示す地図のことを一般に公図と言っている。今回は、これにはどんな種類があるかを拙職の業務経験上から独断と偏見で分類してみようと思う。

その前に前回のブログで出題していた問題の解答を述べよう。正解の選択肢は(1)の100%有効である。

形式的要件の日付、署名、押印があれば形式的には完全有効、内容的にはいわゆる民法の公序良俗に違反するようなことでなければ当然有効だからである。イヤイヤ民法第1042条の遺留分の規定があり、法定相続人(妻子)に半分は残さなければならないので、一部有効と言う人がいるかもしれないけれどそれによって、遺言書が無効扱いされるいわれは無い。遺言執行人は死亡者の遺言通り、愛人に相続財産を全額受領させて問題はない。

要はそうされたら妻子は民法第1046条で侵害された遺留分を裁判で取り返せばいいだけのことだからである。法律で請求権は担保されているので訴訟で負けることはない。だから実務上は遺留分を半分残して残り半分の相続とするのが一般的なだけである。

以上により設問はあくまで遺言書の効力を問うているので、正解は(1100%有効となる。

さて本題の公図の話に戻るが、公図には細かく分けると色々あるのだろうけれど、大きく分けて3種類あると思う。ウナギなどの料理にたとえると、特上(松)、上(竹)、並(梅)の3種類である。

特上(松)に当たるのがいわゆる14条地図と呼ばれる極めて精度の高い図面であり、境界復元の時なども立会は不要である。

次に上(竹)に当たるのは国土調査等があったような地籍図と称されるような図面で、まぁまぁの精度を有しており境界復元時の立会いもさほど厳しくはないものである。

最後に並(梅)に当たるのが昔の土地台帳附属地図という見取図のような精度の低い図面で、境界復元時の立会は結構大変である。

我国の公図の大部分はこの並の図面である。ただ、以前のブログでも述べたと思うが、どれも行政法上の公証力を有した図面であることに変わりはない。

だから手数料は特上、上、並にかかわらず法務局で取得する時は、一律どれも1450円、ネットで取得すれば1362円となっている。

ちなみに、拙職の意見に反論のある方は遠慮なく自由にコメント欄に反論のコメントを書いて頂きたいと思っている。