20時のTV朝日の番組を見ていたら、某芸能人が終活に入って遺書を子供たちに既に渡してあると言っていた。生放送なら仕方ないが、録画番組なんだろうからTV朝日もこのような誤りはきちんとチェックして放送すべきだと思う。これは明らかに遺書ではなく遺言書である。見ていて不愉快になったのでここで書いてやろうと思った次第である。(笑)。

遺書と遺言書の違いをここで説明するのもおこがましい限りであるが、TV番組を見た視聴者もメジャーな放送局が放映しているものだから正しいと思っちゃう人もいるだろうから下記に明記しておく。

 

遺書・・・今これから非常に短時間で死を迎えることを余儀なくされた時に書く書面であり、内容に特に制限はない。短時間で死を迎えるとは、今から自殺するとか、飛行機事故でもうすぐ墜落死するであろう時などの場合である。

遺言書・・・今これからすぐ死ぬわけではなく、これからいつか迎える死後について自己の相続人に宛てて為すべきことを伝えおく内容の書面である。詳細は過去の拙職のブログ記事にも記載してある。

 

ちなみに昔、武士が切腹する時に詠んだ、所謂、辞世の句というのは遺書に相当する。拙職の好きな辞世の句を下記に掲げる。

 

 風誘う花よりもなお我はまた春の名残を如何にとかせん

                           浅野内匠頭

    (無念な思いをどうしたらいいのだろうか)

 

 あら楽し思いは晴るる身は捨つる浮世の月にかかる雲なし

                           大石内蔵助

    (大願成就したので思い残すことはなし)