4人同じテーブルにつければよかったのだが、
混雑していて、少し離れる。
コース料理が運ばれてくる。
『今夜の私たちは間違いなく、
ホストと客に見えてるわね』
リサが笑った。
『ノーネクタイのせいか?笑
昔、“夜王”って漫画あったよな。
俺って、野望に満ちてるように見える?』
『うん。今夜は見えなくもない笑』
『じゃ
リサは退屈な毎日を過ごすマダムか?』
『それほど退屈ではないけどね笑
私から欲しいものを手に入れた貴方は、
さらにのしあがるために私の周りの女性たちを 手玉にとっていくの』
『周りの?』
『そうね‥実在の人物に例えるなら‥』
リサは周りを見渡して
『そら、とかね』
リサの肩越しに
背中が大きく空いているドレスを着た
そらの
後ろ姿が見えた。
『どんなふうに??』
『彼女が危険に晒されているときに、
颯爽と現れたり‥』
『その危険な出来事は俺の策略?』
『もちろんよ』
『空想の天才だな笑
‥それで?』
『彼女から心も身体も財産も、
何もかも取り上げて
捨てちゃうの』
『えー捨てる?
そんな悪い人間にするなよ』
『はいはい、わかってるって。
あなたは捨ててしまってから、
彼女のことが
本当に好きだったって気づくの。
それで必死で探す。
で、やっと見つける』
『で?』
『その時はもう、
彼女は別の人と平凡な家庭を築いてた』
『それはショックだな。
そこに割り込もうとはしない?』
『さすがに出来ないでしょ』
『打ちひしがれた俺は??』
『そうね。。。
今までの生き方を反省するのね』
『話、戻るけどさ。
君からいろいろ巻き上げて(笑)
そのあと例えばそら?に俺が取り入ってる頃、
君はどうしてたの?』
『私?
私はあなたに惑わされてしまったことで
深く傷付く。
パートナーはそんな私でも許してくれて、
穏やかな毎日を取り戻す。
やっぱり私の居場所はここだ、って思うの』
『最後は?俺、どうなるんだ?』
『私のところに戻ってきてもいいのよ笑』
『え、でも』
『今度は
私があなたをボロボロにしちゃおうかしら笑』
『うっわ、こわっ笑』