仕事終わり。

亮太は
退社する雅樹に声をかけ
夕食に誘う。


居酒屋のカウンター。

『週末、暇だろ?』と、亮太。

『いつも暇なわけじゃない』

『きょうこには昼間
 誘ったんだけどさ、
 お前も晩飯付き合ってくれよ。
 俺の彼女、連れてくるからさ』


雅樹は飲んでいたビールを噴きそうになった。

雅『ちょ。。
 お前、どんな神経してんの?』

亮『(彼女が)俺の友達に会いたいって言うから』

雅『バレたらどうするんだよ』

亮『もちろんバレないように
  うまくやるし、
  顔合わせのつもりでさ。
  お前も協力してくれよ』


雅『協力?』


亮『うん。
  お前ときょうこが付き合ってるテイで(笑)
  設定はダブルデートみたいな?』

雅『断るって言ったら?』


亮太は少し驚いたようで。
『え?断る? 
  それは想定してなかった(・_・;』
残念な顔をする亮太。


雅『いいよー、とでも言われると思ったか?
  
  いい機会だから
  言っとく。
  計算高くて無邪気さを演じてる。 
  嫌いなんだよ、お前のそういうところ。

  別れるつもりもないくせに
  他の女と結婚するとか。

  バレたときの覚悟できてんのか?
  誰を守るつもりだ?
  結局、結婚相手だろうが。

  自己チューなお前のせいで
  あいつ(きょうこ)1人だけが
  恨まれることになるんだよ。
  わざわざ悪人にするなよ』


亮『ずいぶん言いたいこと、言ってくれたな笑
  もっとも過ぎて、反論無理笑』

雅樹は
しばらく無言でビールを飲み、
大きく息を吐いた。

『行ってやるよ。
 週末。
 きょうこと付き合ってるテイで』



亮『え?マジ?』