数日後。

社内エレベーターの前で
亮太ときょうこが居合わせる。

並んで
降りてくるエレベーターを待つ。

『週末さ、時間ある?』
亮太が口を開く。

『あるよ。どっちかの家でしょ?』

『いや。。
 彼女がさ、
 俺の友達と会ってみたいって言うんだ。
 で、一番の親友っていったら
 お前だろ?』


『あ?!私って、親友だったの??』

『そう。
 だから週末、飲み会に親友を誘ってって
頼まれてるんだ』


『その、、、親友が女だって話してる?』


『話してない』


エレベーターが到着して
扉が開いた。

幸い、誰も乗っていないし
2人の他には誰も待っていなかった。


乗り込む。


目的の階をそれぞれ押す。

『無理無理無理。。』
きょうこは
頭を両手で抱えた。



『そうだろうと思ってさ。
 雅樹も誘うことにした』


『彼まで巻き込むの??
 絶対だめ』

『だって2人、計画通り
 そのうち結婚するだろ?
 そうなったら
 これからもずっと関わっていくわけだし』


『絶対無理。承知できない』


エレベーターは各階を止まらずに過ぎ
亮太が降りる階で止まった。

『雅樹には俺から誘っとくよ』
亮太が降りていく。


『無理無理無理無理‥会いたくない』
呟くきょうこの前の
扉が閉まった。