いつも通りの昼休み。
相変わらず、亮太ときょうこは社員食堂で向かい合わせ。

恒例になった
キツネうどんと弁当を交換。

その日、違ったのが。。。

『隣、いいか?』
2人が見上げると
雅樹が立っていた。

『外(回り)じゃなかったの?』

雅樹は亮太の隣に座った。

『午後から緊急会議だってさ』

『あら、たいへん』

雅樹は
テーブルの上に弁当箱を置いた。


『あれ?お前って弁当男子だっけ?』
亮太が驚く。


『まさか笑笑
 きょうこが毎日作ってきて
 持たせてくれんだよ』


『あらま。。。』
亮太が口をつぐんだ。

『昼メシ、
 出先で食いそびれることが多いって言ったらさ。
 ついでだからって。
 それに甘える、俺 』

『ふーーーん』


雅樹が両手を合わせて
『いただきまーす』
といい、

弁当の蓋を開ける。

亮太は雅樹の弁当を覗き込み
『ふーーーん』と、また、一言。



3人は他愛もない会話をして

『ごちそうさま。
 (会議の)準備してくる』

と、
雅樹は先に食堂を後にした。




『ふーーーん』
亮太は、また言う。



『なに?さっきから。。』
お茶を飲み、一息つくきょうこ。


亮太『弁当、作ってやってるんだ』

きょうこ
『うん。いつもお世話になってるからね』

亮太『嫌だな、俺』

きょうこ
『は?』

亮太『俺以外の男にメシ食わせるとかさ』

きょうこ
『それ、おかしくない?
 雅と結婚しろってすすめたの、
 亮ちゃんでしょ?
 そのための地固め、してるんだよ?』


亮太『そ‥そうだったな。
   俺が言ったんだよな、、はは』

きょうこ
『なーに?気に入らないんだったら
 やめようか?』

亮太『いや、いいよ。。別に‥はは』



単純なこの男は
こんなことで簡単に揺れた。。。