1ヶ月前の日曜日の朝。

競技場に大勢の人が集まった。
チャリティーで
各業種の社会人サッカー大会が行われる、

有名人も多数、参加する
年に一度のイベントだ。

専用の駐車場で
参加者は各自
集合する。

白の外国車の隣に、
同じメーカーの最新の黒い車が並んだ。

『お前。すごいの買ったな』さとしが“白”いのから降りてきた。

『頑張った自分へのご褒美だからな』
“黒”いのから降りてきたkazが自慢げに笑う。


さらに
赤い色の
装甲車のような車が横に並んだ。
その車からヨウが降りてきた。
『周りの車が避けてくれるのはありがたいけど(笑)時代に合ってないような。。
小さい車に替えようかな(・_・;』

『乗ってみていい?』
ヨウの車の運転席に
さとしが乗り込んだ。

『俺の車なのに、さとしの方が似合うって
 なんだかな(・_・;』




少し遅れて、アキラが到着した。

『ひどい渋滞だ』

その助手席から
そらが降りてきた。

kazが『元気だった?』と、そらに声をかける。

『うん。相変わらず元気よ😊
 あ、これね。kazの新しい車。
 すごく似合ってる!』



『そら、久しぶりっ』
ヨウがそらに話しかける。

『この間は、いろいろ迷惑かけてごめんね。
 本当にいろいろありがとう』
そらはヨウに頭を下げた。

少し前、アキラとそらの間で危機的な状況が起こり
その間を取り持ったのが、ヨウだった。

『ああ、まじで仲直りしてくれて良かったよ。
 アイツ、ずっと不機嫌でさ(・_・;
 もともと目つきも悪いじゃん(笑)
 ホント怖かったよ😭』

『ああ。。キレると怖いもんね💦』
 
『あはは。ま、慣れてるからいいけど(笑)
 で、
 リサも今日くるよね?』

『うん。私たちと同じルートだとしたら
 まだ渋滞に巻き込まれてる最中だと。。』


『じゃ、先に練習 
 始めとく?』

メンバーは車から
荷物を下ろし
移動を始める。


そのとき
見慣れない車が現れ、
みんな振り返った。

『あれって。。。』

『すっげ。誰の車だ?有名人か?』


『遅れてすみませーーん!』
太一が降りてきた。

さとしが驚いて
『お前、儲けてるなあ』
と言う。


『買ったんじゃないですよ(笑) 
 貰い物です(・_・;』
太一は控えめに言った。

『そんなの貰えるって、やっぱ
 稼いでるんじゃん(笑)』
kazが笑った。


『じゃ、練習始めるぞ』
さとしがみんなに声をかけた。




太一がそらに気付き、
頭を下げた。

『お元気ですか?』

『はい。なんとか無事(笑)』


アキラが駆け寄り、
太一の服の袖を引っ張った。

『はい、これ以上
 (そらと)接近禁止』

『す、すみません💦』

アキラは
太一の首に腕を巻き付け
引きずっていく。
『お前。
 相手に俺のところまでボールを運ばせたら
 許さないからな』

『は、はい💦
 アキラさんは
 ちゃんとゴール守ってくださいよ』

『その前に大量にゴール決めておけ』


絡まりながら走っていく2人を呆れた様子で見る。

『何、あの2人。。笑』

『いつからあんなに仲良くなったんだ?』







主催者側が用意した
ケータリングの会場で
試合までの時間を過ごす。

さとしが
メンバー表を広げる。


主に、
GK アキラ

DF さとし(キャプテン)
  ヨウ

MF kaz

FW   太一

その他、、、


リサが表をのぞきこんだ。

『そら、アキラはGK???』


『うん。
 アキラは
 あまりサッカー得意じゃないからね(・_・; 
 腕が長くて、手が大きいってだけの理由でGKだよ、きっと(笑)
 太一は何でも出来るんだよね?』


『うん。野球チームにも入ってるからね』


『え、、、
 サッカーも野球も苦手だけど 
 水泳なら国体レベルだぜ。。
 残念ながら
 チャリティーの水泳大会がなくてな。
 活躍できないだけだ。。(・_・;』

と、パンをかじっていたアキラが
ボソっと言った。