『父さんから送られてきた離婚届が原因で身体を壊しただろ?そのころに全部』

『そうだったの。。』

『その子どものように、
 したくないんだ。
 自分の子どもだと思って育てたい』

『あなたにも苦しい思いをさせていたのに、
 自分のことで精一杯だったの。
 ごめんなさい』

『もう僕の中では処理できてるんだ。
 父さんと母さんに大事に育てられたから、
 今の僕があると思う。
 ヒトミは僕の大事な人だ。
 その人の子どもだから、きっと愛せる。
 その子が自分のことを
 理解するようになるまで、大切に育てる』

母は泣いていた。

『なんて優しい子なの?
 わかったわ。。ヒトミさんの子どもをハン家の孫として迎えます。
 父さんは家の外で生まれた子ども1人の面倒も見なかったんだから、文句も言えないでしょう。
あなたはヒトミさんをちゃんと説得しなさい』

『ありがとう、母さん』


ビニは母を抱きしめた。


夫の説得と、義母の理解によって
ヒトミは無事に女児を出産した。

名前はハン・ユナと、名付けられた。
ビニは、
はにかむ時の目がハルキに似ている娘を
過去に囚われず大切に育てていく。




そして今。

ハルキたちがSeoulに来たことで
自分たちの将来が大きく変わっていくのを予感した。
ビニは南山タワーの照明が消えたのを見て、
夜が明けたことに気づく。

妻と娘を空港に迎えに行くために
仮眠することにした。