正午過ぎ。
集合時間まで街を散策していた
サトシとリサは港に戻ってきた。

『こんなに混雑していたら、
 彼女たちと陸で
 待ち合わせるなんて無理ね😵』

祭りのような賑わいにリサは驚く。
今朝、港の下見に来たときは
全然
人がいなかったのだ。


『必ず来るんだろ?出港したあとからでも
ゆっくり探せばいいんじゃない?
 アジア人はどうやら少なそうだし』
サトシはのんびりとアクビをしながら言った。

『それもそうね。
 さっさと乗って一休みしよう』




一方、アキラとそら。

空港に着いてすぐに行動を開始し
初めて来た土地は物珍しく、
寄り道しながら港へと向かっていた。

ゆったりと運河を移動する、
二人を乗せたゴンドラ。
しばらくして
ゴンドラが接岸された。
『港はあっちだよ』と、
スーツケースを運んでくれた
ゴンドラの補助員が教えてくれる。


港に着くと
大きな客船が目の前に現れた。
『え!すっごくない?あれに乗るの?』

『驚いてる暇は無いよ!
 (集合)時間、過ぎてる』
アキラは腕時計を見て
足を速めた。

結局は、
手続きに手間どっている
前の列の数人のおかげで
十分に間に合った。


案内を見ながら、
部屋にたどり着く。
ドアを開けた瞬間。。
『すっごい部屋だな(@_@)』

『贅沢だよねぇ。さすがセレブの生活は違う』

『ああ』

『正直、アキラがこの旅行に行ってくれるとは思っていなかったわ』

『俺がずーっとあの仕事をしていたら、来る機会はなかっただろうな』

『節目の旅、って感じ?』

『うん、きっとそうなる気がする』


アキラがスーツケースから服を取りだし、
クローゼットの引き出しに並べる。
『俺の服、こんなに持ってきたのか?』

『うん、かっこいいの一杯持ってきたから
 いっぱい着てね』

『また俺は着せ替え人形か…(笑)』

『もちろん私の楽しみを奪わないで🎵』