クリスマス前日。



企画部・開発部のフロアの若いスタッフたちは
海外旅行とかスノボとか?
冬の休暇に有休休暇を合わせてとってしまい、、、

企画チームのリーダー・リサと
開発チームのリーダー・そらは、
それぞれ残ってくれた数人の後輩たちと忙しく仕事をしていた。


予定のある子たちは
定時になると急いで帰っていく。

~イヴだから仕方ないね~
リサもそらも毎年そう言いながら残業をする。
働き方改革っていうけど、
そんなの、今は言っていられない。
もちろん、二人に毎年クリスマスの予定が無かったわけではない。

~クリスマスじゃなくてもいいじゃない~
何ヵ月も前からレストランの予約をとって
ホテルの『満』の文字が消えるまで外で待っていなくてはならない、そんなときにデートする必要がどこにある?
なんでわざわざこの日に彼と食事して
Hまでしなくちゃならないの?(笑)
確かに若いときはそうだったけど(笑)
街のイルミネーションが
会いたい気持ちを後押しするんだよね。
うん、そうだったそうだった。
そんなときもあった。。。
若いうち、楽しめばいいのよ。



リサは、パソコンの電源を切った。
時計を見ると22時少し前だ。

『さて…終わったあ。
 ユノ君、進捗状況は?』

『はい。あと数分です』
モニターの向こうから、
後輩のチョン・ユンホ(ユノ)が顔を覗かせた。

『ご苦労様でした。
 ユノ君、デートでしょ?
 あとは私がやっておくから、帰っていいよ』

『予定なんかないですよ。
 彼女もいないのに(笑)。。。先輩は?』

『私は明日の今ごろは、ソウルよ』

『いいですね』

『ユノ君は?お正月、帰らないの?韓国』

『僕は旧正月前後に帰ります。
 そのために今、一生懸命残念してるんじゃないですか』

『あ、そうか(笑)』



『僕も終了しました。
 よかったらご飯行きませんか?
 もうこんな時間だから、夜食になってしまうけど』

『準備(旅行の)もあるけど、いいわ。
 帰っても食べるもの、無いから』



同じフロアの開発チームで同じく残業している
そらに声をかける。

『そらぁー!先、帰るよ。 
 ユノ君にご飯誘われちゃったから』
そらは、仕切りの向こうから
腕だけ伸ばして手を振っている。

『いいねいいねぇ。若い子、襲っちゃダメですよ、先輩なんだからっ(笑)!』

『襲うほど、体力残ってないわよ(笑)
 あなたは
 まだ、帰れないの?』

『前みたいにソウルにまで呼び出しかかっちゃうと困るから全部片付けるつもり
 …こりゃきっと日を跨いでしまうな。。』
数ヵ月前、温泉旅行中に
仕事で呼び戻されたことがあったのだ。。

『明日からのために無理しないでね…
 じゃっ、お先にっ』


『ありがと。明日は午後から休みとってるから
 ご心配なく。おつかれーっ』